関屋記念 レース展望
暑さのピーク。
こんな時は寒いくらいにエアコンの効いた部屋で、そう煙草を吸いながら競馬予想なんてのが一番贅沢な時間となる。
みなさんこんにちは武田優駿です。
今週は関屋記念、新潟でのマイル重賞。札幌でのエルムステークスが比較的固い馬券に収まりそうなだけに、この関屋記念には大きな期待をしています。
では早速過去の傾向から。
過去5年の関屋記念のラップタイムグラフ。
傾向としては「W字」。テンのスピードによっては道中の速度も多少は変わるが大きな特徴としては「必ずラスト1Fは時計が掛かる」という傾向。
つまりどんなペースでスタートしようと、L2→L1=平均で+1秒以上という傾向にある。
またレースそのもののペースと言う意味では、過去5年で平均ペースが3回後傾が2回で前傾になったことは無い。
そして今回有力馬のステップレースとしていくつか前走のラップタイムグラフを構成したのが下記グラフ。
過去5年の関屋記念では上がりが「L2→L1=平均で+1秒以上」だったのに対し、この各ステップレースで最も差があったものでも都大路Sの+0.9で、次にNHKマイルの+0.7。関屋記念の過去5年では最大が2014年の+1.3であり最少でも2015年の+0.7となる。また2016年から昨年までは3年連続で+1.2と言う「ラスト1F時計のかかる展開」になってきた。
この傾向は特殊。
これだけ完全に一致する傾向も珍しい。「新潟の古馬マイル重賞」と言う特殊なケースだからこそかもしれない。
ただこの「W字ラップ+ラスト1F時計が掛かる」はどこかいつも見ているような・・・。
そう、阪神マイル。コース形態こそ違えど、結果このラップタイムはまさに阪神でのゴール前で坂を超えるようなあのラップ。
新潟マイルは1ターンで大半が直線。しかも3角から昇りも有るのでペースが落ちるのはここから。その後小回り4角を抜ける時は下りへ。ここから徐々にペースが上がり勝負所のゴール前ラスト2Fが最もスピードの出るポイント。平坦であってもラスト1Fはみなバタバタになるのがこの新潟マイルの最大の「肝」となる。これを踏まえ新潟でのマイル重賞関屋記念に向け各馬の歩んできたステップレースを改めて考えてみる。
まず一番人気の予想されるミッキーグローリー。
マイルCS5着以来のレース。この時はほぼ最後方からの競馬で最後は前を捉えきれなかった。しかしだからと言って中段で競馬をしていたらゴール前で前を捕まえられたかは疑問もある。その前の京王杯AHでは55kgにて-ラスト4Fを11.2 - 11.4 - 11.5 - 11.4のラップを捉える形。道中10番手からではあるが早めの進出で長くいい脚をつかっての勝利。この関屋記念のレースラップとはかなりギャップのある所で勝っているという事実。
ケイデンスコールはNHKマイルからの参戦。
この時は最後方から直線一気の2着。ハマッたと言えばそれまでだが上がり3F33.6は出走馬中最高の足を使った。前傾ラップだった事を考慮しても嵌ればこの足を使う事もできる逸材であることは間違いない。ただ関屋記念が前傾ラップになる可能性はほぼ0と言っていい事実。届かずに終わる可能性は極めて高いと感じる。
サラキアは阪神牝馬・エプソムCを使っての今回。
エプソムカップは結果逃げる形での2着。完全なるスローで上がり3Fだけの競馬となった前残りの2着。ここまでスローのペースダウンで先頭を走っての結果だけに、これだけを見ると今回の新潟コースでは厳しい。
またその前の阪神牝馬は出遅れて後方から。レースラップとしては今回の関屋記念のラップに近いと予想されるラップであったが、道中7番手からいいところなく沈んでの10着。こちらも不安要素の方が大きいか。
ソーグリッタリングもエプソムCを使ってここへ。1番人気で臨んだ前走、終始好位の4・5番手を進む展開。最後は出走馬中最速の32.8秒を使うも前の2頭を捉えられずの3着。スローでハナを切る勝馬の上がりが32.7ではとらえられない。ではこれを今回の関屋記念に当てはめてみるとどうなるか。
やや後傾~平均ペース程度で流れることが予想される今回、好位から中段でのレースが可能でしっかりした上がりを使えるか。
その前の都大路S。上記にこの時のレースラップが出ているが参照して欲しい。12.1 - 11.2 - 11.6 - 11.8 - 11.6 - 11.3 - 11.3 - 11.4 - 12.3。
これを道中6・5番手の中団で上がり最速の34.1で後続に1.3/4での快勝。
これほどまでに今回の関屋記念に向いている馬は居ないと確信するデータ。
ちなみにこの時のソーグリッタリングのSPは110。
またミッキーグローリーの前走・前々走は111・110。
サラキアのエプソムC2着が95で阪神牝馬の時が107、ケイデンスコールのマイルCSが110となる。
SPと言う意味では基本能力にそう大きな差もない。
つまりはどの馬にどれだけ有利な展開になるか、これに尽きる気がしている。
その他気になるのはミサノエクシード。中京記念からの参戦パターン、当然左回りのマイルからここへとなると王道なローテーション。
しかも前走は中京の最も伸びないトラックバイアスでは最悪位置をプリモシーンと共に嵌り4着。上がり4Fを11.3 - 11.4 - 11.9 - 12.3と徐々に消耗していくラップパターン。プリモシーンを追いかけたぶん、更に後ろからやられてしまった。足の使いどころに難しい馬ではあるが、どんな相手でもそれなりに結果を残せる実力はある。指数的にも過去3走は109・119・109と、このメンバーでは最高値も出している。
勝ちきるまでは難しいものの常に前を捉えられる位置に居るだけに、川島騎手のコース取り一つかと考える。
今回の関屋記念を分析して非常に大きなポイントは「上がり1Fが必ず+1秒」となる事。そして結果勝馬は常に好位~中段に居る事。
ペースとして前傾は無い事。
これを総合すると答えは1つ。
ソーグリッタリングが最も有利でこれ以上は無い条件となる。
そして逃げ切りや後方一気も考えずらいラップタイム。
今回武田優駿はソーグリッタリングは不動の軸として考えている。
おそらく今回多くのラップタイム分析をしてる人たちがこのソーグリッタリングを推奨すると思う。と言うかもしこれを推奨できない時計理論屋さんは信じない方がいいと感じる。
なぜならこんなミエミエな推奨馬はラップ分析では居ないからである。
ただ最後に1つ付け加えるならば。
自分の時計理論ではラップタイム分析は2番目のファクター。
一番大切と信じてるのはスピード指数、つまりSPである。
あくまでもSP無しにはラップ分析は有り得ない。
時計理論の母はあくまでもSPであり、その上にラップタイム分析があることを皆さんに覚えておいて頂きたい。
サラリーマン馬券師の武田優駿。 ラップ分析を基本としてハイレベルのレースで好走した馬を皆さんに伝える事を宿命と考えています。人気薄馬の激走を見抜く事に全身全霊で挑戦しています。