さむね

デュエルマスターズ 神化編環境の思ひ出 その3

その2の続き。以降はデッキ解説。

【エンペラー・キリコ】

神化編のトップメタ。コンボデッキにも関わらず《アマテラス》のリクルートによる高い対応力を備える。手札を刈り取っても場に生物がいればトップ《アマテラス》で《キリコ》、更地にしても手札があれば《ソルハバキ》+《アマテラス》で《キリコ》。対策としては《メスタポ》や《クイーン》、《キング》で《アマテラス》ごと封じるのがベター。

後のEP1で主流だった【Nエクス】ベースの【エンペラー・キリコ】は個々のパワーを高めることで《キリコ》・《アマテラス》1枚制限の負担を極限まで減らしていたが、神化編の【キリコ】はそれら2種を複数枚積めるため《キリコ》を素早く安定して着地させることに特化している。【キリコ】より遅くてメタの薄いデッキのほとんどは淘汰された。

《キリコ》《アマテラス》の水文明、母なる呪文・マナブーストの自然文明は確定。加えて《ソルハバキ》や《ギャラクシー》の光文明と、サブに火か闇を採用するのがメジャーだった。4色故に事故のリスクはあり、大量のマナを必要とすること・マナに《キリコ》を埋める必要があることからランデスが良く刺さる。
また、構築上盾を厚くし辛く早期決着を望む【速攻】対面が苦しい。

黒キリコ

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別名シノビキリコ。
基本的に《キリコ》を出せば勝負が決まるので、オーバーキル気味なドラゴンよりグッドスタッフ性を重視した赤抜き4cアマテラスコンと言える型。
「安定性の黒キリコ、爆発力のドラキリ」とはよく使われた言葉。
黒を採用することで《ローズ・キャッスル》で天敵の《メスタポ》や同系に強く出られ、シノビによってビート耐性も備えている。
(《宝箱》→)《トリプルマウス》→《アマテラス》で綺麗に《キリコ》や《キング》に繋がる。
当時のDRが【キリコ】への【メタコン】まみれになった原因。

ドラゴンキリコ

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《アマテラス》で《キリコ》を呼び出して《ロマネスク》を展開し、《アマテラス》《ファル・レーゼ》から《星域》を唱えて《バジュラズテラ》や《ヴァルキリアス》を出して勝負を決める。
進化先が見えずとも《ロマネスク》で強引に捲りに行ける。膨大なマナと複数の大型ドラゴンが並ぶ光景は圧巻。
ロマンはあるのだが《キリコ》で捲る前提のカードが多く中盤までの動きが安定しない。また、黒キリコと【キリコ】ミラーになった場合に妨害の質で差が出やすく、トーナメントシーンでの人気はそちらへ譲った。

主流は上の2種だったが、他にも【速攻】耐性を付けた【扉キリコ】【天門キリコ】、ゴッドを組み込んだ【HDMキリコ】【ゼンアクキリコ】、ミラーとコントロール戦を意識した【ハンデスキリコ】等、マイナーなものも含めると多種多様な派生系が存在した。このあたりは往年の《ボルバル》や《ドギラゴン剣》といった歴代のフィニッシャー同様、素のパワーの高さによるものか。

【青単速攻】

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安い!速い!強い!ということで神化編に入るや否や環境を【速攻】に染め上げた【青単速攻】デッキ。それまでの《鬼面城》を使ったサイバーロード型の【速攻】は《ローズ・キャッスル》で場が半壊し《エンフォーサー》で詰むという致命的な弱点を抱えていたが、優秀な軽量サイバー進化を多数獲得したことで【速攻】の割りに速度が出ない点と合わせて克服した。EM日本一決定戦レギュラークラス準優勝。
《海底鬼面城》と殿堂ドローソース《アストラル・リーフ》《ストリーミング・シェイパー》によって得たリソースから繰り出される軽量サイバーの展開力は驚異的で、《テンサイ・ジャニット》を自然に4投できることから速攻同士のゲームでも強い。
戦国編〜神化編のビートダウンプッシュの恩恵を十二分に受けたデッキといえるだろう。
ただし《鬼面城》を軸にしている以上シノビ主体のデッキには攻めを凌がれやすい。また、初手に《鬼面城》があれば強いが進化と進化元のどちらかが固まると弱い、と手札によって強さにムラがあるのがやや残念。
昔の【速攻】らしくデッキパーツのほとんどが低レアリティに集中している。《パラダイス・アロマ》だけは長らく絶版だったため価格が高騰していたが、そちらもじきに再録。手軽に組める定番デッキとして愛用者が多く、覚醒編直前で《パラダイス・アロマ》殿堂入りで大きく弱体化した際は嘆く声が大きかった。

