ビタミンクエスト~行きばたりバッチリなブログ ~ vol.1
【はじめに】
このnoteに辿り着いてくださりありがとうございます。コラボレボレーションのようなブログをはじめることになった経緯を少しお伝えさせてください。
「日々移動してるとインプットが多くて、書きたいことはたくさん溜まっていくのに、筆無精で出せてない…」という相談をSocial Change Lab合同会社・代表の種市 慎太郎さんとのお茶会で口にしたところ、サポートをいただけることになりました。その形として、本企画のブログがはじまりました。(ほんとに困ってたので、手を差し伸べていただき感謝です🥲)
この内容は、会話相手が種市さんだからこそ引き出されるビタミンの一面だったなと感じています。そのような意味で、種市さん、ライティングのモモさん、私たちと時間を過ごしてくれた友人たち、すべての繋がりから生まれたブログ作品として積み重ねていけたらと思っています。
ビタミン 高松&タカナシ
ビタミンクエスト〜行き当たりバッチリブログ〜、始まります!
自分とは何者なのか?セカイと自分の間で人生クエストするビタミンの2人。
固定の家を持たず、旅暮らしをしているビタミンの代表取締役の2人の様子を旅の紀行のようにお届けするマガジンを始めます!
このシリーズでは、Social Change Lab合同会社・代表の種市 慎太郎さんと二人が毎月の出会いや学びをシェアし合う中で生まれた会話を、インタビュー形式で書き起こしていきます。
二人は今、どんなことを考えているのか?今日はどんなことをしたのか?皆さんにお届けすることで、新たな何かとの出会いや学びのきっかけとなれば嬉しいです。
▼ビタミンの代表二人は何者なのか?どういった経緯で旅暮らしをしているのか?はこちらから
今月の行き当たりバッチリ~ビタミンの本棚~
種市:毎月日本中を飛び回っているお二人ですが、お話をしているといつも新たな本をご紹介してくれるイメージがあります。お二人が今月行き当たった書籍はありますか?
タカナシ:今月はとにかく人に会いまくっていたためあまり本を読めていないのですが、柄谷公人先生の新著・『力と交換様式』がとても面白かったです。哲学のノーベル賞とも呼ばれる『バーグルエン哲学・文化賞』を受賞された方の本ですね。
高松:最近はずっとこの話をしているくらい影響を受けています。
タカナシ:専門的な哲学とまではいかないけれど、世の中で感じている生きづらさや違和感を言語化するのには、やっぱり哲学って素晴らしいと思うんです。
種市:本の概要を見てみたのですが「交換様式Dを探る」...?すぐには読み解けなさそうな内容ですね。
『力と交換様式』には、社会のシステムを交換から見た4つの「交換様式」がもたらす「観念的な力」について書かれており、その過程でカントやマルクスといった学者たちの思想を全部網羅した上で、問いが投げられているんです。
▼こちらのインタビューがわかりやすく解説されていておすすめです
タカナシ:今年で82歳になる柄谷先生が本書を書かれたことに「この人は最大の問いを残して、人生を終えようとしているんだ」と衝撃を抱きました。
交換様式Dとは、柄谷先生が「未来社会の原理」だと仰っている贈与と返礼の互酬(交換様式A)を高次元で回復した形の交換様式のことです。まだ実社会に「これだ!」と言えるものは存在はしておらず、僕らもDとは何なのかを模索しています。
向こう7年のテーマは「サンタクロース」
種市:ここまでタカナシさんと高松さんに『力と交換様式』が刺さったのには何か理由があるのでしょうか?
タカナシ:不思議なのですが7年周期で人生の変遷があって、今年がその節目、これからどういうテーマで生きていこうか考えていた昨年のクリスマスに、1947年に制作された「三十四丁目の奇蹟」観て号泣してしまい、これだ!!と感動してしまったんです。
高松:この映画はサンタクロースの存在を巡った騒動が描かれているクリスマスストーリーなのですが、ここに描かれる人々の心の中にある「サンタ性」に我々は感化されてしまったという。サンタ性を言語化すると陳腐になってしまいそうな怖さがあるのですが、「ピュアさ」の周りにあるような感覚なイメージかもしれないです。
タカナシ : 僕的に『力と交換様式』のDとリンクするところがあって、映画と本という別々のところからシンクロが起きたことにも感動してしまって、この先7年のテーマはサンタ性であり、Dでもあると至ってしまったんです。
種市:なるほど!見て感動した映画の伏線を回収しているからこそ、より刺さっているんですね。
高松:子供が信じるものや純粋に「いい」と言えることが、資本主義と絡む......サンタクロースは一方的に願いを叶える贈与的なものではなく、資本主義にも則っている......ピュアな心で資本主義をやる......そんな「サンタクロース性」と交換様式Dについて、今日も想いを巡らせています。
今月本棚に追加された、バッチリな本たち
種市:他に、今月読まれた本で印象的だったものはありますか?
タカナシ:ライトなものだと、友人に推薦された『世界はフムフムで満ちている 達人観察図鑑』という本は名著でした。いわゆる職業紹介本のようなものなのですが、1ページ400文字程度ですべての職業や人が紹介されていて...... 文体としても、非常にやさしい世界観にまとまっています。
種市:「88人の達人に会って、88回キュンとした実録集」...いいですね!
