あんま有名じゃないけどカッコいい曲について
あんま有名じゃないけどカッコ良い曲を選んでみました。写真はグリフィン以外は作曲者です。僕の好きなバップナンバーですんでよろしくお願いします。
・「Time To Smile」by Freddie Redd from “The Music From The Connection”
マクリーン出演のミュージカル・ナンバーです。レッドの曲はカゲが有ってダークな切ない感じが多いんですが、この曲は明るい良い曲です。収録はこれサントラ・アルバムですね。麻薬中毒のジャズ・ミュージシャンの話らしい。マクリーンが出れない時はティナ・ブルックスが代役やってたみたいで彼のバージョンもあります。でもこの曲はマクリーンが良いかな。2人はフレディー・レッドの別のアルバム「Shades of Redd」で共演もしてますね。イーブンめのマクリーンと跳ねまくるティナですが相性は良いです。こっちのアルバムも名曲揃い。
・「Hank's Other Tune (The Late Show)」by Hank Mobley from “Byrd's Eye View”
言わずと知れたテキトータイトルナンバー。「アザー」なのは当然「Hank’s Tune」という曲が有るから。こんな美しい曲がスタンダード化してないのはタイトルが悪い。と思ったら「Late Show」というタイトルで再演してましたね。モブレー初期の名曲です。
・「Lex」by Donald Byrd from “Byrd in Flight”
「Soul Station」に並ぶモブレー屈指の名盤に収録の所謂B面1曲目です。ホントはドナルド・バードのアルバムなんだけど、モブレーがまたもやリーダー喰いまくりでホント最高なんで、とりあえず聴いて欲しい。陰の無いどストレートなハードバップ・ナンバー。ドナルド・バードらしい曲ですね。ネットを漁ると楽譜も落ちてます。
・「Eronel」by Thelonious Monk from “Wizard of the Vibes”
コレ、サヒブ・シハブのパリっとしたアルトが良いんですよ。マクファーソンのとは全然違うテイストですね。いきなり印象的な上昇フレーズから始まるんだけど、モンクと色々研究してたんでしょうなあ。半コーラスの短いソロなのが残念。この人バリサクもイケるマルチな実力者で、人種差別に辟易して北欧へ移住しちゃわなければ、もっと一線でバリバリとアルバム作ってくれたと思われる。レイシストはマジでクソ。
・「Reminiscent」by Lucky Thompson from “Lucky Strikes”
絶対スタンダード化しているはずで俺が知らないだけに違いない、と思って調べてみたが、本家以外ヒットしないんだよ。なんでだろう。良い曲です。この曲はテナーでやってるけど、他の曲ではラッキーさんのバップ・ソプラノも楽しめます。楽しい可愛いアルバムです。
・「Exhibit A」by Gigi Gryce from “Taylor's Wailers”
マクリーンはメッセンジャーズでもやってましたが、イントロからグイグイ引き込まれますね。何度も言いますがコレぞハードバップですね。この大袈裟な感じが堪らないんだよ。ジョードゥとかもそうだけど、醍醐味ですよね。作曲はジジさんでした。ライブではブラウニーとかともやってそう。
・「Got to Take Another Chance」by Philly Joe Jones from “Philly Joe's Beat”
コレね、謎のラッパ吹きマイク・ダウンズさんが良いんですよね。なんかこの人もビッグバンド系の人らしいけど、詳しいコトは全く判りませぬ。コレも明るくハッピーなイケイケバップナンバー。やる時はも勿論ドラムイントロで!
・「Hot Sausage」by Jody Christian from “Way Out!”
まあ何というかグリフィンらしいタイトルですよね。昔、大西順子さんがテレビに出てた時「グリフィンはne♡スケベ親父!ギャハハ!」とか言ってたなあ。シカゴを代表する早撃ちテナーマンで、この人をコピーするのはブレッカーをコピるより難しいらしいスーパーテクニシャンです。が、この曲も僕好みの明るくおバカなほのぼのバップナンバーです。
・「Cycling」by Sadao Watanabe from “Sweet Deal”
日本にボサノバを紹介したジャズ界の第一人者といえばこの方ですが、そんなナベサダのサウダージ漂う4ビートの曲。何書いてるのかよく分かりませんが、アルバムがフュージョンのなのでそんな感じです。やっぱサウダージ感濃いめ。普通に32小節ものとしてやれるんで、スタンダード化して良いんじゃ無いでしょうか?実はこういうのも好きなんだよな。
・「Startin' from Scratch」 by Hank Mobley from “Hank Mobley
え〜、カフェ・ボヘミアのメッセンジャーズからペットをアート・ファーマーに差し替えた一枚ですね。他のメンツはメッセンジャーズ。コレもハードバップなイケイケナンバーです。モブレーの作曲能力はかなり高いと思うがイマイチスタンダード化しないんだよな。
・「Nascimento」 by Barry Harris from “Barry Harris Live at Dug”
バリー・ハリスさんの新宿Dugでのライブ盤のラストナンバー。バリーさんのライブやワークショップでは、最後にこの曲を会場のみんなと合唱するのが定番でした。僕も2004年に恵比寿のライブハウスに見に行った時に歌わされた思い出があります。バリー・ハリスさんは2021年12月8日にコロナで永眠されました。パーカーの9歳年下のデトロイト生まれ。モンクやパノニカ夫人、スティット、マイルスをはじめ、多くの歴史的なミュージシャンの友人であり、美しいピアノを弾く信頼される共演者でした。また、世界中に本当に沢山の弟子を持つジャズ/ビバップの伝道師であり、ジャズの歴史を造ったジャズジャイアントの1人でした。