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日本ダービー 2020

こんにちは、武田優駿です。
5/31(日)東京競馬場にて行われる日本ダービー2020。
15:40発走 / 芝2400m

今年もいよいよこの時が。
いろんなビッグレースが存在する中で、まさに競馬はこれを中心に回っていると言っても過言では無いのがこの日本ダービー。
過去能力とこの日に至るまでの各馬の上積み、あらゆるファクターが求められるのがこの日本ダービー。
実力だけでなく「強運」が必要なレースであると感じます。

皐月賞含め現時点での有力馬。
コントレイル・サリオスのいわゆる2強を中心に、サトノフラッグ・ワーケア・ガロアクリークなどがここに続く感じでしょうか。

今年の明け4歳牡馬のクラッシック。皐月賞を迎える時点で感じた各馬の歩んできた各前哨戦。この中でポイントになるレース、それはやはり2つしかない。
これは3歳時のものになりますが「東スポ杯」と「朝日FS」のみ。
この2つはレースレベルとしては抜けていて、年明けに行われたクラッシックの各前哨戦と比較しても、3歳時の物であるこの2つのレースを超えるものが無い状態でした。

そして皐月賞を終えた4月。さすがにこのレースはレベルが高かった。
しかしそれ以外のダービートライアル等(青葉賞・プリンシバルS・京都新聞杯)を見ても、G1にてサリオスやコントレイルに迫れるような馬は見当たらない。
力関係的な面で言うのであれば「勝負所」での脚としては「1秒」の違いが発生する位違いがあると感じます。

それほどまでに皐月賞の結果は「力差が歴然」です。ここでの3着以下に関してはサリオスやコントレイルを逆転できる、または同等にレースを運べる馬が居ないと感じます。

では皐月賞以外の路線でダービーで活躍できるような馬は存在するのか。

プリンシバルS、青葉賞。
この2つのレースが皐月賞以降の前哨戦としては大きなものになる。
プリンシバルSにて好位から抜け出したビターエンダー。
レースラップが13.2 - 11.9 - 11.6 - 12.4 - 12.5 - 12.5 - 11.9 - 11.0 - 10.9 - 11.9で、どう見てもこれスロー。そのなかで1枠1番で終始インを好位で回り、直線だけ外に。スピード指数的にも「95」であり皐月賞の「112」には程遠い内容。
青葉賞を勝ったオーソリティ。12.3 - 10.8 - 12.2 - 12.6 - 12.5 - 12.5 - 12.2 - 11.7 - 11.6 - 11.6 - 11.5 - 11.5のラップもやはりスロー。そして2枠3番から終始好位のインベタ。4角明けて大外に出すまで時間を要したものの、レースレベルとしては指数「103」で、現時点ではこのからサリオス・コントレイルに迫る馬が居るとは考えにくい。
そして京都新聞杯のディープボンド。12.4 - 10.3 - 11.8 - 11.9 - 11.9 - 12.5 - 12.7 - 12.0 - 12.5 - 11.7 - 12.0の流れで一見は早いペースに見えるも、逃げたシルヴェリオが最下位に沈んだように無謀な縦長の展開。事実上はこのレースの「レースメーカー」は4番手を進んだアドマイヤビルゴで、この馬を基準にペースを考えれば平均ペース。レース自体の上がりが「4F 48.2 - 3F 36.2」にて指数的には「100」で、やはりここからサリオス・コントレイルに迫る馬が見つかるとは感じない。

総合して考えるとこのダービーに向けては、皐月賞「以降」の前哨戦から有力馬を脅かすような馬、私は居ないと感じます。

しかしこの前哨戦以外の路線で唯一気になる馬が1頭。
それは池江厩舎の「アルジャンナ」です。
デビューから2戦目で東京使いをし、東スポ杯でコントレイルの2着。もちろん着差としては離されたが、このレベルの高い東スポ杯で2着したのと、東京コースを使ったという事が非常に大きい。
またこの3歳11月の時点で重賞2着したことにより、クラッシック路線へ向け「無理をさせる必要が一切なくなった」と言う点。賞金的にG2の2着となれば出走権と言う意味では年内の時点で今後の予定が立ったことは間違いない。

