お子さんのリハビリで、あなたはこんな間違いをしていませんか?
自宅でお子さんのリハビリをする時に、リハビリの効果を高める方法
あなたは『体の動き』のすべてを脳が命令していると思っていませんか?
実は、これは多くの人がする間違いの1つです。
これからお話しすることは実話です。信じて下さる方は、大いに報われるでしょう。信じて下さらない方は考えを変える価値があることをご理解いただけるように努力したいと思います。まずは、聞いてください。
まずは、想像してみて下さい。
【暑いなぁ~汗だくやし、めっちゃ喉乾いたわ~】と冷蔵庫でヒンヤリ冷やしてある水をコップに入れ、立ったまま『ぐぃ』と一口飲む。
『ぷはぁ~生き返ったわ!』と言って、コップの水を飲み干し、カラになったコップをテーブルに置く。
こんなシチュエーションをあなたも経験されたことありませんか?
ここで一つあなたに質問があります。
この一連のシチュエーションの中で、あなたは『何を意識していましたか?』
おそらくは…
【喉が渇いたし、水を飲もう】
【確か、冷蔵庫に冷やした水があったはず】
【えぇ~とコップは・・・?あったあった!】
【こぼさないように、水の量はこれくらいでいいかなぁ?】
【できた!やっと飲める】『ゴクッ』
ぐらいではないでしょうか?
実は、この一連の動作が、ほぼほぼ『無意識で行われている』とお伝えしても、あなたは信じることができますか?
『えぇー!そんなわけないやん!ちゃんと意識して動いているやん!』、『どこが無意識なん!』という声が聞こえてきそうですね。
では、そんなあなたに、私から質問があります。
この一連のシチュエーションの中で、あなたは以下のようなことを意識した瞬間はありましたか?
冷蔵庫の扉を開ける時、どのように開けましたか?
扉に手をかけた時、肘はどれくらいの角度で曲がっていましたか? 手首の角度は?
どの指の、どの関節を何度くらい曲げて指を引っかけ、どれくらいの力で冷蔵庫の扉を開けましたか?
空のコップを持った時は、どれくらいの力で運びましたか?
水を入れたコップを口元に運ぶ時は、空のコップを運ぶ時と比べて、どれくらい強く力を加えましたか?
一口飲んだコップと二口目以降のコップは、水の量が減るため、重さが確実に変わっています。
では、あなたはどれくらいコップを運ぶ力を弱めましたか?
水を飲む時の姿勢はどうでしょう?
水を飲む時は、上向き加減になります。その時の首の角度は?
上向き加減になると、体の重心は後ろに気味になります。体のどの部分に力を加えて、後ろに倒れないように支えていましたか?
このような質問に答えられる人は、ほぼいないでしょう。
実は『人の運動の8割~9割は、無意識に行われている』と言われています。
あなたはこの事実をご存知でしたか?では、この『事実が意味すること』とは何でしょう?
それは、脳は『ある目的を命令する』だけであって、『細かな体の使い方までは命令していない』ということです。
先ほどの例で言うと…
『冷蔵庫から水を出して、コップに注いで飲む』という命令は、脳が出します。
しかし、『冷蔵庫をどうやって開けるか?』
『どれくらいの力でコップを運ぶか?どうコップを持つか?』
『水を飲んでいる時、どうバランスを取って立っている?』といった細かい筋肉の使い方までは、命令していません。
では、どこで『細かい体の使い方』を決めているのか?
それは『脊髄』です。
脊髄が『感覚』を基にして体の動き方を決めているんです。
あなたもこんな経験はありませんか?
【あっ、危ねぇ!】と転倒しそうになった時に軽く『グキ゚ッ』と足首をひねってしまった。
そんな時は、しばらく足を引ずるような歩き方をしていませんでしたか?
『痛っ』とは思って、『痛いから、足のこの部分をこうして… こうやって、かばいながら歩こう』とは意識しないでしょ?
