アプリが多くて効率ダウン? スムーズな業務を実現する「IT統合」とは
さまざまな仕事をオンラインで行えるようになり、業務アプリを使う機会も増えているのではないでしょうか。ところが、便利になったはずなのに、複数のアプリを行き来することで「年間で約5週間もの時間が無駄になっている」との報告も!
本末転倒のこの状況の改善に有効とされるのが、ITの「統合」です。実際に、monday.com株式会社が行った調査では、対象となった日本のワーカーの7割以上が「業務で使用している複数のアプリを1つにまとめてほしい」と回答しています。
企業にとっても、ITの統合は大きな意味をもちます。人材の確保がますます難しくなるなかでは、いまいる従業員の生産性を上げるアプローチが不可欠だからです。そして、この生産性向上の前に「アプリ多すぎ問題」が立ちはだかっています。
こうした課題を解決するために、ITの統合がどんな役割を果たすのかを一緒に考えてみませんか?
アプリが多すぎて業務が非効率に
McKinsey & Companyの調査によると、日本が現在のGDP成長率を維持するうえでは、生産性を2.5倍向上させる必要があるといいます。また、その実現には「業務の自動化」が必須との指摘もみられます。
リモートワークが広がり、いつでもどこでもオンラインで仕事ができるようになったのは大きな前進です。リモートワークの普及と同時に、コミュニケーションアプリやタスク管理アプリ、資料共有アプリなど、便利なアプリも導入されました。
業務アプリは、本来は業務を効率よく行うために導入するものです。ところが、オフィスで使用されるアプリの数は増え続け、日々の業務をかえって複雑にしています。
Salesforceの「IT最新事情 第3版」によると、企業が使用するアプリの数は、わずか2年間で26%も増加しました。それなのに、それらのアプリが連携している割合は横ばいのまま改善されていません。
「アプリ多すぎ問題」は三方悪し
いくつものアプリを行き来して業務を行うことは、従業員だけではなく、顧客、そして会社全体にデメリットを招きます。「三方よし」ならぬ「三方悪し」になってしまうのです。
従業員の負担が増える
前述のように、オフィスワーカーはアプリを行ったり来たりすることで、年間で約5週間を無駄にしているという調査結果が明らかに。この調査によると、従業員は日常業務をこなすために、平均14個のアプリを行き来しなければならないといいます。
「あの情報はどのアプリに保存したかな……?」と、情報のありかがわからず困った経験はありませんか? アプリの通知が増えてストレスを感じたり、大事な更新を見逃してしまったりしたことのある人も少なくないかもしれません。
顧客の満足度が下がる
いまや、顧客とのやり取りの72%がデジタル化されているとの報告もあります。顧客にはバックグラウンドでアプリがいくつ動いているかは関係なく、シームレスな顧客体験を期待しています。アプリが連携していなければ、顧客体験の質が下がり、満足度が低下してしまいます。
社内で情報の分断が起こる
部署やチームごとに異なるアプリを使用することでデータが分断され、「サイロ化」が起こって、コミュニケーション不足やチャンスの損失につながることも。MuleSoftとSalesforceが実施した調査では、81%もの人が「データのサイロ化がデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを妨げている」と回答しています。
「アプリ多すぎ問題」の解消につながるITの統合
この「アプリ多すぎ問題」を解消するには、ITの統合が有効です。では、日本の企業はどのような「統合戦略」を行えばよいのでしょう?
ITの統合戦略とは、社内で使用されているアプリを効果的に連携して、業務をよりスムーズにする取り組みのこと。とくに便利なのが、ひとつのプラットフォームから必要なすべてのアプリにアクセスできる手法です。
目的のアプリに簡単にアクセスできるのはもちろん、アプリ同士が連携できることも重要なポイント。アプリの統合により、次のようなメリットが期待できます。
アプリの切り替えやデータの転記などの無駄な時間を減らせる。
情報の分断がなくなり、よりスピーディーに情報を共有できる。
経営判断に必要な情報が可視化され、意思決定を迅速に行える。
チームのパフォーマンスを把握でき、サポートが必要な箇所がわかる。
ナレッジが蓄積され、業務の質と効率が高まる。
重要な更新の見逃しを減らせる。
ワークフローが可視化され、業務の属人化を防げる。
TeamViewerにできること
TeamViewerは、あらゆる場所、あらゆるデバイスから安全で迅速にアクセスできる、リモートサポートソリューションを提供しています。SalesforceやMicrosoft Teamsといった業務ツールとの連携も可能です。
いつも使用しているアプリとのシームレスな統合により、効率的かつスムーズな業務環境を実現します。TeamViewerのソリューションを導入することで、目的のアプリに簡単にアクセスできるようになり、アプリ同士が相互に連携されて総合的な管理を実行できます。
世界のグローバル企業、コングロマリット、中小企業が、日々の業務にTeamViewerの統合機能を活用しています。このアプリ統合機能は、従業員や顧客、会社全体に次のようなメリットをもたらします。
従業員の負担を軽減
必要なときに迷うことなく目的のアプリにアクセスできるため、時間の浪費がなくなります。部署の仕事内容やプロジェクトの目的によっても、使用する業務アプリの種類は変わってくるでしょう。アプリを統合し、お気に入りのアプリをつなげることで、仕事のやりやすさはそのままに、生産性が向上します。
顧客の満足度がUP
アプリが統合されれば、システムごと、業務ごとに散らばっていた顧客情報を集約することができます。顧客の最新情報を社内の誰もがすぐに確認できるようになり、適切な対応を素早くとれるようになって、顧客満足度が向上します。
社内データの分断を解消
アプリの統合により、データを迅速かつ簡単に共有できるようになって、データのサイロ化が解消されます。必要な情報を探すためにいくつものアプリを行き来したり、同じ情報を複数のアプリに再入力する手間もなくなります。
業務アプリは「導入」から「統合」のフェーズへ
リモートワークが普及し、企業は便利なアプリを次々に導入してきました。これからは、そうしたアプリを統合し、うまく連携させることで、業務の効率化を図るフェーズです。
オフィスワーカーは、必要な情報を探して迷子になったり、最新の情報や進捗を共有するためにビデオ会議に長時間を費やしたりすることに飽き飽きしています。日々の業務の小さなストレスの芽を摘むことは、従業員のエンゲージメント向上にもつながるはずです。
アプリを統合し、あらゆる情報に簡単にアクセスできる環境を整えて、ほかの意義のあるプロジェクトに活用できたかもしれない約5週間の無駄な時間を取り戻しましょう!
今回は、生産性向上のために企業が行いたい「ITの統合戦略」についてお伝えしました。
次回もどうぞお楽しみに!