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リモート時代のIT資産管理、日本の企業はどう取り組めばいい?

皆さんは、いつもどこで仕事をしていますか?

リモートワークやハイブリッドワークが急速に広まり、自宅やコワーキングスペースなど、オフィス以外の場所で仕事用のパソコンを開く機会も少なくないでしょう。フレキシブルな働き方が広がる一方で、企業にとっては、従業員が使用するITツールやデバイスの管理がこれまで以上に難しくなっています。

そうしたなか、企業はどのようにしてパソコンなどのIT資産を効率よく管理し、リスクを最小限に抑えればよいのでしょう?

今回は、日本の企業の課題を踏まえながら、リモートでのIT資産管理がなぜいま必要なのか、どうすれば大切なIT資産を守れるのか、そのソリューションについて考えます!


リモートワーク時代のIT資産管理とは?

パソコンやサーバー、ソフトウェア、IoTデバイス、ネットワーク機器、モバイル端末など、企業が所有するIT資産は多岐にわたります。

IT資産管理とは、そうしたハードウェアやソフトウェアを一元的に識別し、追跡・管理するプロセスのこと。IT資産管理のニーズは世界的に高まっており、アイルランドの調査会社「Research and Markets」の調査によると、世界のIT資産管理市場は2023年に137.7億米ドルに達し、2029年までに年平均成長率(CAGR)12.85%での成長が見込まれています。

リモートワークが普及する現代では、オフィス外にいるときでも効率的にIT資産を管理・追跡できる仕組みを整えることが重要です。企業のIT資産は、「計画」「調達」「配備」「運用」「監視」「廃棄」のライフサイクル全体で適切に管理される必要があります。

<IT資産のライフサイクル>

①計画(Planning)
どのようなIT資産が必要かを評価し、要件や予算、資産の目的を定める段階。どの部署で使うのか、どのような機能が必要かなどを確認し、資産の種類や数を見積もります。

②調達(Procurement)
必要なIT資産の購入やリース、またはそのライセンス取得をする段階。調達の際には、コストや提供元、サポート内容、ライセンスの条件などを考慮します。

③配備(Deployment)
IT資産をユーザーに配布する段階。配備時に必要なセキュリティ設定を行うなど、安全かつ効率的に利用できるように準備します。

④運用(Operation)
IT資産が日常業務で使用される段階。使用時のパフォーマンスを最適化し、定期的なアップデートやライセンス管理を行い、適切に管理することでIT資産の寿命を延ばします。

⑤監視(Monitoring)
正常に稼働しているかを継続的に監視する段階。パフォーマンスやセキュリティの状態を確認し、リモートでのパッチ適用やセキュリティの更新によって最新の安全性を保ちます。

⑥廃棄(Retirement)
使用が終了したIT資産を安全に処分する段階。廃棄時にはデータを完全に消去し、再利用できる部品はリサイクルすることで、安全かつ環境に配慮した処分を行います。

リモートワーク下では、従業員がさまざまな場所からIT資産にアクセスするため、すべてのIT資産を「見える化」して、セキュリティリスクを最小限に抑えることが大切です。

IT資産を見える化することで、企業の管理者はソフトウェアライセンスやハードウェアの状態、ライセンスが過剰に使われていないか、不足していないかといった状況を一目で把握できるようになります。その結果、リソースを効率よく活用することができ、長期的なコスト削減にもつながります。

シャドーIT、古いインフラ……IT資産管理における日本企業の課題

そもそも、日本の企業は、IT資産管理においてどのような課題を抱えているのでしょうか。

まずは、シャドーITのリスクがあげられます。

シャドーITとは、IT部門など、企業のIT資産を管理する部門が承認していないデバイスやアプリケーション、クラウドサービスなどのことをいいます。従業員が個人のスマートフォンやタブレット、ソフトウェア、無料のクラウドストレージなどを業務で利用するのも、その典型的な例です。

また、複数の拠点にまたがるIT資産の統合管理の難しさや、老朽化したITインフラのアップデートの遅延なども課題としてあげられます。

とくに日本では、各拠点が独自のシステムやプロセスを採用していて、統一した資産管理が難しいケースも少なくありません。また、古いシステムやハードウェアを使い続ける企業文化も影響して、最新のIT管理ツールやセキュリティ対策が遅れがちな傾向もみられます。

企業はIT資産をどう守ればいい?