【メタネクラコン】

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《パーフェクト・ギャラクシー》《キング・アルカディアス》《クイーン・アルカディアス》をフィニッシャーに置いた白黒緑コントロール。EM日本一決定戦オープンクラス準優勝。
基礎は戦国編の【ネクラギャラクシー】と同じ。《母なる紋章》殿堂入り・《母なる大地》プレミアム殿堂で《キング》《ギャラクシー》の取り回しが難しくなっていたが、更に神化編中期にて《キング》《ギャラクシー》本体が殿堂入り、相性の良い《ソウル・アドバンテージ》がプレミアム殿堂入りし大幅に弱体化。
これを受けてデッキパワーの維持が難しくなったネクラコントロールはメタカードの積みやすさを活かした【メタネクラ】として活躍するようになる。

素の基盤の強さから来る高い安定感が売り。
メタ対象の【キリコ】は勿論、《鬼面城》をドローエンジンとする【青単速攻】にもシノビの防御が有効なので比較的相性が良いが、【黒緑速攻】はブースト・シノビが間に合わず殴り切られやすい。【M・ロマノフ】も大抵追いつかず《マリエル》で止めるか《ジェニー》で落とさないと厳しく、tier3以下も回られると厳しい対面が多い。

【M・ロマノフ】

《邪神M・ロマノフ》から《憎悪と怒りの獄門》、《魔弾 ベター・トゥモロー》を打ってワンショットキルを決めるデッキ。《ダンディ・ナスオ》《進化の化身》によるサーチでパーツを揃えるのが比較的容易。4〜5ターン目には勝負を決めることができ【キリコ】に対して優位に戦える。
一方で受けの強いデッキが厳しく、ワンショットでリソースを吐き出すことから《地獄スクラッパー》を踏む等で一度攻めを止められるとそのまま負けに繋がりやすい。【ハイドロ】が鬼門。
覚醒編中期にコンセプトの《M・ロマノフ》と防御札の《ハヤブサマル》が殿堂入りし弱体化。

獄門ドレーン型

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《デビル・ドレーン》で盾を剥がしてから《M・ロマ》を召喚、メテオバーンで《獄門》を唱え盾を吹き飛ばすコンボデッキ。自身の盾が0になるリスクを《ガブリエラ》《ハヤブサマル》でカバーする。下準備さえ整えれば更地からでも《M・ロマ》1枚でワンショットコンボを放つことができ、性質上【速攻】系には滅法強い(【青単速攻】にはプレイングで対処されやすく不利)。
だが、コンボ・手札補充共に《ドレーン》に強く依存しており、コンボパーツを多く積んだ4色デッキということも有りコントロールやワンショット系の相手には事故で動けない・動きが遅いゲームが結構多い。ほとんどのデッキに勝てるがほとんどのデッキに負ける。中には《ドレーン》を引くためだけに《ニンプウ・タイフーン》を採用する構築もあった。
稀によくMデッキ進化が不発する。

ベター型

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クリーチャーを2体以上出し、《M・ロマ》から《ベター・トゥモロー》を唱え即死打点を作り出すワンショットコンボデッキ。こちらはコンボパーツにスロットを割かれにくい分安定性に優れ、スーサイド戦術を取らず攻撃を凌がれても返しのターンで即死する可能性が低い。
軽量クリーチャーを並べる関係で《エンフォーサー》や《ローズ・キャッスル》で動きを封じられやすく、構築とプレイで補う必要がある。
ドレーン型が対策されやすくなってから流行した型だが、拡張性に富んでおり、覚醒編でも超次元呪文や連鎖を取り込みながら強化され続けた。

因みにどちらの型にも【ハイドロ】メタの《破壊と誕生の神殿》+《ガレック》が入っているのは筆者の好み。

【黒緑速攻】

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安い!速い!強い!【青単速攻】と共に環境を高速化させた要因。レアリティが低くあちらよりも更に安価で組める。
墓地進化が主軸であり破壊に対する耐性がある。そして何より速い。それまでの【速攻】のキルターンに比べて黒緑のそれは0.5~1ターン速い。そのため【キリコ】に対してだけなら恐らく一番強い。
純粋な速さでは他の追随を許さないが、個々のパワーが低く《地獄スクラッパー》、《ローズ・キャッスル》、《ノーブル・エンフォーサー》等が非常に辛い。それらはこのデッキや【M・ロマノフ】へのメタに用いられることが多く対抗策に《ダルマンディ》を積んだが、ある程度は割り切っていた。
後に《ダンディ・ナスオ》殿堂入りで弱体化。3キルルートが減少し《ナスオ》→《スナイプ・モスキート》による擬似サーチが難しくなったものの致命的な規制ではなかった。
以降も《ザビ・クロー》等によって強化を受け、【黒緑】より強いデッキは数あれど【黒緑】より速いデッキは久しく出てこなかったので何度も環境に姿を現す。後の時代には《トリッパー》《バインド・シャドウ》が採用されたりとメタに合わせて少しずつ姿を変えていった。

その4に続く

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