デュエルマスターズ 神化編環境の思ひ出 その1
※この記事は老害プレイヤーが昔を懐古するため、または当時を知らないプレイヤーに向けての解説記事となっています。ゲートボールの際などに参考になれば幸いです。幾分昔のことなので曖昧だったり前後関係がおかしくなっている部分などあると思いますがご容赦ください。
新規カードと環境の変化
神化編(エボリューション・サーガ)、読んで字のごとく進化編では各文明に低コスト~高コストまで様々な進化方法を持つ進化クリーチャーが登場した。
戦国編は以前書いた通り、シールドに関する能力を増やしてビートダウンを促進しようとした結果裏目に出てしまい、特に《パーフェクト・ギャラクシー》が絡むとLOのよる決着が頻発するほどの低速環境になった。
神化編でもビートダウン促進の方針は変わっておらず、今回は「ビートダウン向けの召喚酔いの無い進化クリーチャーを増やす」という直接的な方法を取ったため、一転して環境は高速化する。
【青単速攻】を三度環境に押し上げたサイバー進化、【速攻】デッキのキルターンに革命を起こす【黒緑速攻】を成立させた墓地進化が登場したのはこのブロック。
進化条件の緩い軽量進化クリーチャーはそれだけで強力であり、ここにきて火文明はまたひとつ御株を奪われた印象を受ける。
一方で進化条件の厳しい究極進化は高レアリティ・派手な能力とは裏腹にファンデッキの域を出ることはなかった。
神化編を語るうえで欠かせないのが《エンペラー・キリコ》の存在だろう。
出せば勝ちなのはいつの時代でも同じではあるが、発売時点では8コストの種族進化クリーチャーを召喚するコンセプトでは(当時のゲームスピードでも)どう構築しても「優秀なカジュアルデッキ」止まりだった。
しかし次弾で《母なる星域》が登場。《キリコ》の相棒である《アマテラス》がその《星域》とも相性抜群で、《キリコ》含む7マナと場に生物が1体いれば《アマテラス》1枚でゲームエンドに持ち込めるというワンショットコンボの容易さから、一躍トップメタへ躍り出る。
《キリコ》が出てしまうと後から対処するのは困難なことから、各種メタカードや妨害を絡めて封殺するか《キリコ》を出すにマナが必要な弱点を突いて【速攻】で攻めるか、身も蓋も無いが「そもそも《キリコ》を出させない」ことが一番の対策だった。
神化編後半になると《B・ロマノフ》《バルガライゾウ》《M・ロマノフ》といった、場に進化元を要求しない上に高いフィニッシュ力を持った進化クリーチャーが次々と登場し、それぞれの専用構築が確立される。グッドスタッフ的な要素が大部分を占めていたデュエルマスターズにおいて、環境内にこのようなフィニッシャー型のコンボデッキが多様性を見せるのは初めてのこと。
また、G・ゼロやS・バックといった古いキーワード能力が注目を集めた。《デビル・ドレーン》、《神秘の宝箱》をはじめ長期間絶版だったために価格が高騰したものも多く、過去のカードの研究が進んだ時期でもあった。
殿堂レギュレーション改訂
神化編開始時の殿堂入りカードリストは以下の通り。
そして神化編中期の2009年12月19日に下記のカードが殿堂・プレミアム殿堂入りした。
プレミアム殿堂入り
《インフェルノ・ゲート》(殿堂→プレミアム殿堂)
《ソウル・アドバンテージ》(殿堂→プレミアム殿堂)
《呪紋の化身》(殿堂→プレミアム殿堂)
殿堂入り
《インフェルノ・サイン》
《聖鎧亜キング・アルカディアス》
《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》
【キング】【ギャラクシー】系コントロールは強さもさることながらゲームを硬直化させるタイプのデッキだったため規制も止む無しか。
【ロマノフサイン】【ロマネサイン】といったリアニメイト系デッキは面白くて人気のあるデッキであり、特段環境を荒らしたわけでもないので《インフェルノ・サイン》殿堂入りでデッキタイプごと潰す必要があったのか?と思える。《ゲート》は完全にとばっちり。
《呪紋の化身》に至っては母なる系の規制と《ハンゾウ》を始めとするシノビ全盛であまり見かけないカードになっていたため意味不明だった。
Tier Ranking
※DM-35発売後の環境を想定
Tier1
【エンペラー・キリコ】
Tier2
【青単速攻】
【メタネクラコン】
【M・ロマノフ】
【黒緑速攻】
Tier3
【ハイドロ・ハリケーン】
【メタドロマーコン】
【H(D)M】
Tier4
【B・ロマノフ】
【ドルゲーザ】
【ロマネライゾウ】
環境はデッキパワーの抜けた【キリコ】を中心に回り、まず「【キリコ】に勝てるか」によって評価が大きく変わる。トップメタとはいつの時代もそういうものではあるが。
他、【ボルコン】、【5cコン】、【ヒャックメー】、【フェルナンドコン】、【ベルフェギウス】など。
公式大会であるエボリューションマスター(以下EM)は、エリア予選上位入賞者のうち1/3以上を【キリコ】が占めた。
その下に【キリコ】に対して優位な【速攻】系と【キリコ】へのメタコントロールが続く。日本一決定戦は更にメタゲームが先鋭化し、オープンクラスでは【キリコ】の使用者が一人しかおらず、優勝は【メタドロマーコン】・準優勝は【メタネクラコン】だった。
その2へ続く