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広尾とDMM一口馬主始めるならどっち

はじめに

昨今良くも悪くも話題に事欠かない競馬サークル。特に近年過熱しているのが一口馬主。GⅠをはじめ重賞優勝馬の勝負服を見れば一口馬主クラブのものであることも少なくない。「そもそも一口馬主とは?」という説明はこの記事を見にきている人であるという時点で不要だろう。競馬をしていて一口馬主をしたいという人が入会クラブを検討したときにぶち当たる主な二つの壁がある。一つ目はノーザン系クラブ(特にシルク、キャロット)はすぐに入会できないという壁。二つ目は社台サンデーはもとより他の400口クラブでも厳しく感じる予算という壁。この壁に阻まれて一口馬主を見送る人も多かろう。しかし、この壁を避けようとして行き着くクラブが二つある。それがタイトルにもある広尾とDMMだ。この2クラブは前述の壁を避けた先にあることから「とりあえず一口馬主をしてみたい」という人たちの検討テーブルに必ずと言っていいほど上がる2クラブである。これをこれから一口馬主を始めようとしている人向けに比較しようということである。したがって分かりやすい比較対象である部分や会員目線の印象をお伝えする。よって維持費とか分配金だとか引退時精算のシステムだとか難しい細かいところの差には突っ込まない。

両クラブの印象

そもそもなぜこの比較をしようと思ったのか。筆者は広尾会員であり一口馬主ライフを楽しませてもらっているところ、先日知人がDMMで一口馬主を始めたというのでそのサービス内容を少し覗かせてもらった。すると広尾では考えられないような近況更新が眼前に広がっているのである。そこに両クラブの違いを見せつけられたのである。そこでそれぞれのクラブにどういった特徴があってどういう人に合っているのかが気になったため本記事の執筆に至った。ここには印象や体感を記す。

広尾サラブレッド倶楽部の印象

まずは我が広尾サラブレッド倶楽部から。良いところでまず上がるのが大当たりが世代に1頭くらいはいるところだろうか。パンサラッサやバスラットレオン、今はアンモシエラといった重賞馬がいるところ。それと倶楽部と会員の距離が近いところ。競馬場で会員と倶楽部の米山社長が立ち話ということもよくある。あとはいわゆるアワーブラッド、出資してた馬の子供にまた出資できるといった競馬ならではの楽しみ方ができる。くらいだろうか。どちらかといえば不満の方が多い。これは筆者が広尾会員であるからというのも大いに関係しているのであくまでも参考程度で。また全広尾会員がそうした不満を持っているわけではなく筆者の一意見であることを留意していただきたい。しかしながら不満の方が参考にはなると思うので書いておく。DMMと比べて尚のこと思ったのが運営のザルさ加減、いい加減さが際立つというところ。具体例を挙げればキリがないので言わないが入会時には注意してもらいたい。もう一つはSNS運用がマジで下手なあたりだろうか。例えば、所属馬の勝利に触れず当該週の重賞優勝馬と同じ父を持つ募集馬の販促をしたり。この行為が会員の神経を逆撫でしていると言っても過言ではない。これは他クラブと比べて決定的なウィークポイントになっていると思う。そして会員の満足度低下に直結していると考える。逆に言えば倶楽部に対する不満からか会員感の向いているベクトルというか方向性は一致団結していてそのあたりの良い空気感は一つ魅力なのかもしれない。

DMMバヌーシーの印象

こちらは広尾と比べる形となってしまうのと外から見た印象になってしまうのをご了承いただきたい。まず所属馬の近況更新が頻繁で写真と動画もセットで見られる点がさすがDMMだなという感じ。あとは公式アプリの存在なんかも広尾と比べて進んでいると感じた。この辺りはDMMの明確なストロングポイントなんだろうなという印象。一方で出資する際にDMM証券のアカウントを作ってとかその辺りが一手間多いのかなとも感じた。それでも家に書類とか届かず全部オンラインでできるのでトントンという気もする。あとはセールで買ってきている馬が多いのか募集総額が高いなとも感じた。そして今でこそラヴズオンリーユーの子供が募集されているが基本アワーブラッドはなさそうなイメージ。(これは現状の話でDMMはこれから歴史を積み重ねていく中で変化する可能性は十分ある)