年明けにきさらぎ賞3着。問題は次の「毎日杯」ですね。
なぜきさらぎ賞の後に「毎日杯」を選んだのか。
ここが陣営的に最大のポイントとなります。

おそらく陣営池江厩舎としてはきさらぎ賞の走りも見て、最終決断したのが「目標はダービー1本」と思います。2戦目に東スポ杯を選択し、その走りを見る限りは「ジリだが左回りで力を出せるタイプ」でしょう。
案の定、毎日杯を使い「皐月賞を使わない」という判断。
普通なら「きさらぎ賞→皐月賞→ダービー」が定番。これを「きさらぎ賞→毎日杯」とした時点で、陣営の答えは明白。

皐月を使わずダービー一本勝負。

デビュー2戦目の東スポ杯の走りはコントレイルには負けたもののレースレベルも高く、この時点で陣営は相当にダービーを意識したと感じます。
右回りの反応より左回りの方が高く、またコース形態としても大箱の府中はあっている。本来は淀のコースもダメではないが、やはり左回りの方がこの馬の走りを見る限りは良い。

なぜ毎日杯を選択したのか。
この時点で仕上げのピークは「ダービー一本」に決まっていたはず。
皐月・ダービーと2つにピークを作れるほど強い馬では無いです。
しかし得意の左回りで「確実にバテない強み」を活かし切るならば、馬の仕上げも「ダービーだけにピークを作る」という陣営の選択だと思います。

これができるのは
①3歳時にすでに賞金が足りている
②皐月賞を使わないという覚悟が必須
③左回りのコース適性が確実に有るという自信

この3つの要素を兼ね揃えた馬、今回の日本ダービー出走メンバーの中ではこの「アルジャンナ」だけなのです。

非常にジリですがバテる事は無い馬。
上位2頭のコントレイル・サリオスに迫る事が出来るのは、このアルジャンナだけではないでしょうか。

ノーザンファーム生産、しがらき仕上げ。
馬主は吉田勝己氏、そして池江厩舎。
吉田勝巳さんの馬と言うのは大きいですよね。普通なら皐月賞に行く路線を選んでしまいます。しかしこの人の目標は皐月賞に出す事より「ダービーで勝ち負けする」という道を選んだ、という事です。

これは私の憶測ですが、2戦目に東スポ杯を使った時点で、すでに相当ダービーを意識して居たと感じます。当然これはオーナーサイド、厩舎サイド、または生産牧場であるノーザンファーム、育成牧場であるノーザンファームしがらき、このすべてが11/16の東スポ杯2歳Sを終えた時点で決断された事なのだと感じます。

「コントレイルを倒そう」

この決意の中、11/16の夜からこの5/31に向け「万全の準備」がされて居ると思います。

NF系馬でも個人馬主であるから出来たローテーション。
これがクラブ馬との違いです。クラブ馬なら「皐月賞を使うローテーションを組むしか無い」というのが事実上の答えになってしまう。

今回はオーナーが吉田勝巳さんだから選べた道なんですよね。
私はこれに尽きると思います。
そしてなによりこの日本ダービー。皐月賞を捨ててでもここを勝ちに来るローテーションを組んだ、オーナー、育成牧場、厩舎。

今回浜中騎手。
おそらく「ダービー単体」での騎乗依頼ですね。
何故川田が乗らないか。これはセット依頼が当たりまえの現在競馬のマネージメントからくる「隙間」だと感じます。

ジリ脚のアルジャンナ。
私は逃げるんじゃないかと感じてます。
控えてどうにかなる馬では無い。切れ味勝負を挑むほど無謀ではないと感じてます。

切味は無いがバテルことも無い。
おそらく浜中騎手・池江厩舎・オーナーサイドで「逃げ先行」の作戦は全者一致で決まっていると私は感じるのです。
負かしたいのはコントレイル。控えてヨーイドンで勝てる馬は居ません。
勝負を挑むなら逃げ先行の「スピードの持続」です。

4角先頭と私は見てます。もしかしたらハナも充分に有り得る。
NFしがらき仕上げ、池江厩舎の最後の調整。
そして最強個人馬主だからこそできる「ここだけのための馬」です。

相手はコントレイルでしょうね。これ1頭です。
サリオスも強いですが、クラブの馬として無理はできません。
大山さんと吉田勝巳さんの勝負、これこそ今年の日本ダービー2020。

ノースヒルズの大山牧場仕上げが勝つのか。
ノーザンファームのしがらき仕上げが勝つのか。
2020の頂点は、この2つの戦いと感じます。

これが武田の日本ダービー2020の答えなのです。


サラリーマン馬券師の武田優駿。 ラップ分析を基本としてハイレベルのレースで好走した馬を皆さんに伝える事を宿命と考えています。人気薄馬の激走を見抜く事に全身全霊で挑戦しています。