デュエプレの環境デッキの紙との違い
○番煎じっぽい
デュエプレで魔改造されたカード・オリジナルカードは膨大な数となっている。そして、それらが環境の中心にいるため紙と同じものをリリースしてもあまり使われず、さらなる魔改造を招いていると批判を受けることがあるようだ。
【剣誠】や【アポロ】、【メカオー】は高い再現性で早い段階から大型クリーチャーを立てて殴り切ってくると言われているが、TCG版で同時期にあたる戦国編にそのようなハイパワーなデッキはなかった。
では、11弾環境のデッキレシピがTCG版とどのように違うのかを比べてみた。
Tier表
今回参考にしたのはこちらの動画で、Tier表はこの通りになっている。
TCG版でも見たことのあるデッキもあれば、そうでないデッキもある。一つ一つ順を追って見ていきたい。
【剣誠】
《ボルメテウス・剣誠》を軸にしたビートダウンデッキはTCG版にも存在したが、とても環境レベルと呼べるものではなかった。
サムライを並べて《ザンゲキ》から《剣誠》を射出して殴り切るのがメインの勝ち筋になるが、サムライデッキは《剣誠》のサーチ手段に乏しいため、《ビワノシン》にクロスギア(あるいはサムライに《メモリー・アクセラー》)を付けて攻撃することでリソースを稼ぎ下準備を行う。しかし、トリガーを踏んで除去されるとサムライの頭数が減ってしまうし、殴りながらリソースを稼ぐ戦術自体が《剣誠》のワンショット性能と噛み合っていない。
また、低コストのサムライが《ビワノシン》と《弥太郎》以外弱く、クリーチャーとギアを並べて動き始めるデッキなのに、ギアは立てたがクリーチャーが遅い、クリーチャーはいるのにギアが引けないという事態が起きる。
それでは、デュエプレではどうなったか。動画内のサンプルレシピはこうなっている。
大量のサポートカード・軽量サムライの追加で、赤青2色で組めるようになり事故率が大幅に軽減された。当時サムライにはS・トリガーが事実上存在しなかったが、新規カードと未来産の《タイガーグレンオー》実装で《サーファー》などを搭載する必要がなくなった。また、マナシステムの変更のおかげで《メモリー・アクセラー》の取り回しが楽になった。
デッキがどの程度変わったのか、わかりやすくするために色分けを行う。デュエプレに実装するにあたり、TCG版より強化を受けたカードをピンク色、弱体化したカードを青色、ゲームが初出のカードは緑色で塗り分けた。
なお、強化・弱体化の両方を受けていても明らかにどちらかが大きい場合はそちらに分類する(例えば《紫郎》の探索化は弱体化だが、サーチ対象が限定されておりコスト減のメリットが圧倒的に勝るためピンク)。ドローの強制化とかボトム送りのランダム化とか些細なものは修正無しとして扱う。
緑色、ゲームオリジナルカードの枚数がデッキの半分を占める。上方修正されたカードが8枚、《タイガーグレンオー》も当時なかったことを考えると、当時とほぼ変わっていないのは10枚ということになる。
再現性と速度の向上に関しては、新規2コストサムライの他だと、特に《紫郎》の軽量化と《モノノフ》追加が大きい。前者のコスト低下で《ザンゲキ》に繋げるのが非常に楽になり、後者で《モノノフ》1枚から容易に高出力を実現できるようになった。
【ガントラビート】
これはTCGに存在しなかったデッキである。どのような型でも基盤となる《運命の選択》+《ガントラ》+《アラゴナイト》の搭載は確定だと思われるが、《運命の選択》はTCG版だとまず自然クリーチャーを見せないと踏み倒しすらできず、見せたのが単色なら追加効果は無しと非常に使いにくいものだった。
しかし、デュエプレの《運命の選択》は無条件でリクルート可能というぶっ壊れた性能になり、他の条件も緩和されSA付与・アンタップ化の両立も容易になった。《アラゴナイト》にはSAが付き超ハイスペック化。デッキ名の《ガントラ》本体こそ変化はないものの、こちらも《アラゴナイト》と合わせ《運命の選択》と非常に好相性だ。
上の動画内のサンプルレシピはこうなっている。
TCGならば手札補充の無い4色ビートはどう組んでも事故が避けられないはずだが、デュエプレでは《運命の選択》のリクルートとマナシステムのおかげでさほど困らなくなっている。
先ほどと同じように種類ごとに色分けするとこの通りになる。
