時計理論から見る ながつきS
皆さんこんにちは、武田優駿です。
秋開催が2週過ぎました。
想定した通りに時計勝負のこの開催、想像以上に時計は早いと感じます。
実際開幕2週の走破タイムだけを見ると「力の要る馬場」と評価している人が凄く多ですが、武田の見解は違います。
時計理論的な観点からこの2週を見つめる限り、基本的に高速馬場。
ただ走破タイムと言う観点から見れば「平凡」な時計が多いため、一見高速馬場には見えない。しかしラップタイムからこの開幕2週を分析すると本来はかなり早いというのが自分の分析です。
これは中山・中京共に同じ傾向で、特に驚くのが中京。
こちらは例年だとこの時期の開催が無かったのでどれくらいの時計になるんだろうと思っていましたが、時計理論的に見つめる限り中京は年間通して最も早いと感じます。これは芝のレースは勿論の事ダートでも同様の傾向で、良馬場であってもかなり時計が早いと感じます。
さて、ながつきS。
土曜の中山11R、ダート1200mのOPですね。
まず自分がこのレースのメンバー構成見て感じたのは、上越Sを勝ち上がりここに来た「ウルトラマリン」と、NST賞組との力関係。
これの比較無しではこのレースは語れない。
つまり上越SとNAT賞のレースレベルはどちらが上なのか。
これがこのレースの答えを導き出す上で最も重要な作業になるだろうと思います。
今回圧倒的1番人気が想定されるウルトラマリン。前走3勝クラスである上越Sを勝ち上がってここに出てきました。このレースあくまでも3勝クラスと言う条件戦。果たしてこの上越Sのレースレベル、今回格上になるながつきSへ通用するものなのか。
そしてまた大半の馬が走ってきたNST賞、こちらはダートのOP戦でありローテーション的な所から見では現行のオープン馬としてはここNST賞から今回のながつきSへとなるのが最もオーソドックスな流れとなりますね。
まず3つのレースラップを見て頂きたい。
昨年のこのレースのラップ、上越S、NST賞と、3つを比較してみます。
昨年のながつきSはゴールドクイーンが逃げて勝っていますが、良馬場でのこのラップでの逃げ切り勝ちですね。(青線)
テン2F目が10.3と非常に早く、短距離ダート戦で良く見受けられる典型的なV字ラップ。2F目以降徐々にペースが落ちて行くのが特徴。
この波形は上越Sも同様。若干のタイム差はあるもののレースの流れとしてはほぼ同様の典型的V字波形ですね。
ただ一点違いがあるとすれば2019年のながつきSはこの波形でゴールドクイーンは逃げ切り勝ちで、ながつき賞のウルトラマリンは4番手からの差し切り勝ちと言う点ですね。
そしてNST賞。こちらの特徴としてはL2で再加速している事。
スタート後のラップは比較的緩めに始まったものの、その分L2L1を見ても分かるように上越Sや昨年のながつきSと比較してかなり早い事が分かります。
・V字波形
・W字波形
同じ新潟ダード1200mと言う条件。しかしレースラップはこれだけ違う。
このラップタイムを良く頭に入れた上で、更にレースを検証してみる。
自分が今回のながつきSで最大のポイントと感じている事。
それは1番人気が予想されるウルトラマリンの前走。
この前走上越Sのラップを頭の中に入れて何度も何度もVTRを見ました。
1枠1番のウルトラマリンの通過したコース、それはほぼインベタの最短距離。レースVTRを見るだけだと勝ったウルトラマリンが物凄く強く見える人が大半でしょう。
しかしこの上越S、3勝クラスにしては相当ハイペース。
前を行く3頭を見ながらやや離れた4番手。
*ここがポイントになります
好位で競馬するウルトラマリンにとって、このシュチュエーションをどう受け取りますか?
