【材料学】伝説の磁石島
磁石(磁鉄鋼)は、昔から不思議な力があることから、人々を魅了してきた。
1200年代ローマの博物学者アル・カズウィーニーは、自身の研究をまとめた「万有学(天文学・宇宙論・地理・動植物・鉱物など、イスラム世界の叡智を集大成した百科事典)」の中で、「インド洋に磁石でできた島があり、船がその付近に近づくと、その船に鉄でできた部分があれば、その船は鳥のように飛んで、磁石の島に付着してしまう。」と記している。
磁石島の伝説は、中国、インドなどでも、古くから言い伝えられています。日本でも17世紀に刊行された「異称日本伝」に、「中国の三山大洋というところには、磁石が多くて、船板に鉄のクギを使ったものは、その付近を通り過ぎることができない。」と記されています。
日本にも磁石山ともいうべき山が存在します。山口県の北東部、日本海に面した阿武郡須佐町にある標高533mの須佐高山です。山頂部に露出した大小の岩は、通常の10倍もの異常に強い磁気を帯びていて、方位磁石を近づけると、針が大きく振れたり、反転したりします。落雷に伴って大地に大電流が流れ、磁気を帯びたとされています。
『参考資料』
https://bunkazai.pref.yamaguchi.lg.jp/bunkazai/detail.asp?mid=30048