魔改造とオリカの枚数バランスが良い(?)。《アルバトロス》《DEATH・ドラゲリオン》といった魔改造組をふんだんに採用し、当時ゲームにしか存在しなかったパワカフィニッシャー《ガルベリアス》も4投。
防御札は汎用オリカトリガー《ジャック・アルカディアス》が4投されている。《ヤミノサザン》は《ドラゲリオン》の進化元確保のために入っているのだと思われるが、このカード自体は当時の闇入りビートの防御トリガーとしては割りとポピュラー。
なお、TCGでは《ボルバル》が消えたのを最後に環境内にワンショット系デッキやハイビートが不在になったことで、《ホーリー・スパーク》は長らく採用率を落としていたため、既に上位互換の《スーパー・スパーク》が登場している。
【グレートメカオー】
不死鳥編のハイブリット種族のデッキ。あまり人気が無かったため、これといったテンプレも思い当たらない。
単にメカオーブロッカーを使った実用的なデッキを組みたいだけならばそれほど苦労しないが、種族シナジーを生かした強い動きが少ないため、ペトって《ヒドラ》で回収するデッキを組むのであればガーディアンやイニシエートの方が使いやすいし、《ハイドロ》やハンデスに寄せるならメカオーに拘る意義が薄く、他の劣化版になりやすい。
一応数年後のE2でもメカオーが再プッシュされたが、これといって強いデッキは生まれていない。
デュエプレのデッキレシピは以下の通り。
TCG版では見慣れないカードも多いが、実はオリカは《フェニコーラー》と《コロビナー》のみ。
一目見てわかる圧倒的な魔改造率。
不死鳥編の進化GVフェニックスはすべてにシンパシーが付与されて手軽に出せるようになり、《マザー》は除去耐性の範囲・時間の両面で大幅に強化された。
《キャプテン・ミリオンパーツ》はコストが3も軽くなり、《ピラミリオン》も本体のコストが1減少、cip対象コストは1下がったものの確実に1枚選んでリクルートできるようになった。《ジャンボ・アタッカー》の性能は別物に近いが、メカオーデッキに投入するならこちらの方が強いと思われるため強化扱いとした。
また《ガトリンガー》は、参照先が変わったことでE2で登場する《パトロール・ファンクション》の上位互換に。
全体的に、フェニックスを出すまでの動きがひたすらに太くなり、フェニックス自身の性能も大幅に向上しているという感じ。
なお、《サーファー》は青色だが、これはバウンス系カード全般の変更(自身のクリーチャーを選択できなくなった)によるもの。
【ナイトコン】
TCGでは、戦国編初期の【ナイト】は《フランツ》・《オプブレ》を入れたドロマーが強く、一世を風靡した。
秋に白黒型ナイトのスーパーデッキ・クロス「Arcadias騎士団」が発売され、レギュラークラスとはいえそのまま無改造で公式大会に上位入賞したことで当時話題となったが、それでもナイトに大きく寄せるよりも青を入れてグッドスタッフ寄りにしたデッキの方が強かった印象がある。
まあ、どのみち《ハンゾウ》が出たあたりで緑を入れないコントロールの人権がどんどん無くなっていったのだが。
デュエプレでも同様に、最初期のドロマー型はフィニッシャーが弱く《フランツ》+《オプブレ》あたりを他に出張させる構築が多く見られ、その後にArcadias騎士団のデッキパーツが登場すると青を削る構築が主流になっている。
特に基盤部分はTCG版でナイトを使っていた人には懐かしい顔ぶれが並んでいる。仕様変更と環境の高速化により、定番の《デ・バウラ》や《ソウル・キャッチャー》といった墓地回収カードは採用されていないようだ。
これを色分けすると以下の通り。
他のデッキと比べて無調整(またはほぼ変化無し)のカードがかなり多い。さすが当時デザイナーズデッキの中で最強と言われたナイト。
《デュアル・ザンジバル》はトリガーを獲得したため4投しやすくなり、《バレット・バイス》は本体の性能は変わっていないがTCGより周りのハンデスカードが弱くビート環境であるため刺さりやすい。
フィニッシャーの《シーザー》・《ネロ》も、探索化とターン1化の弱体化はあるが総合的には強化と言って差し支えない。
