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せめて「スタートライン」には立ちたいよね。

明後日10月31日は、大きな意味で日本の未来を決める1日になります。

ハロウィン? いや違います。
そう、明後日31日(日)は第49回衆議院議員総選挙の投票日です。
衆議院では平成29年から数えて4年ぶりの総選挙です。

もちろん知っていた、またはすでに投票も済ませてるという人がnoteユーザーには多いと信じていますが、なかには「え?選挙?よく分からない」「政治は難しい」「どうせ自民党が勝つんだから行っても仕方ないでしょ」という人も相当数いるかと思います。

それを証明するかのように、国政選挙の投票率は近年50%を超えるのが精一杯。約50年前のときは74%だった投票率は、この50年のあいだで実に20%も落ちているのです。

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出典:総務省

その理由が前述したようなもの。つまりは政治に対し「絶望している」「興味がない」「面白くない」「ダサい」「分からない」といった要素が、ジリジリと選挙に行く人を減らしてきたのです。
 
でもちょっと待って。
これって、私たち国民だけの責任なんでしょうか??

政治ってなんでこうなんだろうね?

そんで私なりに考えてみました。
政治って、本来は日本全国民の生活を左右する、一番大事なことなはずなのに、なんでここまでネガティブな印象しかないんだろうと。

そうするとまず頭に浮かんだのは「政治家ってなんだか悪いヤツだから」とか「政治家って偉そうなわりに気持ち悪い」とかいうイメージでした。

それは残念ながら事実でしょう。戦後これまでほとんど政権与党だった自民党はもちろんのこと、2009年に政権を奪取した民主党のときでも汚職スキャンダルがないときはなかったのです。

しかし特に2012年、第二次安倍政権になってからはなんだか「汚職がどうした?それが世の中なんだよ」と言わんばかりのオンパレード。
 
財務省官僚の赤木さんを死に追いやった森友学園問題はじめ、加計学園問題、桜を見る会、甘利明氏のワイロ、広島の河合夫婦の献金問題など、もう書ききれないほどです。

さらにヤバいのは、そのあまりの酷さになんだか国民のほうが慣れちゃってきているような風潮。
50年の間ジワジワ腐ってきた膿が、この8年ほどで一気に噴き出したことに、もう諦めの極地にまでいっちゃったのかと思うほどです。

そしてその間にどんどん格差が生まれ、日本の国力は落ちていく一方。正社員になれない非正規雇用がどんどん増え、安定した稼ぎも得られず、年収200万円以下の人はガンガン増え続けているのです。

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出典:朝日新聞 

結局のところ、最初に書いたような政治への絶望を招いたのは「政治の責任なのだ」というのが私の意見です。
もちろん、そんな政治家たちを選んだのは国民だ、というのも事実なのですが、それは結局のところ全有権者約1億434万人(2009年第45回衆院選挙)のうち半分だけ、そしてその半分のうち自民党に入れた人は約1765万人(2014年調べ)という結果。

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実質的には、この有権者の2割ほどの人が選んだ政治家たちが50年間与党をやってきた結果がこの有様というのは、明らかに「政治の失敗」であり、それは私が何党を支持するとか以前の「事実」なわけです。

まだこの国はスタートラインにすら立てていない

こんなことを書くと、一部のネット住民の人たちからは「サヨク」とか言われてしまいそうなんで念の為書いておきますが、私がどこを支持するとかは全く別の話ですし、それは憲法でも保障されていること。
付け加えていえば、サヨクでもウヨクでもない、そんなレベルにはまだ私たちは成熟していないということを言いたい。
 
そんなことよりなにより問題なのは「この国は民主主義国家としてスタートラインにも立てていない。それどころか後退している」ということ。
それって、気持ちいいですか?ってことが、これを読んでくれているすべての人に聞きたい私の問いです。

ちなみに私が2016年に社会見学のために訪れたデンマークは「幸福度世界一」に何度も選ばれている福祉国家です。
 
税金は高いけど、老人になってからの保障は完璧で、原発も市民の力で受け入れないことを決定し、政権が変わったとしてもそれは変わらない。さらに2050年までにはすべてのエネルギーを再生可能エネルギーに変えるという決定をしているという凄い国。
 
