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2022.4.18 シュリスペイロフ@下北沢CLUB QUE

set list

キミの話
花とゆめ
ルール
きみのマンガ
あそぼ
水の中
レインマン

EN
カノン

EN2
下着と日々


雨が本降りになった夜でした。
月曜日なのもあって直前まで配信視聴にしようかと迷っていたのですが、突然のブチョーさん(Dr.)脱退の報せを知り、慌ててチケットを押さえました。
こんな夜は飲まずにはいられないと思いお酒をおかわりしたのに、たいして酔えないままで演奏が始まりました。

そしたら何の前触れもなく、病気療養で活動休止中だった澁谷さん(Gt.)が復活していたという。ギターの音で気付いた時には衝撃が走りました。この日は辛い気持ちがかなり勝ってたので、ステージをあまりじっくり見られてなかったんですね。見えてるはずのものが全く見えてない状態。

久しぶりに見た澁谷さんは随分と髪が伸びていました。それから演奏中の完全に音の世界に没頭している様子に、ああいつもの澁谷さんだ、本当に戻って来たんだ…。と思ったらなんだか急に涙が込み上げて、じわっと泣いてしまいました。
一体なんなんでしょうね? この悲しみと嬉しさという両極端な感情に両脇がっちりホールドされながらガクガク揺さぶられてるような感覚は…。
なんという夜だ。

事情が事情なだけに、この夜はステージ上もいつもより少なからず緊張した空気があったと思います。
基本いつも客席に対して横向き演奏スタイルの野口さん(Ba.)は、この日は最初の2曲ら辺まで完全に背を向けちゃって弾いてるし。
宮本さん(Vo. & Gt.)の歌声は割といつも通りに聴こえたものの、MCになると最初から「今日はブチョーの日です」と宣言して、ブチョー思い出話とブチョー愛しい話に終始してました。
シュリスは大抵MCが長めなのですが、この日は皆ことさら饒舌になっているように思いました。野口さんが沢山喋るのも割と珍しいし、ブチョーさんからの今だから言える(?)バンド内苦情や、宮本さんの恥ずかしい話の告白もここぞとばかりに飛び出してきたり。
話が長くなると途中からはあんまり耳に入ってないことの多い私も、この日はいつもより真面目に聞き入っておりました。

本編最後の「レインマン」になると3人が一斉に澁谷さんを見て、そこから澁谷さん1人で目を閉じておもむろにリズムを取りながら、そっとイントロを弾き始めたのが強く印象に残っています。
この曲はベースラインが際立って美しくていつも聴き入ってしまうし、最後までひたすら心地よく浸れる曲のひとつです。

アンコールの「カノン」の頃になると、宮本さんも流石に感極まった風で、この日の曲目の中ではいちばん歌いにくそうにしていたと思います。
それでもほとんど演奏は崩れない。この底力がやはりシュリスペイロフだなあと改めて噛み締めました。

Wアンコールの「下着と日々」は全く準備してなかったそうで、暫しの思い出しタイムを挟んでから始まりました。そしてまたしても客席に背を向けてしまう野口さん。
やっぱりバンドの皆さんもそれぞれに辛い気持ちを抱えているのだろうかなどと思いつつ、見ているこちらも正直色んな気持ちで胸がいっぱいで、当日は曲目を覚える余裕もあまり無いままでした。後で確認したら「花とゆめ」も好きな曲のはずなのに、味わって聴けたような記憶が全くありません。

ともあれ、ブチョーさん、長年のバンド活動本当にお疲れ様でした。
サポートギターの三浦さん、大変お疲れ様でした。
そして澁谷さん、おかえりなさい。


以降は蛇足ですが、バンドに対する個人的な感慨や今思ってることなどを。

シュリスペイロフというバンドについては、存在を知ってアルバムを聴き出してから7、8年ほどになると思います。
シュリスがよく出演している新宿red clothというライブハウスにはその頃まだ一度も行ったことがなく、土地勘も全然無いので場所も分かり辛くて最初の頃はハードルの高さを感じていたりしましたが、やがてそれも慣れてしまいました。
一度はレコ発ツアーで名古屋にも行きました。確か東京の日に外せない予定が入ってしまい、でもどうしてもワンマンが見たかったので。
CDの方は後追いのアルバムは入手困難な物が多くて、最初のうちはレンタルでしか聴けず、それから時間をかけて集めました。

そんなふうにずっと心の一角を占めていながら決して派手に主張をする訳でなく、かといって落ち着いてしまう訳でもなく、音を聴けばいつも一瞬でここに戻ってきたと思えるような、私にとっては不思議な心地の良さのあるバンドです。
その空気を作っていたのはバンドの4人全員の存在感があってこそだと思っているし、ブチョーさんのドラム以外で鳴っているシュリスの姿はまだ全く想像がつかないし、ブチョーにさん付けで呼ぶのは果たしてありなのかどうかも分からず終いになってしまいました。
とはいえ今後もバンドの動向はのんびり見守りってゆきたいし、出来ればもっと曲目の多いライブを沢山見られるようになったら何よりです。ファンは貪欲。

ちなみに澁谷さんの話がやたら多めなのは、私が彼のギターのファンだからです。いつか握手して貰おうと思いつつまだ果たせていない感じです。
澁谷さんのギターは至高の音色。
終わり

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