(とっておきのハッピー♡ブレンド)[1,]
ありさか邦先生「とっておきのハッピー♡ブレンド」のこと[1,]
□
※イラストは急須酌子による模写です。
◎とっておきのハッピー♡ブレンド
◇ありさか邦 先生
◇小学館
◇資料は国立国会図書館様より…(別冊少女コミック 11巻9号(通号162) 1980年7月)
◆絵美は両親が営む喫茶店、茜草屋(あかねや)の娘。最近、表通りにできたオシャレな喫茶店「ロフトハウス」に客を取られてしまい、裏通りの店は閑古鳥(かんこどり)…ビラ配りや自家製ケーキを売っても客足は伸びない。そんな時、近所の城南大学のミニコミ誌に茜草屋が紹介されて店に客が殺到する!絵美は接客しながら、詩集と「シン」という名のペンネームを手がかりに店を救ってくれた恩人を探す。お客さんの中に、詩集を持参していたハンサムな城南大の学生「柘植慎一さん」を見つけますが……
◇ありさか邦先生は、うえだ未知先生のマンガ家になるきっかけとなった方だそうです…(たしかDo!れみ1巻にそのように書いてあったと思います)たくさん作品がありますが、国立国会図書館様より資料を取り寄せた際、同じ雑誌に掲載されてた読切を見つけたので読みました。
※未収録なので以下、あらすじです。
*
*
*
【……本人に確かめるすべはないものの、柘植さんが恩人と信じる絵美。ある日、柘植さんに店の貸し切りを頼まれて承諾する絵美だったが、柘植さんの友人である武庫川(むこがわ)さん(茜草屋のコーヒーの大ファンで常連)に「常連客が来なくなる」と怒られてしまう。彼の指摘通り、せっかく盛り返した店のにぎわいが遠のいてしまう…友人たちから、武庫川さんが店の事を考え、貸し切りを止めるよう一晩中駆け回ってくれたことを知った絵美は、城南大のゼミを受講中の武庫川さんに会いに行く。そこで偶然、柘植さんにも会った絵美は詩集ゼミのノートを返そうとするが、持ち主は武庫川信(むこがわしん)で、実は彼が店の恩人だったと知る。3人で茜草屋へ立ち寄る途中、ロフトハウスの主人が武庫川さんに「茜草屋の娘と仲良くするな!」と怒鳴りつける。武庫川さんはロフトハウスの主人の息子だったのだ…「ばっかみたい、ライバル店の息子が茜草屋の宣伝してくれるわけないじゃない…」
絵美は落ち込み、武庫川さんと気まずくなってしまう…それからしばらく経ったある日、絵美が友人たちと帰宅すると店に武庫川さんたちが来ていた。両親はケーキを作ろうとキッチンの奥へ引っ込み、柘植さんは絵美の友人たちを一緒に連れて散歩へ行ってしまう。2人きりになった絵美と武庫川さんだが武庫川さんは「今日で茜草屋に来るのは最後」と言い出し、絵美は「ミニコミ誌に投稿してくれたのは武庫川さんだったの…?」と尋ねる。茜草屋がなくなるのがイヤだったのと、絵美に好意を寄せていたのだと告白し、店を去ろうとする彼に、絵美は茜草屋を助けてくれたお礼にオリジナルブレンドを(しかもラーメンどんぶりくらいある特大ティーカップで…☆)ごちそうする。その美味しさに全て飲み終えるとカップの底に「すき」の文字が!「これからもよろしくね…!」と2人は仲直り♡そんな彼らの元にロフトハウス主人がやって来てとがめるが、柘植さんや友人たちも来てなだめる。茜草屋は今日もにぎやかなのでした…☆】
{◎つぶれそうな茜草屋をもり立てようと頑張る絵美がカワイイです。表紙キャッチコピー「邦ちゃんのサイフォン式コメディ」も作品にピッタリでステキ☆茜草屋のブレンドコーヒーが大好きな武庫川さんには、最初「企業秘密!」と相手にしなかったのに、柘植さんの情報を得た途端、マスター(絵美パパ)に「ブレンドくらい教えてあげなよ!」と…絵美の変わりっぷりが(≧▽≦)…☆ハンサムな柘植さんに何とか恩返しをしようと、絵美は小さな店の貸切りまで承諾してしまう、けなげな一面も。そんな無茶を引き留め、茜草屋の事をだれよりも考えてくれる武庫川さんもカッコイイです。ロフトハウス主人が絵美に対しては「せいぜいがんばりたまえ、ハハハ」と余裕((_ _;)…なんか見下してる感じ…)なのに、武庫川さんが絵美と親しそうにしてるのを見た途端、青ざめて「仲良くするな!」と怒鳴っていて、実は息子から手のひら返されることを一番怖れてるお父様なのだなぁと思いました……武庫川さんも「茜草屋のブレンドは最高だよ〜!」と褒めちぎり、お父様に「詩に夢中になって親不孝者め」と言われても、めげるどころか「父さんの言いなりにはならないよ」と言うところもカッコイイです…☆ラストの「ラーメンどんぶりサイズのコーヒーカップ!」すごく面白くて絵美の愛♡の大きさを感じます☆}
***[2024-r6]