デュエルマスターズ 戦国編の思ひ出 その3
その2の続き
具体的なデッキレシピを掲載して一連の記事を締めくくりたい。
本来はトーナメントで使用されたものやそれらの最大公約数的なレシピにするのが好ましいのだろうが、調べ上げるだけの労力が無かったのと、公式大会のギャラクシーマスターが29弾~30弾あたりに開催されており想定した環境とはカードプールが異なるため、全体的にそれっぽいものにしている。
【ギャラクシーコントロール】
ブーストから始動し、《ソルアド》で手札を枯らせてトップでの解決が難しい《ギャラクシー》や《キング》に繋げて圧殺する。
《ミスト・リエス》、《ハッスル・キャッスル》の2大置きドロソで相手の《ソルアド》を牽制し、母なる系呪文で少量のハンドでも自在に展開可能。
という、当時強いカードを使って強い展開を作ることに特化した遅いゲームでは最強クラスのデッキ。
反面、速攻対策が脆弱でマナブーストから《スカイソード》や《ハヤブサ》を駆使して時間を稼ぐしかないのが難点。
ミラーマッチではそれを突いて《幻緑》《青銅》《ジェニー》によるビートプランで短期決戦を狙うケースが多く、ミラー対策に《ローズ・キャッスル》が積まれることも。
当初は赤抜き4cが主流で青を抜く型の注目度は低かったが徐々に研究が進み、相性の良い城を獲得したネクラカラーはギャラクシー・マスターズ日本一決定戦のオープン部門で1位、レギュラー部門でも2位を勝ち取った末、新殿堂発表によって四肢をもがれ大きく弱体化することとなる。
【4cキングロック】
《キング》+《デルフィン》ロックをフィニッシュ手段とした赤抜きグッドスタッフコントロール。《ギャラクシー》は徐々にネクラに人気が集まっていったが、ボードに触るのが苦手な《キング》は《宝剣》が使える4Cの方が強かった印象。
やはり《ソルアド》からフィニッシャー降臨が理想の展開。
ギャラクシーコントロールと類似する(そちらと折衷したものも多かった)が、4色の方はやや色事故が怖いのと、スロット的にそれぞれの枚数を確保しにくい。
その分《宝剣》や《サイブレ》など各色のパワーカードを積めることからオールラウンダーなデッキと言える。
《キング》+《クイーン》ロックの形を取るデッキもあったが、無制限の《宝剣》や《ギャラクシー》メタに投入される《牢獄》に弱い点、多色の割合が増えすぎる点などから主流にはならなかった。
そしてこちらも殿堂入りで弱体化を余儀なくされる。
【H(D)M】
《ヘヴィ》、《メタル》という単体でも高いカードパワーと汎用性を持つゴッドをフィニッシャーとしたコントロールデッキ。
どちらかというとこういった専用デッキよりもランデスのフィニッシャーやロマノフサインの踏み倒し先など他デッキで活躍した印象が強い。
例によって《ソウル・アドバンテージ》を早期に唱えてからH(D)Mを完成させるのが理想的な展開。
HMをリンクすることでビートダウンを封殺できる他、複数並んだ《ギャラクシー》を全て寝かせられる。ただし後者は共に積まれる《キング》や《ハンゾウ》に弱く、結局のところは《ソルアド》を先に打った側が優位に立つマッチアップである。
【黒ランデス】
《ソルアド》・《英知と追撃の宝剣》を打ち込みフィニッシャーに繋げるランデスデッキ。
ランデス戦術は《ソルアド》への数少ない対抗策であるのと同時に、自身の《ソルアド》の威力を高める働きがあり強力。そしてランデスデッキの常だが速攻には分が悪くコントロールには強い。
極神編で非常に強力だった【ランデス】デッキは戦国編でも健在。相変わらず4色以上のコントロールデッキの多いためその強さを遺憾なく発揮した。
《バジュラズ・ソウル》の殿堂入り後のフィニッシャーには《ボルメテ》のほかに防御力の高いHMを据えるタイプが多かった。
後に《ソルアド》、《宝剣》の殿堂入りで大きく弱体化。
【ドルゲーザ】
軽量のアースイーター・ジャイアントから《ドルゲーザ》に繋ぎ、潤沢な手札から追加のジャイアントやシノビを繰り出す低速ビートダウン。
戦国編末期、DM-31で強力なサポートカード《西南の超人》が登場したことで成立した。…と思われがちだが、それ以前より《スペース・クロウラー》、《バキューム・クロウラー》、《土隠雲の超人》といった優秀なシンパシー元は存在しており、シノビが登場したあたりで既にメタゲームの一角に食い込んではいた。