しかも、私たちをナビゲートしてくれた在デンマーク20年のニールセン北村朋子さんは、今回お住まいのロラン島の市会議員に立候補!マジでカッコよすぎてため息しか出ません。かの国では地方議員はほぼボランティアだそうで、それもカネの匂いがプンプンの日本とは大違いですよね。

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こんなデンマークでは、国政選挙の投票率は80%を超えるそうです。また立候補も18歳から可能。候補者が各地の学校に集まり、政策のプレゼンを行ったりすることで、デンマーク人は学生の時から政治の話をカフェで普通にするそうです。そらー国がよくなるわけだよ。

どうでしょう。私が「日本はまだスタートラインにすら立てていない」とまで書く気持ち、少しは分かってもらえますか?

でも日本は変わってきてる。確実に。

2016年、このデンマーク旅行で「理想を実現している国がここにあった!」とむちゃくちゃ感動して帰ってきた私は、目の前の日本の現実に、どんどん気持ちが沈んでいく感覚を覚えていました。
 
しかしそれで諦めても仕方ない、それを少しずつでもやっていけば、50年後、いや100年後でもこうした国に日本はなれるはずだ。そう思ってね。
なぜならデンマークでさえ、すんなりとこうした素晴らしい国になれたわけではなく、1800年代に国民全員が学ぶことの大事さを説き、それを実践してきた結果、ようやくいまの姿を実現できたのだと知ったから。

そんな思いをしながら今回の選挙を迎えたとき、一本の動画が目に飛び込んできました。
渡辺謙さん、ローラさん、小栗旬さんら著名人が、投票に行こうとよびかける「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」です。

なんの思想性やプロバガンダもなく、等身大の、しかし誠意あることばで投票を呼びかける人たちのメッセージ。力強い「私も投票します」の宣言に、なぜこんなに目頭が熱くなっちゃうんだろう。

いま日本で認められている投票権は、1945年日本が太平洋戦争に敗けたことで認められるようになったもの。それまで女性には参政権がなく、国が暴走してあの戦争に突入することに反対することができなかったのです。
これ、信じられます??? 

女性はもちろん、戦前は25歳以上の男子のみ。将来の日本を背負うはずの若い人のほとんどが15年以上続く泥沼の戦争に対してなんの文句も言えずに死んでいったのです。
その結果は310万人の日本人が死んでしまいました。
これ、信じられます???でもたった76年前までは、これが事実だったのです。

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神風特攻隊のほとんどが20歳以下の少年たちだった。

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昭和二十年四月十二日、第三回神雷桜花特別攻撃隊で一式陸攻の搭乗員として出撃、南西諸島方面にて戦死した武田竹司少尉。当時18歳。

こうした歴史の事実を知っているからこそ、そしてそうした反省をもとに、選挙を通じて政治に参加してきたはずの日本人が、どんどんと政治に絶望していくのを感じていたからこそ、この動画でその権利を高らかに宣言する声に私は感動してしまうのだと思います。

ここまでアツくなって書いてしまって、何の気なしにここまで読んでくれた人は「ちょっとこの人大丈夫?」と思っているかもしれません。
だから最後にクールダウンして終わりにしたいと思います。

明後日の選挙で決まる結果は、ここ数年の日本を決めるというような短絡的な話ではありません。
実際に選挙が終わり、政権により政策がきまり、それが承認、施行され、さらに国民生活に浸透していくには、十年、いやそれ以上の年月がかかるのです。

これまではなんとかなっていた政治の腐敗も、もういくとこまでいっているという状況ですから、明後日の選挙は、何十年後の日本がさらに腐るか(日本がその時あればね)、または少しでも浄化されているか、その大きな瀬戸際なのです。
そしてその結果を享受するのは、みなさんだけでなく、今選挙権がない子どもたちなのです。

しかも忘れないで。日本はまだそのスタートラインにすら立てていないということを。

何党の誰を選んでもいい。ノリで選んでもいい。
ただしそのラインに立つまでは、今より1ミリでもいい未来をつくるために協力してほしいです。

明後日どうぞ、選挙に行ってください。心からのお願いをして、このnoteを終わりにします。
ここまで読んでくれたあなた、本当にありがとうございます。


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