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うえだ未知先生「恋人関係エスオーエス!」のこと[1,]
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※イラストは急須酌子による模写です。
◎恋人関係エスオーエス!
◇うえだ未知 先生
◇小学館
◇資料は国立国会図書館様より(別冊少女コミック 11巻4号(通号157) 1980年3月)
◇ラブコメ+子ギツネ保護
※雑誌掲載時や資料での題名は(イラストのように)アルファベット大文字ですが、記事の内容に誤解を招くおそれがあるので、ここではカタカナ表記にしてます。
◆高2の生田(いくた)あゆみは獣医志望の「ジロー君」と恋人になって2年半。ところがジロー君はここ1週間、授業が終わると急いで帰宅してしまい、あゆみとの会話もあまりない…以前、あゆみが風邪をひいて学校を休んだ際、ほとんどノートをとらないジロー君があゆみのために必死に書いてくれたノートを見返しながら「ジロー君はやさしいもん、きっとなにか理由があるんだ…」と思うあゆみ。次の日、日曜日はジロー君の牧場で一緒に過ごすのがお決まりデートなのだが、ジロー君のお姉さんが馬の世話をしていて「ひょっとしたら中島さんのところかしら…」とつぶやく。月曜日になり、クラスの女子が「昨日、町でジロー君が都会的なキレイな女性と一緒に歩いてるのを見かけた…」と言う話を耳にしたあゆみ。誕生日でマフラーをプレゼントしてもジロー君は喜んでくれるものの、また急いで帰宅してしまい確かめられない。数日後、学校を休んだジロー君のお見舞いで彼の自宅へ行く。すると彼のお姉さんから「まぁ!ジローは学校をサボって中島さんのところへ行ったんだわ…!」と聞いた、あゆみは中島さんの別荘を訪ねる。すると見知らぬキレイな女性とジロー君が楽しそうに話をしていて…!
◇うえだ未知先生の本誌初登場の作品です。昔も今も動物たちの絵が上手い!そして可愛い☆
(人´∀`).☆.。.:*・゚ヒロインあゆみちゃんも好きな男の子を一途に信じて健気で可愛いです。また、主人公が弱いものを放っておけない優しい性格の持ち主であるところなどは駆け出しの時代から一貫して変えていないと感じました。先生の作品で主人公の魅力を引き出しているステキなところです。
※未収録なので、以下あらすじです。
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【……あゆみはショックを受け、せっかくジロー君の、お見舞いに持っていった菜の花を全部、天ぷらにしてヤケ食いするのだった…(このギャグシーン、ゆうちゃん、ちょこちゃん等にも名残がある)ところが後日ジロー君の話を聞くと、それが誤解だとわかる。実は…都会暮らしの中島さんは休暇で別荘に来ていたが最近、親を失った子ギツネを保護した。しかしどうしたら良いか判らず、獣医志望のジロー君が子ギツネを預かったのだった。しかし、この周辺は家畜のニワトリがやられてしまうため、キツネは目の敵にされて嫌われている…そのため、なるべく人目につかないよう行動して、あゆみにもなかなか事情が話せなかったのだった。事情を知って安心したあゆみ。ジロー君と一緒に中島さんの子ギツネ「チロ」のお世話に行く。ところがチロには、あゆみがジロー君のために編んだマフラーが巻かれていて…!(…ジロー君、そんなに中島さんの子ギツネが大事なんだ…ううん、中島さんが大事なんだ…)
今度こそジロー君の本音を知った気がして、あゆみは、立ち去ってしまう。中島さんはジロー君のマフラーが、あゆみからのプレゼントだと知って仰天する「いくらチロを大事だからってプレゼントをそんな風にしたら、あゆみちゃんが誤解しちゃうわ…!」泣きながら家に帰る途中、あゆみは林の中から、か弱い鳴き声を聞く。見ると部屋を抜け出したチロが野犬におそわれていた…!(助けなくちゃ…!でも…チロがいなければ…ジロー君は中島さんのところに行かなくなる…)しかし、チロが今まさに野犬にやられそうになった時、あゆみは素早く石を投げつける…!まだおそって来ようとする野犬に、更に大きな岩を持ち上げて立ち向かうあゆみ!その姿に怯え、野犬は逃げてしまうのだった。チロを手当てしながらジロー君は、あゆみのマフラーを使った理由を言い出せないでいた…実は、あゆみの編んだマフラーは、どんな上がけよりも温かくて、衰弱したチロを助けるためとはいえ、「自分の大好きな女の子」が編んでくれたマフラーをチロにゆずるべきか…かなり思い悩んだ末の決断だった、と。ジロー君を見かねた中島さんが声をかける「ジロー君、照れてばかりじゃ何も伝わらないわ。あゆみちゃんとジロー君を見てたら私も彼が恋しくなっちゃった。私は東京に帰るけどチロを預けてもいいかしら?」あゆみとジローは喜んで引き受け、あゆみは中島さんにフィアンセがいると知ってホッとする。それからしばらくして…チロの怪我も治ってジロー君もひと安心…と思いきや、チロは、あゆみばかりに懐(なつ)くのだった…「チロのヤツ〜あゆみにひっつくな!」ジロー君に新たなライバルが出現しちゃったようです…☆】
{◎前半は「恋人が浮気してるかも!?」…と、ドキドキ展開で引き付け、後半は一度解けた疑惑が再浮上…!「ジロー君、やっぱり浮気なの〜!?」と最後まで目が離せない展開で面白いです☆◆それからジロー君が書いてくれたノートにウットリしたり、せっせとマフラーを編んだり、菜の花の天ぷらをヤケ食いしたり、小柄なのに凶暴そうな野犬に勇敢に立ち向かったり…とにかく様々な仕草を見せる、あゆみちゃんが可愛い〜♡◆それからクチ○ッパ(すみません…もしかすると現在は放送禁止用語かも…!?)の事は初めて知り、親ギツネが可哀そうだなと思いました…昭和って動物たちに対し、とてもキビしい時代だったのですね……あとチロの名前の由来がアイヌ語から来てる事なども、きちんと描かれていて、先生はひょっとして道産娘(どさんこ)ですか…?と思いました◆登場する脇役たちも面白いです。クラスメイトに芽絵手流さん、流班くんがいる…(あて字です)。ジロー君のお姉さんが学校をサボった弟を「丈夫だけが取り柄ですもんね、とっちめてやんなきゃ!」…と、手をポキポキさせてる…(^_^;)◆ところで、表紙絵を見るとヒロインあゆみと一緒に子ギツネのチロが描かれていて、表紙を見て初めて、作品にキツネが登場するのだなぁ…と知りました。話の中に出てくる動物たちも大切な役割をしてるので、題名にキツネっぽいものを連想させる言葉も入っていたら、キツネが好きな読者さんたちも惹きつけたかもしれません◆同じ号「まんが家新聞」でウル○ラマンのコスプレで登場したり、同年7月号で写真集も購入したとおっしゃっていて、この頃から特撮が好きだったのだなぁと伺えます◆おや、当時の読み切り作品の題名には「エスオーエス」が付いてるものが多いです…某女性歌手ユニットのヒットソングの影響かな…?}
***[2024ーr6]