神化編 B・ロマノフ
誰が得するんだこの記事
デッキ概要
リアニメイトデッキ特有の粘り強さと、最速4ターン目にマッドネス無効の3ハンデスをしつつ3ブレイクという爆発力が特長のコンボデッキ。DM-34で《B・ロマノフ》が登場したことで成立し、神化編後半から《魔光蟲ヴィルジニア卿》が殿堂入りする覚醒編中期まで活躍。
メインカラーの闇は確定として、現在ほど墓地肥やしカードが充実していない時代だったため《カラフル・ダンス》擁する自然文明もほぼ必須。
当時クリーチャーを除去する手段としては《デーモン・ハンド》や戦闘の破壊、《ナチュラル・トラップ》等によるマナ送り、《魂と記憶の盾》の盾送り、《アクア・サーファー》等によるバウンスがあったが、破壊は《ヴィルジニア》《モールス》がハンドにあれば即座にリカバーできる上に《グール》が復活し、マナ送りにされても《カラダン》《ナスオ》でそのまま墓地に落とすことが可能。《盾》は進化クリーチャー故に対象外で、バウンスは再度召喚されるだけ(普通メテオバーンを打ってからターンを返すため)と、一通りの除去に耐性を持つ。遅いデッキには1度出せる状況を作ってしまえば手詰まりにさせやすく、特に除去コントロールには滅法強い。
一方で盤面を触ることが苦手であり速攻系やハイドロのように序盤から横に並べてくるタイプの相手は不利。得意・不得意な相手がはっきりしている。
《フェアリー・ライフ》→《カラフル・ダンス》→《ヴィルジニア》で4t《B・ロマノフ》。だが最速降臨を決めるためにはブースト+《カラダン》+緑+《ヴィルジニア》が必要で、後述するが構築上の縛りの関係で結構厳しい(必ずしも3t《カラダン》しなくともよい)。
黒緑というカラーリングからわかる通り手札が枯渇しやすく、パーツが揃わない場合トップ頼りになりがち。
構築上の注意点
・《B・ロマノフ》の進化元は闇のクリーチャー3体
・極力《カラフル・ダンス》1回で進化元+《B・ロマノフ》を揃えたいので、デッキ内の闇クリーチャーの比率を高める必要がある
・最速ムーブには自然のカードが3枚要求される
・《カラフル・ダンス》をフリースペルにするために原則多色は積まない
この色配分の問題が難しく、多色カードを積めないのに闇クリーチャーの比率を上げつつ緑の初動を安定させるという難題を突き付けられる。
最速できない場合でも基本的に《カラダン》がないと《Bロマ》を出せないので緑マナの確保は必須。
進化条件を考えると黒=クリーチャーとなるわけだが、速攻対策としてポピュラーな《ローズ・キャッスル》、貴重な大規模墓地肥やしの《プライマル・スクリーム》、手札補充の《邪魂創生》が積みにくく、弊害が多い。
デッキレシピ
2 x 死神術士デスマーチ
2 x 停滞の影タイム・トリッパー
2 x 解体人形ジェニー
4 x 魔光蟲ヴィルジニア卿
2 x 龍神ヘヴィ
2 x 威牙忍ヤミノザンジ
2 x 炸裂の影デス・サークル
3 x 盗掘人形モールス
4 x 大邪眼B・ロマノフ
3 x 黒神龍グールジェネレイド
2 x ダンディ・ナスオ
4 x フェアリー・ライフ
2 x 時空の庭園
1 x 母なる紋章
1 x ディメンジョン・ゲート
4 x カラフル・ダンス
4 x 大邪眼B・ロマノフ
フィニッシャー。種族・進化条件・ATが非常に優秀で、一度メテオバーンを打てば後続の進化元も揃う。だが劣勢時に弱く、特に《キリコ》にパワーで負けており先に出されるとひっくり返す手立てがない。
墓地に余裕があるならば進化元・メテオバーンで落とすカードは考えて選んだ方が良い。
《カラダン》で一番落としたいカードなので4。
4 x 魔光蟲ヴィルジニア卿
