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若者の声で日本は変わる? 選挙への影響力を計算してみた
若者がもっと選挙に行ったら日本は変わる?
以前、海外と比較しても生きづらさは何も変わらない。という記事を書いてみた。
そこで気になったのが、では日本にいて出来ることが何かあるのか、ということ。
もちろん身近なこと、小さなことを一つずつ積み上げていくしかないのだが、それって効果が出てくるまでの無力感がすごい。なかなか続かない。そこで、今日は選挙を題材に、実は何かが変える力があるかも?という前向きな話をしたい。
若者が選挙にいかない、という話は聞いたことがある人もいると思う。
選挙に行かない→若者向けの政策がなくなる→選挙にますますいかないの負のスパイラルを指摘されることもある。
個人的には若者も、投票したほうがいいと思っているので、今日は女性の生きづらさ問題は一度脇に置いて、「若者がもっと選挙に行ったらどうなるか」をまず考えたい。最後に、「若い女性がもっと選挙に行ったら」も考えるが、まずは男女関係なく感じる生きづらさとして、一緒に解決していく方向にもっていくという戦略で行く。
もし若者の投票率が2倍になったらを計算してみる
大雑把になるが、若者の投票率が2倍になったら何が起こるかを考えてみる。まずはデータを用意する。
第48回衆議院議員総選挙における年齢別投票状況 ※2017年の選挙
https://www.soumu.go.jp/main_content/000528774.pdf
総務省が全国の47,741投票区の中から、188投票区(47都道府県×4投票区)を抽出し、抽出された投票区について男女別及び年齢別に投票率を調査したものがあったので、そちらの投票率を使う。
これらの情報を組み合わせると、何人が投票したか? もし、若者がもっと投票したら何人が投票するか? を計算できる。
若者を今回は18-34歳で計算してみた。
もし若者の投票率が2倍になったら、投票する人が男女合わせて800万人ぐらいふえる。投票する人の人数でいうと、+13%ぐらい。投票率が56%から63-64%ぐらいになる計算だ。
全く何かが起こる気がしない…
正直、この数字をみてそう思ったが、だーじりんは諦めが悪いので、何かが起こらないかをさらに見ていくことにした。
もし若者の投票率が2倍になって、これまで投票に行かなかった人が小選挙区の二番手にみんな投票したら何が起こるか
ここで少し、第48回衆議院議員総選挙について思い出しておく。
この選挙は、小選挙区比例代表並立制。
小選挙区は、投票用紙に候補者の名前1人分を書いて、各選挙区から1人だけを選出する選挙方法。比例代表は、投票用紙に政党の名前を書く。各政党の得票数に比例して、議席が配分される選挙方法だ。
小選挙区:289議席
比例代表:176議席
を争う。
この、小選挙区:289議席について、もし若者の投票率が2倍になって、これまで投票に行かなかった人が小選挙区の二番手にみんな投票したら何が起こるかを考えてみる。
地域によって実際には年齢構成が異なったりしてもっと複雑なはずだが、超単純に有権者が178人しかいない選挙区を想像してほしい。
このうち、いつも投票するのは100人だけ、と考える。(投票率56%)
この小さな選挙区ではAさんとBさんが立候補した。
Aさんには55人が投票し、Bさんには45人が投票する。この場合、小選挙区で当選できるのはAさんである。
ところが、いつもは絶対に投票しない若者が、13人、今回は投票所に足を運んだ。(投票率63%)
もし、この若者たちが全員、Bさんに投票したら、Aさんには55票、Bさんには58票で、Bさんが当選する。
ものすごく極端な例だが、第48回衆議院議員総選挙の小選挙区:289議席でこれが起こったら、一体何が起こるのか。IFの世界を見てみよう。
NHKのホームページに各小選挙区の各候補者の得票率が載っている。
こちらを基に、1位と2位の得票率の差が、逆転しないか? を見た。
結果…289議席中、131議席がIFの世界だと逆転を起こしてしまう計算になった。
全国の小選挙区の得票率をひとつひとつみるのはだーじりんも初めて。そんなにいつも選挙の内容を注視してはいない。
今回見て驚いたのは、一番手と二番手がかなり接戦で当落を決めているということ。本当に得票率にしたら1%分の違いもないヒリヒリするような戦いが17選挙区もあった。圧勝している議員さんもいるが、得票率13%分もの差をつけて当選している議員さんばかり、ではないというのが、第48回衆議院議員総選挙だった。
IFの世界で、投票率が56%から63-64%ぐらいになって、これまで投票に行かなかった人が小選挙区の二番手にみんな投票したら、小選挙区の議席の半分ぐらでは一番手と二番手が逆転する。
1番手が政党A、2番手が政党Bの選挙区と、1番手が政党B、2番手が政党Aの選挙区の組み合わせが多いため、このロジックでは衆議院の政党別議席数は、小選挙区の逆転数131席ほど変動するわけではない。だが、若者が選挙を動かすこともある、と意識することになれば、選挙の内容も政策の内容も変わってくる。だから、投票する(声を上げる)ことそのものにも、意味があるのだと、だーじりんは思っている。
若い女性の投票率が2倍になるだけでも意味はある
選挙の投票率に男女差はさほどないため、こんな現象がおこるか、というとかなり疑問だとおもう。だが、もし、若い女性の投票率だけが2倍になったら、どうなるだろうというのも計算をしてみた。
単純に有権者が178人しかいない選挙区を想像してほしい。
このうち、いつも投票するのは100人だけ、と考える。(投票率56%)
ところが、いつもは絶対に投票しない若い女性が、7人、今回は投票所に足を運んだ。(投票率60%)
IFの世界だと…289議席中、69議席が逆転を起こす。小選挙区の議席の1/4ぐらいの割合だ。
これだけでも、結構政治家に対して、インパクトがあるように思う。
投票に行くのも一つの選択肢
そんなわけで、自分の一票で何かが変わるかはわからないが、生きづらさを感じていて日本に変わってほしいと思うなら、選挙の時は投票に行くのも一つの選択肢だと思う。
何も変わらないかもしれない。
でも、選挙に関して言えば、全く何も変わらない、変えようがないどうやっても硬直した構造ではない。意外と接戦。変わるかもしれない。
完全に蛇足だが、若者に選挙に行くように促すいろいろな情報の中ではこれがちょっと好きだったので最後にリンクを張って、今日は終わりにする。