豊富な手札補充・サーチによって高い展開力を有するのと同時に、大量に積まれたシノビにより速攻耐性も併せ持つ。
その1で述べた速攻・ビートダウン・コントロールの3竦みを見事に成立させた数少ない成功例と言えるだろう。
上記のレシピは戦国編期シノビドルゲでは最強のものだが、《ソルアド》殿堂・《大地》プレ殿ですぐに使えなくなった。
【黒マルコ】
青のドロー、緑のブーストを軸に黒のパワーカードを加えたマルコビート。
上記のシノビドルゲと類似する点は多いが、そちらと違い《マルコ》のサイズが小さく《ハンゾウ》1枚で溶けてしまう、ドロー量やブロッカーの有無により防御力が低い、コスト軽減がなく展開力も劣るなど短所が目立つ。シノビドルゲ自体が強力なデッキタイプなので仕方ないところではある。
軽い進化クリーチャーであるため動きが比較的早く、序盤の守りが手薄なコントロールデッキには速度で押し切れることがあるのが強みだろうか。《ギャラクシー》やHMが立つと厳しいのは同じなのだが。
【ロマノフサイン】
戦国編前期に君臨した、墓地利用を主軸にしたリアニメイトデッキ。
《ダンディ・ナスオ》と《ロマノフI世》の効果で好きなカードを墓地に落とせるのでピン挿しが多くとも機能しやすい。
《インフェルノ・サイン》によって5マナでの《ロマノフ》降臨が期待できるが、その分下準備が必要でありマナブーストからフィニッシャーを展開する他のデッキより特段早いわけではない。大きく違いが出るのはトリガーで踏ませた場合で、《獄門》でのカウンターもあり対速攻はそれなりに戦える。
一方でそれ以外が相手の場合《ロマノフ》を場に出してからAT発動までにタイムラグがあり、そうでなくともパワーが8000と低く《ギャラクシー》をはじめ相性の悪いカードが環境に多すぎること、ギミックによる事故の多さからメタゲームからは失墜。
とはいえ《ロマノフ》を始めとする格好良いドラゴン、ギミックの面白さなどから根強い人気があり、後にクロニクルデッキとして復活している。
【ロマネスクサイン】
《龍仙ロマネスク》と《インフェルノ・サイン》を主軸に置いたリアニメイトデッキ。《ロマネスク》のマナブーストからフィニッシャーを召喚するビッグマナ的な要素も内包している。
リアニメイトと強烈なマナブーストによってハンデスへの耐性を持ち、パーツ個々の単体性能も高いため無理にコンボを狙わずとも運用可能。
フィニッシャーにはHDMの他、《ロマネスク》から進化できる《バジュラ》や《キング》なども採用された。
トップメタには及ばないもののトップメタともそれなりに戦える。というのはこのデッキに限らず戦国編環境でよく見られる傾向である。
ロマサイとのハイブリッド型であるロマロマも存在するがやりたいことが多すぎてまとまりがない印象。
【5cコン】
《フェアリー・ミラクル》によるブーストから《ロマネスク》や《ソルアド》といった高コスト帯のパワーカードを叩きつける今も昔も変わらないこのデッキ。
当時の5cの強みは《ヴァルチャー》によるマナ回収、《ゲルネウス》によるバウンス・墓地回収で少ないハンドからでも体勢を整えられる点。それらは盤面に多色クリーチャーが残ることから《キング》等の多色進化クリーチャーに繋げることが多かった。
各文明のパワーカードを搭載できるのが強みだが、母なる系とは共存できない点が残念。
5cデッキには他に5cランデス、5cゼンアクなども存在していた。
【赤緑速攻】
《パシフィック・チャンピオン》の殿堂入り後に入れ替わるようにして現れた速攻デッキ。通称グレンソーヤ。
軽量マナ進化クリーチャーと優秀なウィニーでひたすら相手を殴るシンプルな構成。
パワーラインが高めで《地獄スクラッパー》を踏んだ時の被害を抑えやすいうえ、《ハックル・キリンソーヤ》のSFで《ハヤブサ》や小型ブロッカーを無視して攻撃出来る。
神化編で黒緑速攻が台頭するまでの速攻デッキのインフレはキルターンを速めるのではなく個々のカードパワーを向上させる方向のものが多く、このデッキもその例に漏れない。
神化編の思ひ出に続く(?)
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