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◆マスターキー
◇ライマン・フランク・ボーム-著
◇辰宮影踏先生-訳
◇Amazon Kindle
◇SF
★科学実験が大好きな少年ロバートは、ある日未だ人類が発見していない「マスターキー」の電気配線を偶然、組んでしまい、そこから「電気の悪魔」を召喚してしまう。ロバートをご主人様という悪魔から人類の発展に役立つアイテム5点をプレゼントされる。最初は興味深いアイテムを面白がって冒険に出るロバートですが…
{◎日本語訳されてない書籍を辰宮先生が私家版として発行してくださいました。
※私家版なので、この話のみ「あらすじ」は省略してます。本編を読んでみてください。SFですが、むずかしい表現もなく、子供向けで面白くて読みやすかったです。
ロバートはボーム氏の次男で「オズの魔法使いシリーズ」では、家族の中で唯一、献辞されていませんが、代わりにこの本が彼に捧げられてます。自宅の自室ドアノブに電気ショックのイタズラを仕掛けていたのは実話で、ボーム氏はそこからアイデアを取ったようです。
5つのアイテムが出てきますが、ボーム氏は、まるで予言者でしょうか…!100年後の現代でいくつか実現している物もあります…☆
◆腕時計型飛行装置→空が飛べる腕時計のコンパス。まだ発明されてないかな…ドローンはあるけど。
◆電気筒→敵を一時的に気絶させる。スタンガンみたいな。
◆食糧錠剤→1粒で24時間分の栄養があって食事が不要。サプリメントみたいな…?
◆防護服→どんな攻撃からも守ってくれる。しかし攻撃力はない。また攻撃してきた相手に対し攻撃手段がそのまま跳ね返るため、鋭利な刃物や身体を損傷するような攻撃されると、着てる人は結構グロテスクな場面を目の当たりする羽目になって悲惨です……(この場面を読んだ時、とても『オズの〜』を書いた同じ作者の人とは思えませんでした……)
◆性格診断眼鏡→相手がどんな性格か判る…しかしロバートは身近な人たちの愛情に満足していたので、家族や友人には「絶対」使いませんでした(彼は賢かった…それで良かったと思います。好奇心で見てたら主人公はショックを受けて、ロバート自身の出生の秘密やら、友情を試されるなどに重点が置かれ、別の本が1冊書けると思う…SF冒険どころではなくなり、全然違う方向に話が進んでしまったと思います…)
◆記録表示器→世界中の記録動画が見れる小さな箱。これって…まさに現代の「スマホ」の事ではありませんか!
冒険を通してロバートは色々学び、便利なアイテムなのに最終的には全て悪魔に「いらない」と言って突き返してしまいます…他にあと2つ使わなかったアイテムがあるのですが
(◆不老不死になれるハチマキみたいなもの
◆どんなに離れても会話できる通話機※これも「スマホ」だな…)
それを断る理由が、まだ少年のロバートにしては、とても哲学的でした。どんなに素晴らしい発明も人類が成熟してなければ、結局利己的に利用されるだけで破滅へと歩んでしまう……「人類の科学の進歩について」改めて考えさせられる内容でした。}
***[2024年]