《破壊龍神》は強化と調整のどちらに振り分けるべきか悩んだが、そもそもゴッド全体がシステムによってTCGとは全くの別物になっているため、すべて新規カード扱いとした(《竜極神》なんかは凄まじい強化を受けているが)。
【5色コントロール】
TCGにも昔から存在する、《ミラクル》からパワカを叩きつけるデッキ。《ソウル・アドバンテージ》殿堂前ならこんな感じか。
メインを《ギャラクシー》や《ヘヴィ》(+《デス》)+《メタル》にしたり、《ゼン》+《アク》を入れてみたり、フィニッシャーは人によって結構差があった。
理想的な動きとしては、《ミラクル》から《ロマネスク》に繋いで圧倒的なリソース差を付けて圧殺する、あるいは《ソウル・アドバンテージ》でハンデスする。小回りが効かなさそうに見えて、マナさえ溜まれば《ヴァルチャー》と《ゲルネウス》で各ゾーンへの干渉は割りと得意。
戦国編~神化編で死ぬほど目にした《バキューム・クロウラー》はデュエプレでは未実装だが、能力のタイプ的に恐らく今後も実装されないだろう。仮にされたとしても環境の高速化についていけていない可能性が高い。
デュエプレになり何より大きいのが、マナシステムのおかげで5色デッキの構築が非常に楽になっているという点だ。それに加えて、汎用性の高い数々のゴッドのおかげで意識せずとも多色カードが確保できるようになった。探索化もあって《ヴァルチャー》・《ゲルネウス》は採用されない。
《フェアリー・ギフト》が4投されているが、TCG版ではこのような構築のコントロールデッキはほとんどなかった。ビートダウンが弱く手札が自然と増えないためハンドアドバンテージが重要だったこと、大型クリーチャーの質が段違いなこと、そしてゴッドの仕様が大きな差だろう。あと《大地》。
色分けを行うと以下の通りになる。
他のデッキに比べて圧倒的に青色の(=弱体化された)カードが多い。とはいえ、TCG版の《ギフト》はそのクリーチャーの色+緑マナをそれぞれ1つずつ確保する必要があり、特に多色クリーチャーの軽減はマナが詰まりやすかった。その点ではデュエプレの仕様の恩恵を受けたため一概に使い勝手が悪くなっただけとは言えない。
また、《フェアリー・ミラクル》のタップイン化に関しては、TCGでも5Cデッキは多色が多めでアンタップインを期待するカードではなかったし、そもそも初動札であるため、やはり大きな弱体化とは言えない。
よって、明確に性能が落ちたと言えるのは《ベガ》と《キング》のみだろう。
《キング》は環境が高速かつハンデスカードが全体的に弱いため間に合わせるのにも一工夫が必要になっており、立ち位置としてはメタクリーチャーがまだ少ない割に自分の強い動きを押し付けられやすいデュエプレ環境の抑止力としての側面が強いと思われる。
TCGだと5コスト2000サイクルの中では《トリプルマウス》の採用率がずば抜けて高かったが、デュエプレでは盾制限の付いた《ベガ》の方がメジャー。デュエプレがいかにビートが強いかを象徴するものである。あと《青銅》を《紋章》で引っ込めることがなくなったのもあるか。
TCG版では《デリンダー》は自分も好んでピン投していたが、やはりピーキーで《プリズム・ブレイン》や《トリプル・ブレイン》などの方が人気があった。デュエプレでは相手の手札+1に強化され、5色ODの使い勝手も大幅に向上したため非常に腐りにくくなっている。《ギフト》の打ちやすさはこのカードの存在も一因だろう。
なお《デル・フィン》は、ピーピングが消えたが総合的には強化されていると思われるため強化扱いにした。
【ライゾウ】
まず《バルガライゾウ》自体が戦国編のカードではなくその1年後の神化編3弾のカードであり、この時点で少し未来を先取りしている。
TCGで《ライゾウ》が出た頃は《ロマネスク》が4枚使えたため、《コッコ・ルピア》や《ギフト》で《ロマネスク》を軽減して召喚、増えたマナで即座に《星域》または《紋章》で《ライゾウ》を射出するデッキが成立。ぶん回れば理不尽な動きを押し付けられるということでたまーに結果を残していた。
ただ、事故ったときや《ライゾウ》を外したときが弱いのは仕方ないとしても、
1.《ロマネスク》召喚に3色1枚ずつ揃える必要があるのに、他の多色ドラゴンはろくなものがいない。準バニラのような《セイント・ボルシャック》はこの時期使える唯一の多色SAドラゴン
