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陣地取り

私が戦国武将なら、国は繁栄しなかっただろう。
私がバスケット選手だったら、戦力にはならなかっただろう。
ふと、そんなことを考えていた。

私は、人の陣地に侵すのが嫌いだ。
それは、自分の陣地を侵されるのが嫌だから相手の陣地も侵したくないのだ。

なので、相手(敵)とぶつかるスポーツはホント苦手。
だから、私はバレーボールをやっていた。

バレーボールは敵選手とぼぼ触れることのないスポーツだ。
自分の陣地と、相手チームの陣地を確保した上で、仲間と協力しあい勝負する。

相手(敵)と触れることが嫌いなのは幼少期の体験が要因のひとつであるのかもしれない。

私は小6で身長163センチ、体重63キロある、縦にも横にも大きな小学生だった。
ランドセルを背負うのも少し違和感のある見た目になっていたし、制服のスカートは、サザエさんに出てくるワカメちゃんのように、中のブルマが見え隠れするくらい寸足らずの状態だった。

体格も良かったので、スポーツはだいたい得意で、活躍できた。
だけど、突然、嫌いなスポーツが誕生する出来事がおきる。

ある日、体育の授業でバスケットボールをやることになり、私はいつも通り相手ゴールの前で、シュートを防ぐ役割をしていた。
身長も高いし、適切なポジションだと自他ともに思っていた。

相手選手がシュートを打つ。
私はそれをブロックする。

そんな攻防が何度か続いた時に、相手選手が業を煮やしたのか、私にぶつかってきた。
私はブロック体勢のままその場に動かずにいた。
動かない私に相手はぶつかってきて、そして倒れた。

相手は勝手にぶつかってきて、勝手に倒れたのに、私を睨みつけてきた。
他の相手チームの選手が駆け寄り、倒れた選手に「大丈夫?」と声をかけていた。
その時、「体格が違うのに卑怯だよね。」と私の悪口を言い合っていた。

体格がでかいのは私のせいではなく、生まれつきの体質でどうしようもない。
なんなら、華奢に生まれてきたかったし、ぶつかって倒れる方の役割のほうに憧れていたのに、勝手に悪者にされた経験が私には強烈に忘れられない記憶として残ってしまった。

それからだと思う。
人(勝負相手)に触れる勝負が苦手になった。

自分の陣地を侵されない。
同じくらい、他人の陣地を侵さない。

陣地の取り合いをしないでできる勝負をしたい。
それが今の私の仕事にも活かされているルールになった。

自分の陣地は自分で守らないといけないから、適切な陣地範囲が必要となる。
年々、陣地は広さより質だと感じている。

これからは、陣地を取りに行くんじゃなくて、陣地環境を整えていく戦法が時代に合っている気がする。

私の戦法が活かされる時代が来たな!

自分の陣地を大切にしたい、ばたちでした。

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