では、ライフサイクル全体を通じて、企業はどのようにして大切なIT資産を守ればよいのでしょう?

まずは、継続的な監視とメンテナンスが欠かせません。オフィス外で稼働しているものも含め、IT資産の目録となるインベントリを作成してデータを一元管理し、どの資産にいつメンテナンスが必要か、更新のタイミングはいつかを把握することが大切です。

そのソリューションとなるのが、リモートでのIT資産管理を可能にするツールです。リモートIT資産管理ソフトウェアを導入することで、遠隔でもパッチ適用やソフトウェア更新が可能になり、セキュリティリスクを抑えられるようになります。

とくに、シャドーITのリスクを減らすためには、ネットワーク内のすべてのデバイスの状況を把握し、不審な動作が検出されたときに素早く対処できる仕組みが求められます。

リモートIT資産管理ソフトウェアで一元管理を実現!

リモートIT資産管理ソフトウェアに期待されるメリットとしては、おもに次のようなポイントがあげられます。

①シャドーITのリスクの軽減
未承認のデバイスやアプリを監視・検出し、リスクを最小限に抑制。セキュリティとコンプライアンスを向上させます。

②複数拠点にわたるIT資産の統合管理
拠点ごとに異なるシステムを一元管理して、IT資産の「見える化」を実現。資産状況を正確に把握することで、リソースの無駄を減らします。

③老朽化したインフラへの対応
旧式のインフラに対応しながら、最新の環境への段階的な移行が可能に。現状を活かしつつ、より効率的な管理を実現します。

④セキュリティ対策の強化
場所を問わないパッチ適用や更新で、セキュリティを常に最新の状態に。リモートワーク時の脆弱性を減らし、攻撃への備えを強化します。

⑤管理業務の効率化
ライセンスやデバイス管理を自動化し、業務負荷を軽減。戦略的な業務に集中できる環境を整えます。

リモートIT資産管理ソフトウェアはどう選ぶ?

さて、リモートIT資産管理ソフトウェアはどのように選べばよいのでしょうか。おすすめは、以下の機能を備えたソフトウェアです。

①資産インベントリ機能
すべてのIT資産を一元管理し、どこに何があるのかを簡単に把握できる機能。

②ネットワーク検出機能
シャドーITも含め、ネットワーク上のすべてのIT資産を自動で検出する機能。

③レポート生成機能
必要なデータを自動でレポートにまとめ、監査や意思決定をサポートする機能。

④パッチ管理機能
OSやソフトウェアのパッチをリモートで一元配布し、セキュリティを強化する機能。

⑤統合機能
ほかのツールやシステムとスムーズに連携できるアドオンやAPIを提供し、統合する機能。

TeamViewerにできること

TeamViewerの資産管理ソリューションは、日本の企業が抱えるIT資産管理の課題に対応した設計になっています。たとえば、IT資産のリアルタイム監視やリモートメンテナンス、異常検出のアラート設定など、分散するIT資産を一元管理するための機能を備えています。

また、ソフトウェアパートナーであるLansweeperとの連携により、インベントリ管理がさらに強化され、デバイスやソフトウェアの状態をリアルタイムで把握できるようになりました。これにより、迅速なメンテナンスやパッチの適用が可能となり、セキュリティリスクを最小限に抑えられます。

さらに、シャドーITのリスク軽減やコンプライアンスの遵守に貢献し、企業全体のセキュリティ向上にも役立ちます。また、幅広いオペレーティングシステムに対応しており、古いシステムやハードウェアを使用している環境でも利用可能です。既存のインフラを段階的に最新の管理環境へ移行できるため、現状のインフラを活用しながら管理体制を強化できます。

TeamViewerの資産管理ソリューションの詳細は、以下のページでご確認ください。
https://www.teamviewer.com/ja/special/better-together/

今回は、リモートIT資産管理の重要性と有効なソリューションについてお伝えしました。

次回もどうぞお楽しみに!