これは、まず足から『足を痛めた』という情報が脳や脊髄まで上がります。
脳に送らた情報は『痛み』という感覚として感じます。
脊髄には脳からの『歩く』という指令も下りてきています。
脳からの『歩く』という指令と足からの『痛めた』という情報が脊髄で統合された結果、脊髄で『足をかばって歩く方法』が選択されて、足を引きずって歩くことになるのです。
また、別の例を考えてみましょう。
あなたは今日、憧れの男性と初めてのデートの日です。
う~ん、相手はイケメン俳優の『佐藤健さん』でいきましょう。
そんな初デートの日、あなたは京都の三条大橋のふもとにあるスターバックスで待ち合わせをして、鴨川沿いを一緒に歩くことに・・・。
【ドキドキ】
【ヤバい…何、しゃべったらいいの?】
【落ち着いて、落ち着いて…。】
『ねぇ、緊張してる?』と横に並んで歩いている彼からの一言…。ふと、振り向いた時の彼の笑顔・・・。
もし、あなたはこのようなシチュエーションだったら、『自分の歩き方を意識できてると思いますか?』
きっと、『どう歩いてる?』なんて歩き方を意識できる余裕なんてないでしょう。
でも、よ~く考えてみてください。
意識してなくても歩けていますよね?彼のとなりで歩調を合わせて。
先ほどの『コップで水を飲む』例で考えてみましょう。
もし、あなたが肘を傷めていて、コップを持った腕をあまり動かすことができなければ、コップを持ちあげて水を飲むより、コップに口を近づけるようにして飲むのではないでしょうか?
もし、あなたが首を傷めていて、上を向くことが辛いなら、コップを持った反対の手で頭を支えながら水を飲むか、コップに口を近づけるようにして、水を飲むのではないでしょうか?
このように、『体をどう動かすか?』は脊髄で選択されます。
確かに、意識して体を部分的に動かすこともできます。
ですが、普段の生活では、体の一部分や筋肉を意識して動いていません。
なのにリハビリの時だけ、体の一部分を意識して動かすのは、変じゃないですか? これがリハビリを行う時によくある間違いの1つです。
意識することで、かえってぎこちない運動が癖づかないように気を付けなければなりません。
このような事実から、リハビリ時に身体の使い方を口頭で指示することや、あえて意識を向ける運動をすることを私はオススメしません。
その代わりに、動きに制限がある関節や筋肉をしっかりとゆるめて、柔軟にしてからリハビリ運動をすることをオススメします。
硬くて動きの悪い関節や筋肉からの『ここまでしか動けません』という情報を柔軟な関節や柔らかい筋肉からの『こんなに動けます!』という情報に変えることを第一に考えます。
私がリハビリ運動をする前にしっかりと施術するのは、このためです。
そうすることで、脳からの指令を受けた脊髄も『柔軟な関節や筋肉を使った動き』を選択することができます。
柔軟な関節や筋肉からは、たくさんの感覚情報が入ります。これが運動学習につながり、リハビリの効果を高めます。
まとめ
リハビリの効果を高めるには…
まずは、お子さんの身体を少しでもゆるめてあげてください。
それから、リハビリ運動を行います。
その際には、体の一部分を意識させるような指示は控えましょう。
具体的に言うと、歩いている時に・・・
『もっと膝を伸ばして』とか、
『もっと、かかとからしっかり着いて』とか、
『もっと、つま先で地面をしっかり蹴って』とかです。
それよりも・・・
『大きく、元気に歩いて』や
『ドシン、ドシンと歩いて』などです。
ぜひ、ご自宅でお子さんのリハビリをする際に、参考になさってください。
もし、お子さんのリハビリに関して、ご質問がありましたら以下のフォームより、お気軽にお問い合わせください。
子供専門リハビリ 手あて
お子さんの『できた!』のドヤ顔とあなたの『やったー♪』の笑顔が結ばれることを願って…。
追伸:
私も、ついつい身体の一部分の動きを指示してしまうことがあります。
コツとして、指示する時はイメージ重視でオノマトペ(擬音語)を使ってみてください。比較的、うまくいくことが多いですよ。