《Bロマ》を釣り上げるデッキの核。たまにMロマ系にも投入される。覚醒編にて殿堂入り。
枚数分だけ《Bロマ》を出せるので極力ハンドにキープしたいカード。《エンフォーサー》で止まらないパワーラインが素敵。
普通に非進化クリーチャーを回収できることを忘れがち。
4枚積まない理由がない。
3 x 黒神龍グールジェネレイド
ロマノフI世の時からお馴染み、破壊耐性を付けてくれるドラゴン。カラダンで落としたいがトップから仕事をしないので3。枚数は減らしてもよい。
2 x ダンディ・ナスオ
お手軽万能墓地肥やし。後に黒緑速攻規制のため殿堂入り。
《Bロマ》の進化条件的にピンポイントサーチはそれほど噛み合っていないが、緑で優秀な墓地肥やしがこれと《カラダン》くらいしかない。《カラダン》で《Bロマ》が落ちなかったときにこれで落としたり《モールス》握ってるときに《ヴィルジニア》落としたりと万能。黒ではなく単体では弱いので2。
4 x カラフル・ダンス
フリースペル墓地肥やし。後にスペース・チャージとの組み合わせを危惧され殿堂入り。
《エマージェンシー・タイフーン》と違いハンドキープ不要で《Bロマ》《グール》を気兼ねなくマナに置けるためプレイングの易化に繋がっている。
墓地肥やしはこのカードへの依存度が非常に高く、サーチも難しいため追加で《プライマル・スクリーム》等を積みたいが、そうすると《カラダン》の威力が下がるというジレンマを抱える。
1 x 母なる紋章
便利呪文、当時殿堂。《ナスオ》以外は闇のクリーチャーで固めているのでそれらを《ヴィルジニア》《Bロマ》に交換でき、《Bロマ》の進化元を装填したり用途は色々。たられば感が強いが、他に相性の良い緑が少ないので。大抵色マナ要員になる。
4 x フェアリー・ライフ
2 x 時空の庭園
初動。《時空の庭園》は単に5枚目以降の《フェアリー・ライフ》というだけでなくメテオバーン装填が地味に強力で、《石板》や《青銅》よりも優先度が高い。
1 x ディメンジョン・ゲート
軽量サーチ。デッキの大部分をクリーチャーで構成するため使いやすい。トリガーで《ヤミノザンジ》を引っ張ってきたり普通に《ヴィルジニア》サーチしたり。
2 x 停滞の影タイム・トリッパー
2 x 解体人形ジェニー
良質な闇単色クリーチャーとなると真っ先に名前が挙がる2種。
共に速攻以外には大体刺さり、《ローズ・キャッスル》で処理されても墓地が肥える、と無駄がない。
3 x 盗掘人形モールス
G0を満たしやすい。墓地肥やしばかりで《ヴィルジニア》(《Bロマ》)がハンドに来ない場合のトップを強くしてくれる。この枠を1枚《インフェルノ・サイン》にするケースが多いが、《ヴィルジニア》を介さないと《Bロマ》を釣り上げられず、5マナ必要なのは同じなのでクリーチャーであるこちらを優先した。
2 x 龍神ヘヴィ
汎用ゴッド。後に謎の殿堂入り。闇単色でありながら自壊による墓地肥やし・《グール》との相性・除去効果・キャントリップなど兼ね備えハイスペック。特段刺さる対面がなく《ヴィルジニア》とコストが被ることもありイメージ程強くない。他カードに差し替えもあり。
2 x 死神術士デスマーチ
2 x 威牙忍ヤミノザンジ
2 x 炸裂の影デス・サークル
速攻対策。
《デスマーチ》は1コストなので余ったマナで打点を増やせる。が、墓地を消費するのが少し厄介。《ヴィルジニア》《Bロマ》を進化元にして紋章で出したり、《ヤミノザンジ》等を進化元にしてバウンスに耐性を付けたり。
シノビはマナが伸びないデッキなので《ハンゾウ》より《ヤミノザンジ》。《マリエル》が重いので速攻じゃないからといって安易にマナ置きしない。