高松:読み終わって顔をあげた時に世界と人々が愛おしくなるような本で、作者の金井 真紀さんの眼差しのあたたかさが伝わってきます。
タカナシ:あとは、田坂広志さんのブームもきています。まだうまく言語化できていないので、この話は来月にでもお話させてください。(笑)
人に会いに行く旅、今月の出会いは。
種市:ここまで思想の世界に寄った出会いのお話をしてきましたが、お二人はとにかくたくさん「人」に会っている印象もあります。
高松:そうですね!私達は旅をしながら生きていますが、最近は「場所を目指してどこかに行く」というよりも「人に会いに行く」を目的に旅をしていることがほとんどなんです。そのため、とても非合理な移動になっていることもありますね。(笑)
種市:なるほど!今月はどのような方にお会いしましたか?
タカナシ:今月のビタミンは、私達がこれから長い時間をかけて社会でギフトをする ——三十四丁目の奇蹟に準えるのであれば、サンタクロースを社会に実装するときに—— 一番はじめにやることは何なのか?誰が一番困っているのか?ヒアリングするために動いていました。
高松:エンジェル投資家の方に会いに名古屋に行ったり、スタートアップ界隈の方にヒアリングをしに仙台や沖縄に飛んだり。
もちろん東京でもフィンテック関係の方にお話を伺ったり施設運営者の方と打ち合わせをしたりと、いろんな人に今の現状をお伺いして、相談に乗っていただくことを繰り返す日々でした。
種市:ビタミンとして今できることを、パートナーの皆さんと模索しているんですね、何か手がかりになることや気づきはありましたか?
高松:そうですね。ここ1ヶ月ほどさまざまな方に出会って価値観がアップデートされてきたのですが、そんな私たちのスタートアップへの関心は今、「成功するかどうか」よりも0→1に挑戦する人たちがもつ「エネルギーや起源」そのものに移行中です。
タカナシ:必ずしも想いがスタートアップとして成功しなくても、死ぬときにすごく貴重な思い出みたいになっていれば嬉しいですね。
高松:正直なことをお話すると、いま私たちはサンタクロースをする対象も手段も「選択肢が多すぎてカオス」になっています。サンタ性を広げたいその姿勢で、どんな選択をするのが一番良いのか悩んでいる状態です。
本当であれば皆さんに協力したいですし、実際私たちは皆さんからお話を聞くと誰にでも協力してしまいたくなるのですが、金銭面や時間を考えるとそう上手くはいきません。気持ち的にワクワクするのは選択肢Aだけど、有限性を考えると選択肢Bがベターだ......そんなジレンマにも頭を抱えています。
種市:たしかに。経営に携わっている身として共感します。では今は、気持ちと資本主義の交点を探してるということでしょうか。
高松:はい。交点はきっとどこかにあるはずなのですが、今はまだはっきりと見えません。ここまできちんとマージのポイント探しをするのは、人生でも初めてのことかもしれないです。
だからこそ、今はあれこれ動いてみよう。実業家の勝間和代さんの言葉をお借りするのであれば、「迷っても動く、迷わなくても動く」マインドで引き続き来月も旅をしたいと考えています。
バッチリな出会いを通じて得た学びは??
種市:たくさんの名言が飛び出してきて楽しいですね!「サンタ性」はこれからのお二人にとっても重要なキーワードになりそうな気配を感じました。
高松:そうですね。ここに向き合う際のカギとして、先日友人が話してくれた「ライスワーク」と「ライフワーク」の話が印象に残っていて。
「ライスワークの選び方として、仮にそれが自分のお金や社会のためにならなくとも、その過程で学びが得られることには取り組むべきだし、取り組んでみたいと思っている。」と言っていたんです。
タカナシ:ライスワークは必ず社会的成功に繋がるとは限らない。その過程で自分は学びを得られる確信があるのであれば、それは良きライスワークとなる。
これこそがまさに、ライスワークの定義であり、上で述べた気持ちとキャッシュの狭間でバランスを取るポイントとなってくるのではないかと考えています。
タカナシ:さまざまな選択肢の中で悩んでいる私たちなりに動き続けながらも、
思想や文学流の言葉でいうのであれば「南方曼荼羅の翠点」
経営流の言語でいうのであれば、「マージするポイント」
を探していきたいところです。
来月、何する??(来月の問い)
種市:なるほど。ご友人の話とサンタ性の話のリンクが2通りの言葉で説明できるんですね!コンセプターのタカナシさんと、経営に長く携わる高松さんらしいです。来月はこれらの問いに向き合うために動く予定ですか?
タカナシ:そうしたいと思っています。
高松:ただ、具体的な予定に落とし込むつもりはないんです。私たちは、マガジンのタイトルにも入れた「行き当たりバッチリ」つまり、偶発的な出会いの先にある幸せやセレンディピティを大切にしていて。
1週間から2週間をかけて九州中のスタートアップやスタートアップ支援家の方にヒアリングやインスピレーションの交換をしに行く予定ですが、あまり詰めずに行きたいなと。
種市:たしかに、予定をどこまでコントロールできるかは思考を巡らせる際に重要ですよね。
高松:1月は自分達にしては詰め込んだスケジュールで動いたのですが、そこではたくさんの気づきを得られた反面、思考の潜り方が浅くなったことで、自分達の性質が改めて分かったんです。
もちろんスケジュールを詰め込む時期もあるのですが、いま目の前にいる人や状況が発しているシグナルに気づけない自分が好きではないんです。だからこそ、時間の使い方は意識を向けていきたいなと感じています。
種市:余裕をもった日常で思考を巡らせたお二人と、また来月サンタ性や交換様式Dの話ができるのが楽しみです。物理世界でも思想世界でも、いい旅になることを祈っています!
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ビタミンの足あと
朝起きたらshintaさんのピアノと、空間すべてが美しくて思わず撮影してしまった、多幸感極まって感動したり↓