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精神世界と物質世界を繋ぐのは、河

なぜインド人はガンジス川に入りたがるのか?
なぜ日本では死後三途の川を渡るというのか?

これは意図して配置された展示なのか、はたまた偶然の産物なのかわかりませんが、
秋野不矩美術館の第二展示室に現在展示されている作品の配置から
突然、私の問いの答えを見出すことができました。

精神世界と物質世界のバランスが難しいな〜どうしたらいいのか?
ー川(河)のように、全てのものを許容し、飲み込み、変容しながら、留まることなく流れ続ける。


右手が民家とお面シリーズ(日常:物質世界)
左手がオリッサの寺院(神域:精神世界)
そしてその真ん中に渡河(その間を流れる河)
さらに渡河を渡るのは水牛(聖獣)

館長との心地よい会話の中で、深い見地を得た瞬間、
身体の奥の方からぶわ〜っとあたたかい何かが溢れ出てきて、
それが全身に流れて温泉に浸かっている感覚だった。

なぜインド人がガンジス川に入りたがるのか、その意味がわかった気がした。

移住する前、数年前に「水は物質の中で、一番純で、情報を取り込めるもの。そのまま取り込み、コピーできるもの。」と聞いたことを思い出した。
取り込む対象によって、聖水にもなれば汚水にもなるということだ。
だからこそ、流れ続ける(動き続ける)必要がある。
バランスを取るのではなく、その間を動き続けるんだ。


第二展示室の渡河の真向かいは、雨雲だった。
雨雲はガンジス川の上空から、雲の影を捉えた作品
河というより空に近い。
空もまた、精神世界と物質世界(あの世とこの世)を繋ぐ空間

あの第二展示室は今、美術館以上の何かを表現しているに違いない。
(所蔵品展〜2025/1/13まで)

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