2.ドラゴンの受け札が存在しないため速攻に対して非常に脆弱。《スクラッパー》などを積むと《ライゾウ》の爆発力が落ちる
3.初動《コッコ・ルピア》が軽量除去に弱く、特に当時大流行していた《ローズ・キャッスル》が非常に重い
という難点があった。
デュエプレだとこのようなデッキレシピになっている。
《ロマネスク》+《ライゾウ》の組み合わせはそのままだが、周りを取り巻くカードは全く異なる。《ロマネスク》と組み合わせられなくなった《ギフト》は枚数が減り、《龍の呼び声》など優秀な連ドラ用マナブーストが増えたため《コッコ・ルピア》も全抜き。
色バランスに細心の注意を払わなければならなかったTCGの頃と違い、仕様変更により《ロマネスク》が召喚しやすくなったため、あちらでは非現実的だった白赤緑+タッチ気味の青という構築になっている。
色分けすると以下の通り。
弱体化されたカードは3種類で、うち《ロマネスク》と《エコ・アイニー》のタップイン化は《ミラクル》同様、複数マナブーストするカードには共通して施される弱体化。まあ《ロマネ》はともかく、《エコ・アイニー》はTCGだと《ライゾウ》よりも更に未来の《ロマネ》殿堂入り後のカードなので、デッキとして見たらナーフになっていないが。
《ライゾウ》本体は見られる範囲が5枚まで拡大したことで大幅な強化を受け、《ザークピッチ》はドラゴンすべてが対象になり、《ドルボラン》がシンパシー獲得、《ロレンツォ》は軽量化されドラゴンも効果対象になるなどドラゴン軍団は強化の嵐。
新規カードも《ライゾウ》が待ち望んでいたカードばかりであり、特に《アカギガルムス》は赤・緑の多色ドラゴンの受け札。TCG版にあったなら是非とも入れたかった一枚。
【アポロヌス・ドラゲリオン】
TCG版では完全にファンデッキ扱いだったが、デュエプレでは本体の大幅な強化と大量のサポートカードのおかげでトップメタとなり、DP殿堂による弱体化を受けても環境に生き残っているデッキタイプ。
《アポロヌス・ドラゲリオン》はフェニックスに共通するシンパシー能力によるコスト軽減に加えて、メテオバーンを発動するとそのままとどめをさせる、「出せばそのまま勝ち」レベルのカードになっている。
元々デュエプレのアポロといえば赤白だったが、現在はカードプールの変化を受けてリースカラーが主流となっているようだ。
ライゾウでは採用されなくなった《コッコ・ルピア》だが、こちらでは《センチネル》など軽量ドラゴンを展開していくのに都合が良いため採用されている。
色分けを行うと以下の通り。
低コストにオリカが固まり、高コストに強化組が固まっている。《バルケリオス》のGゼロ範囲が実質的に広がっているため強化されてはいるが、このデッキでは関係ないので一応修正無し扱いとした。
《ボルシャック・バディ・ドラゴン》がスタン落ちで使えなくなったものの、展開の要の《センチネル》、《アポロ》をサーチできる《ヘリオライズ》の二大オリカに、豊富な新規ドラゴンサポートが合わさるためデッキパワーは十分。ライゾウ同様、当時なかった防御Sトリガードラゴンが複数実装されているのも嬉しい。
《ボルグレス・バーズ》は《アポロ》がサーチできるようになった上、マナ回収してもマナが減らないという大幅な強化を受けている。
【カウンターHDM】
デッキのほとんどをトリガーで固めたHDMをフィニッシャーにしたデッキ。
TCG時代にこのようなデッキが使われていた記憶はない。ビートダウンが弱くガンメタを貼っても効果が薄いこと、トリガーの質がデュエプレより低いこと、ハンデスに一切の耐性が無いことなどが原因だろう。同じ理由で天門もトーナメントシーンでの評価は低かった。
色分けするとこの通りになる。
《ヘヴンとバイオレンスの衝撃》はTCG版だと場にエンジェル・コマンドがいれば盾送り、ドラゴンがいれば7000火力というもので非常に使いにくかったが、デュエプレでは場が空でもどちらか好きに選べるため汎用トリガーとして様々なデッキに採用されている。
《ビューティシャン》は基本性能はほぼ変わっていないが、マナシステムの恩恵が大きすぎるので強化扱いにした。TCGだとODの青2枚+黒2枚の色拘束が厳しく、ドロマーカラーのコントロールに1枚前後入れる人がたまにいた程度だった。
弱体化要素としては、《ベガ》はシールド追加に枚数制限が加わり、《サーファー》は自クリ選択不可になるバウンス共通のもの。
