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「元々不適合者なんだから、十分がんばってるよ」
平凡な人生に、突き刺さったことばたち⑦
平凡なサラリーマンの私にも、人生の中に、忘れられない強烈な言葉たちがある。それを、エピソードと共に書いていくnoteです。書き溜められたら、記念の本にしよう。
【元々不適合者なんだから、十分がんばってるよ】
今年は本当に仕事が忙しくて、働き始めて十数年の中で、トップ1.2の多忙さだった。
業務量が多いのに加えて、新しいプロジェクトが立ち上がり、正解がない中で、管理職として、決定して、部下に指示して、管理職の顔をする。
朝も就業時間の1時間以上前から作業。夜は終電。残業は月100時間を何度超えたことだろう。とんでもないパワハラ上司や、関わる人全てと揉めるパワハラ部下と、もう本当に何かに祈りたい気持ちでいっぱいの毎日だった(あまりに厳しい毎日で、半休をもらって、縁切り神社で実際に神頼みした)。
あくる日、またいつものように終電で地下鉄に乗っていると、学生時代の友達からLINEが届いた。
「ハンターハンター、連載再開!」
ハンターハンターは、友達も私も大好きな漫画で、今は離れた場所に住んでいてなかなか会えないけれど、会って飲みに行くと、話の中で一回はハンターハンターのネタを挟むくらい好きだ。だから友達がこのLINEをくれたのだ。
「ありがとう!めっちゃ楽しみ。最近疲れ過ぎてやばいから…。」
私は現状を返信する。
そこからしばらく他愛もないやりとりを続けていると
「LINEでも分かるくらい疲れてるやん。」
と返事が来る。文字で分かるくらい疲れてるのか。
「残業しまくりだし、なんかそもそもずっとそうだけど会社いるだけで疲れる。」と返す。
すると友達から
「元々社会不適合者なんだから、働いてるだけで十分頑張ってるだろ、◎◎は(私の名前)。」と返信が来た。
胸に沁みるというか、刺さる一言だった。
そうだ、忘れてたけど、私の元々、根幹が、マジョリティとはたぶん違うのだ。会社で働いてるだけでなんか違和感があるし、でも、世の中色んな人がいるんだから、それは仕方ない。
病気になる人もいれば、他人を蹴落としてしか自分を誇示できない人もいる。普通に働いて、普通に結婚して、普通に家庭を築いて、でもその普通ってなんなんだ。
私は働いてるだけでものすごくしんどいし、管理職って顔はしたくない。すごく無理をしている感じがする。
でも、仕事だから一生懸命やるし、一緒に仕事してるメンバーは、ピンチの時こそ自分が前に出て助けるようにしている。めんどくさいことほど、絶対引き受ける。
でも、本当は一人で、仕事なんかせずに、旅して、ぶらぶらして、なんとなく生きたい。
でも、なんとなくじゃ、生きていかれない。
だからがんばる。
自分の元々のルーツを忘れていた。学生時代から、ずっと何か生きづらかった。
そうだ、だから、今会社に行って、役職者の顔をして、仕事をこなしているだけで、十分偉いのだ。
もし、失敗したり、道を外してしまっても、それは世間から見たらダメなのかもしれないけど、ある意味、仕方ないのかもしれない。よくやっているのかもしれない。不適合者地点から見ると、今は偉すぎるくらい偉い。それを分かってくれている人が、いたのだ。
ふっと体が楽になる一言だった。
毎日頑張ってる。でも、だらけてたって、それもいい。間違えても、やっちゃいけない事でなかったら、たぶんいい。こどもに誇れる仕事をしているなら、それはたぶん間違いではない。
私は、十分頑張ってる。頑張ってるよな。