《デス・サークル》は墓地が肥える除去トリガー。他に闇トリガークリーチャーには《ヤミノサザン》《グレイブディール》等があるが、やはり自壊がデッキコンセプトと噛み合っているためこちら。
各対面など
対キリコ
トップメタ。序盤に軽量クリーチャーを並べないデッキであり一見すると相性が良さそうだが、代わりに手札を切ってランパンに費やすのでハンデスが致命傷にならない。
場に1体でも生物がいた場合、盾3枚とトップのいずれかから《アマテラス》を引かれるとゲームが終わる。かといってちんたら打点を揃えていたらやっぱり《アマテラス》が降ってきてゲームが終わる。コンボデッキとして比較した場合、最高速度では勝るが安定性とフィニッシュ力で完敗している。
《キング》が出ても死ぬほど辛く、早期降臨できないと不利。
対速攻
不利対面。ただ、盾からの手札補充があるためコンボパーツが揃いやすく、ブン回られるパターンでなければトリガー・ハンドの噛み合い次第では普通に制圧が間に合う。
青単は展開力が高いため《Bロマ》を出してもどうしようもない状況が多く、《鬼面城》でのハンドリソースを活かした《ヤミノザンジ》や《デスマーチ》で誤魔化すしかない。バウンスを多用するので進化元はよく選びたい。
黒緑は展開力では劣っているがそもそも出る前に負けているパターンが多い。こちらも《デスマーチ》の使い方が肝になる。
対ハイドロ
一番の不利対面。《ロードリエス》によるハンデス耐性と展開力によって《Bロマ》がうまく機能しにくい。コンセプトの《ハイドロ》が《Bロマ》への有効なエンドカードになる。《ロードリエス》が立つまではそれほど展開されないので、最速すればタコ殴りにできたりもする。
対ボルコン・対ドルゲーザ
有利対面。共に動きが遅く、手札をため込むため《Bロマ》が刺さりやすい。
前述の通り《Bロマ》の除去手段が限られせいぜい《牢獄》くらいでしか対処されず、バトル負けもほぼない。《マリエル》にだけは注意したい。
対ネクラ
ハイドロとボルコンの中間。置きドロソによるハンデス耐性や《マリエル》・《キング》等のメタクリが辛いが、動き自体は緩慢で盤面の処理に長けたデッキではないのでしっかり回れば充分取れる。
横に並べてビートされるのが一番しんどかったりする。
結局最速できれば勝ち。
対Mロマ
ウィニーを並べるデッキではあるもののフィニッシュを《Mロマノフ》に依存しており《Bロマ》さえ出せれば意外とどうにかなる対面。
ドレーン型ならそこそこ事故ってくれるため間に合いやすくハンドの《ハヤブサ》を落として頓死させられたりするが、安定性が高く横並びを重視しているベター型は最速しないと大体負け。
正直不利対面が多すぎて引きが強くないとトーナメントで勝ち上がれる気がしないし当時からそこまで強いと思わなかった。
この後、覚醒編にて黒の軽量ブロッカーでありながら墓地肥やしをこなせる《ベリアル・ワーム》、貴重な自然の軽量除去の《リーフストーム・トラップ》等を獲得し少しずつ強化されてはいたが、その半年後に《ヴィルジニア》が殿堂入りして環境から姿を消した。
また、この記事では黒緑型を紹介したが、覚醒編初期のあたりでJ-SPEED氏が使用して有名になった青入り型も存在する。
こちらは青のドロソが加わったことで《カラダン》を引き込みやすくなり長期戦も多少戦えるようになっているが、代わりに色の問題がさらに深刻になり《カラダン》の威力が落ちたため速攻以外の対面では最速ムーブを捨てざるを得ず、黒緑の上位互換とは言い難い。
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