正直、デッキの大部分が汎用トリガーで構成されているためあまり語ることがない。
【バイオレンス・フュージョン】
デュエプレオリカ《バイオレンス・フュージョン》を軸にしたデッキ。オリカなので当然このデッキもTCGには無い。
類似するカードとして未来のカードではあるが《ゴッド・サーガ》がある。
呼び出せるゾーンはマナゾーンのみ、数も2体までと、《バイオレンス・フュージョン》と比べて明らかに見劣りする。特に《ヘヴィ》《デス》《メタル》を1枚で完成させられるかどうかは大きな違い。
デッキとしては2体完成で高い制圧力を発揮する《ゼン》+《アク》をベースとした4色型か、それにH(D)Mを加えた5色型があっただろうか。
元々ファンデッキだったが、《大地と永遠の神門》が登場してからは更に立場が厳しくなっていった悲しいカード。
デュエプレ版ではこのようなレシピになっている。
基盤は5色コンであり、採用カードもそちらとあまり変わりがない。フィニッシャーの枠が《クリスタル・フュージョン》+《バイオレンス・フュージョン》+ゴッドになっているのが大きな違いで、他のデッキにも言えることだが、デュエプレの仕様ではゴッドが非常に高い汎用性を持つため、大量搭載してもあまり問題にならない。
TCGの《ゴッド・サーガ》デッキでは《クリスタル・フュージョン》の重要度はそれほど高くなかったが、これは踏み倒し上限が2体まででマナを過剰に増やしてもそれほどメリットが無いこと、《イントゥ》やナーフ前の《セブンス・タワー》といった使いやすい複数ブーストカードがあることなどが理由だろう。
色分けをするとこの通り。基盤が5Cコンなのでこれも書くことがない。
【赤緑速攻】
戦国編当時、最強の速攻デッキだったと思われる赤緑速攻。
赤の2コストは《ファルゲン》以外似たりよったりなのでお好み。
デュエプレではこの通りになっている。
TCG版とよく似ている。原作に非常に近いという点でかなり異質なデッキである。
TCGではマナ進化との相性で《モスキート》の枚数を減らされやすかったが、デュエプレでは《ポレゴン》スタン落ちで1コスクリーチャーが不足するためか4投。実質1コストのばらまき要員として《ナスオ》の採用も。
同じくスタン落ちによってブロッカー対策の《火炎流星弾》や《ボルカニック・アロー》《ピーカプのドライバー》を採用できないため、強化を受けた《デュアル・スティンガー》が採用されている。
また、パワー1000で固定のクリーチャーが計12枚と、TCGに比べてパワーラインより速度や展開力が重視されているように見受けられる。《青銅》《双月》を採用するデッキがほぼいないことと、《地獄スクラッパー》の採用率が非常に低いのが原因だろうか(《タイガーグレンオー》があるはずだが)。
他のデッキと比べてあからさまに魔改造されたカード・新規カードが少ない。《モッフル》だけ現代デュエマのカードであるため異様にハイスペックだが、それ以外の主力カードの使用感はTCG版とほとんど変わりない。
終わりに
よく「デュエプレは紙より高速化している」と言われたり「紙だとこんなカードが強い(とされていた)の!?」と驚かれたりというのを目にするので、現在のデュエプレのカードプールがTCGの頃とどれだけ違うのかを調べようと考えこの記事を書いた。
結論としては、TCG版デュエルマスターズとデュエプレは全くの別物であり、仕様変更やスタン落ちも含めてTCGの頃のカード評価はあまり当てにならないと言って良い。
デュエプレはこれから神化編に突入する。TCG版では青単速攻・黒緑速攻が既存の速攻デッキを駆逐してしまったが、青単は《鬼面城》が弱体化され《パラダイス・アロマ》はスタン落ち予定、黒緑は《ボーン・スライム》《ポレゴン》etcがスタン落ちしている。
また、《星域》登場後に後期環境のトップメタとなった《キリコ》も、《アマテラス》の探索化による大幅な弱体化など各仕様変更と環境の高速化により、仮に《星域》を獲得したとしてもTCGの頃の強さは発揮しづらいと思われる。
ここからどういった歴史を歩むのかは全く予測が付かない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?