印象のまとめ

愛馬の近況更新やノーザンの良血馬を堪能したいならDMM、日高の倶楽部ゆかりの血統で前評判をひっくり返す爽快感や会員同士の交流を楽しむなら広尾といったのが印象からくる判断だろうか。

数字で見る両クラブ

次は数字の面を見ていく。金融商品でありギャンブルでありスポーツである以上数字は重要なファクターと言える。今から始める人に向けてなので過去の数値や栄光には触れないでおく。この世界において「昔はあんな名馬がいた」とか「昔は成績がよかったんだけど」とかそういうのは重要ではないと考える。

23年産(現2歳)募集総額平均

ここではまだ残口があり募集頭数も出揃った世代の募集総額平均を比べる。一口価格では設定口数で違いが生じるからである。DMMは400口募集を始めたし広尾は4000口や3000口も使い分けるので参考にならない。また5/2000は1/400と変わらないので単純比較として各募集馬の募集総額を使用する。(数字は千の位以下は切り捨てとする。)
広尾17頭平均4011万円
DMM24頭4883万円
これを見るとDMMの方がやや高いがノーザン産のセール出身馬がいるのでこんなところだろう。日高産や海外産を中心とする広尾の方が近年の値上げで追いついてきていると考える。初期投資を安く済ませるなら広尾だが馬の質も考えるとDMMがやや優勢か。ただしいずれの数値も世代によって上下はするので直近のこの世代はこうでしたという参考程度に。

21年産勝ち上がり率

次は直近の世代の勝ち上がり率である。愛馬が長く走ることは楽しむ期間が長くなるのはもちろんのこと金融商品としてのリターンを考えても勝ち上がりは重要となる。22年産(現3歳)世代はまだ未勝利戦が続くので数字が出揃っている21年産(現4歳)を見る。
広尾 募集頭数15頭、募集総額平均3620万円、デビュー率93.3%、勝ち上がり率26.7%
DMM 募集頭数17頭、募集総額平均5618万円、デビュー率94.1%、勝ち上がり率52.9%
この数字を見るとDMMの方が明らか優秀である。募集総額平均こそ高いもののノーザンの信頼感は絶大か?一方で広尾も極端に悪いという話でもない。日高系にしてはよく頑張っている方でこの中にはアンモシエラも含まれている。ただやはり打率で単純比較するとDMMの方が優れている。

2024中央競馬成績

最後に昨年の中央競馬での両クラブの成績を比較しよう。なお使用するデータはネット競馬を参照しているので地方競馬開催の成績は含まれない。つまりアンモシエラはデータに入っていない。クラブ名の横の数字は左から1着回数、2着回数、3着回数、着外回数となっている。
広尾5-16-10-109 勝率.036
DMM23-21-25-149 勝率.106
ということで中央競馬の成績もDMMの方が優れていると言えるだろう。出走回数を考慮しない率で言ってもDMMに軍配があがる。出走回数も勝ち上がり率の差が古馬の出走回数に響いている感がある。広尾会員として広尾をフォローするならアンモシエラがこの数値に入っていないので地方も含めた重賞勝利数で言えば広尾に分がある。

おわりに

今回は広尾会員目線で両クラブを比較してみて、不本意ながらもものすごくDMMをお勧めするような形になってしまっている。DMM会員からしたらDMMへの不満点が出てくるかもしれないし、DMM会員からしたら広尾をお勧めするなんて言葉も聞こえてくるかもしれない。これから一口馬主を始めることを検討している方にお伝えしたいのはとにかくさまざまな角度からの情報をたくさん集めて結論を出して欲しいということである。この記事を読んで広尾もDMMもやめようとなっても構わない。その判断のお手伝いをこの記事でできたのであれば幸いである。この記事を読んで広尾に入会するとなれば歓迎する。と言いつつ筆者も記事を書きながらDMMに興味が湧いてきてしまっている。



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