絶好の展開。
前がガンガンやりあっての離れたイン4番手。
これほどまで楽な展開は無いと自分は思います。
しかも自分はスタートから終始インベタの最短コース。
前がガリガリやりあっているものの、ウルトラマリンは自分のペースで楽にそれを見ながら行ける展開。これ以上の条件は無い。
前があれだけやり合うことが無ければ、自分自身もその先頭集団の中に巻き込まれている可能性は大きく、しかも最内で出るに出れないポジションにいたかもしれない。
つまりウルトラマリンにとっては本当に理想的に楽に最短コースをロス無しで競馬が出来ている状況。
そして4コーナー回ってそろそろエンジンを掛けるというタイミングで勝手に前がバテて行くパターン。上がり3F11.8 - 12.3 - 13.1ですからね。
L1だけ見ても13.1、ウルトラマリンからすれば普通に走っただけであり特別強い競馬をした訳では無い。
終始最内を自分のペースで楽に競馬し、勝手に前がつぶれただけと言う事なんです。しかしこれをゴール前だけ見ると、いかにも突き抜けた部分だけが見えてしまう為に「強く見える」と言うのが武田の主観です。
もちろんウルトラマリンと言う馬を弱いとは思いませんよ。
しかし世間一般が思うほど強い訳では無いという事なんですよね。
これはこうしたラップタイム分析を用つつ、改めてレース回顧をすると本当に良くわかる。強そうに見えて実際には強くない。
もちろんこの逆にあまり目立たないのに実は凄い競馬をした馬も居る。
・人気の馬が実は大したことない
・人気薄だが本当は前走勝利に紙一重の競馬をした
このあたり見分ける事が出来るかどうか。
これが重要。
実際ウルトラマリンに関しては、おそらく前者。
強く見える勝ち方をすると、ほぼ人気になります。
さてその次に検証したいのがNST賞。
こちらはオープンのレースなので、当然皆3勝クラスを勝ち上がって来て、尚且つオープン馬相手に常に競馬をしている馬達のレース。
このレース勝ったのはヒロシゲゴールドで、逃げ切り勝ち。
2着3着が ヒデノヴィーナス、ルッジェーロと2番手3番手を行った馬達。
ちなみにヒロシゲゴールドは昨年のながつきSでゴールドクイーンの2着した馬でもあります。
NST賞はあまりペースが上がらずに進んだ分、L2で再加速するというちょっとオープンのレースにしてはやや珍しいラップ。
ヒロシゲゴールドが逃げ切り勝ちしましたがペースが遅い分L2で再加速して後続を寄せ付けぬままの勝利。こうなるとこれも前有利だった。
2着ヒデノヴィーナスは先団の3・4番手追走からの2着。前々での競馬が功を奏しての2着。
そして3着にルッジェーロ、4着タガノアムと入選。
そう、評価すべきはこのあたりの馬達。
ペースが上がらずL2で再加速するという流れは完全に前が止まらぬ状況。
そんな中追い込んでこれた馬こそ評価は高くなると感じます。
ここでの上がり最速は
・7着デュープロセス 34.7
・4着タガノアム 35.0
・8着メイショウギガース 35.3
の順となる。
このNST賞で3~8着までの6頭、今回のながつき賞に出てくるのがルッジェーロ。中段から使った上がり3F35.5は勝ち馬に1馬身、2着馬に1/2馬身まで迫る勢いだった。
今回のながつきSの想定人気では5番人気(単勝13倍想定)です。
今回ながつきSを考える上で前哨戦である「レースレベル」で抜けて高いのが上越SとNST賞、ここからの有力候補3頭が
・ウルトラマリン(前走SP値113)
・ヒデノヴィーナス(前走SP値112)
・ルッジェーロ(前走SP値110)
となります。
これ意外となるとほぼ横一線、SP値的にはみな100以下。
【武田の分析結果】
上記すべてを総合して考えた場合、今回1番人気が予想されるウルトラマリンについては人気過剰と感じます。馬券的に切るとまでは行かなくても、自分なら軸で考える事は無いです。
逆にNST賞で好走したヒデノヴィーナスやルッジェーロは人気的妙を考えても期待値は高い。
特に3着したルッジェーロは展開の不向きな中で使った上がり3Fの35.5は大きく評価すべき点だと思います。
武田優駿の時計理論から見る競馬観、それはSP値の高い馬を見つめハイレベルなレースを探し、そしてそれの検証を取る上で更にラップタイムと言うフィルターを掛けて検証する作業。
これが武田のハイブリットな時計理論なのです。
SP値だけでもダメだし、ラップ分析だけでもダメ。
この二つが融合してこそ真の時計理論だと思っています。
自分の中ではこれが究極の時計理論となります。
ちなみにまた枠順は見れていませんし調教時計も確認は取れていません。
しかし時計理論と言う部分から見れば、買う価値のあるレースになると考えて居ます。
ここに自分の持つ調教理論を加え、吟味して行きたい。
まだ馬券購入するかどうかまでは決めていませんけれども。
これが武田優駿の競馬観。
自分はこんな風に競馬予想しているんですよね。
何かのお役にたてば嬉しいです。
それでは明日、がんばってくださいね!
またね。