『わらの民俗誌』

斎藤たま・著 論創社

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近頃、知的好奇心マイブームが2つほどある。

1つは養蚕業と製糸業。

幕末以降日本の産業の中心となり、現在の工業立国の礎を築いた絹糸産業。

もう1つが「藁」である。

お正月や神社、神と関わるところに必ず「藁」あり。

元々神に祈りを捧げるのは「五穀豊穣」、藁を使うのは当然であると思うのだが、藁というのは農業においては産業廃棄物。そのようなものをなぜ進んで神前にお供えするのか?

また、供える場合は必ず「注連縄」といった形で捩ってあるのである。なぜ捩って縄状にするのか?

さらに遡ると「縄文土器」は縄目が文様になっているし、そうなっているから「縄文土器」なのだが、なぜ「縄目」なのか?…直接木片で文様をあしらった方が簡単ではないか?

この本を読み進めていくと、今まで私は藁を使った細工は日本人の「勿体ない」「あるを尽くす」精神の表れではないかと思っていたが、もっと深い意味があったり日本の風土に適した素材なのではないかという気がしてならなくなった。



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