広尾TC2025年2歳馬募集血統考察①ディメンシオン’23
はじめに
御挨拶
蒸し暑い6月28日付で広尾民が今か今かと待ちわびた募集スケジュールが発表された。その中には募集馬のリストもあった。この募集馬リストの中から最も注目され人気するであろうディメンシオンの2番仔であるエピファネイア産駒の牝馬について血統考察をする。なお、本記事は管理予定調教師、募集価格、立ち写真等の公開前に書いておりバイアスのかからない血統のみの考察であることをご了承願いたい。また各所に血統表などの使用許諾を得ていないため字ばかりで見にくいとは思うがご自身の端末で血統表と照らし合わせながら読んで頂ければ幸いである。
本記事のターゲット層
本記事は競馬歴3年の大学生というガキが書いているためコアな古参競馬ファンや一口馬主の先輩方には物足りない内容であろう。しかし前述した通り競馬歴3年の大学生でありながら一口馬主を行っているという世間的には中々いない属性であることを活用し、これから一口馬主を始めたい方や特に年齢の近い若い競馬ファンをメインターゲットとする。そうしたライト層が一口馬主を真剣に検討する助けになればと思う。そしてこの記事をきっかけに広尾サラブレッド倶楽部に加入してくれれば何よりである。
ディメンシオンについて
募集馬であるディメンシオン’23の母であるディメンシオンについて触れる。ディメンシオン自身も広尾TCで募集され非常に活躍した馬である。主にマイル前後の距離で活躍し古馬重賞で馬券内の実績もあるほどである。そんなディメンシオンは父にディープインパクト、母はミスペンバリー、母父にモンジューという血統である。兄弟にはエタンダール(GⅡ青葉賞2着)、パンサラッサ(GⅠドバイターフ、GⅠサウジカップ1着、GⅠ天皇賞・秋2着)がいる。そして初仔はロードカナロアとの間にコンタンゴがおり母ディメンシオンと同じく藤原厩舎で既に入厩済みである。
本題
エピファネイア産駒
血統考察及び出資基準として筆者が重要視しているのが血統だ。特に産駒の成功パターンの血統に当てはまっているかを重視している。(あくまでも筆者はだ)
そこで今回はエピファネイア産駒の成功例に当てはまっているかを考察する。結論から言えば大当たりの所謂ニックスとまではいかないが決して悪いパターンではないと考える。
その説明を行う。エピファネイア産駒の成功例や配合成功例は各所で様々な方の先行研究があるので詳しくは探して読んで頂きたい。掻い摘んで申し上げればサンデーサイレンスのクロスはほぼ必須。該当していない成功例は24年ダービー馬のダノンデサイルくらい。サンデーサイレンスのクロスは重要だが母父をサンデーサイレンス後継で最大勢力のディープインパクトに絞るとGⅠ馬はおらず重賞馬数頭といった具合で相性が良いとは現段階では言えない。
エピファネイア×ディープインパクト肌
先ほどエピファネイアに母父ディープインパクトの相性が良くないデータがあると述べた。このままでは母父にディープインパクトを持つディメンシオン’23は血統的には強く推せないことになってしまう。そこで母父にディープインパクトを持つエピファネイア産駒の成功例を見ていこう。そこから見つけられるものがある。この父と母父の組み合わせで賞金順に列挙すると以下のようになる。アリストテレス(GⅡAJCC1着)、エピファニー(GⅢ小倉大賞典1着)、オーソクレース(GⅠ菊花賞2着)、ムジカ(GⅡローズステークス2着)、ディヴァインラヴ(GⅠ菊花賞3着)等である。これら列挙した馬の血統を見てみるとアリストテレス、オーソクレース、ムジカはいずれもSadler's Wellsのクロスが発生している。またエピファニーも母母がフランス馬で欧州色の強い牝系が特徴である。このエピファネイアに欧州色の強い牝系というのは24年桜花賞馬のステレンボッシュや24年ヴィクトリアマイル勝ち馬のテンハッピーローズにも言えることで一つ成功のカギと筆者は考える。おそらくはシーザリオ牝系を刺激しその良さを引き出していることに繋がるのであろう。
ディメンシオン’23
では本馬はどうであろうか。サンデーサイレンスのクロスは当然ながら有しており、なんとSadler's Wellsの4×4も有しているではないか。ミスペンバリーに集まるThe欧州の血統が種牡馬のスピード能力と掛け合わされて多くの活躍馬を輩出してきたことは紛れもない。本馬ディメンシオン’23は血統面で言えば一つ基準はクリアしていると筆者は考える。
結論
筆者の考え
これまでの記述を通してお伝えしたが改めて結論を述べれば血統面では大きな心配はない。もちろん周知のとおりエピファネイア×ディープインパクトからGⅠ馬が出ていないことから一発ホームランというのは難しいのかもしれないがこの血統のポテンシャルも加味すればアベレージ型で馬主孝行な仔である可能性は大いにある。そして何よりも広尾所縁の牝系を繋げる期待もある。詳細は明かされていないが現時点では出資を前向きに検討したい一頭である。
おわりに
今回はじめてこのような記事を書いてみたがいかがだっただろうか。自分で書いてみて改めて難しいと思った。こういった考察を書いている方々に改めて敬意と感謝である。この記事をきっかけに一口馬主に興味を持つ方や実際に広尾サラブレッド倶楽部に入会される方がいれば幸いである。そうでなくてもこの記事が新たな議論を生み本記事が真っ向から否定されても構わない。そうした議論で広尾界隈が盛り上がってくれれば幸いである。好評かつ筆者の時間とやる気があれば他に気になる募集馬の考察をしようと思う。(もちろん記事の書き方に改良は加えたい)そういう意味でも感想や批判をお寄せいただきたい。