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神様部
「あぁ…なんか騙された気がする…」
放課後はゴミ拾いに近所の公園の花壇の手入れと草むしり。
まだ出来立てホヤホヤの文科系サークルの部室棟の2階の角部屋に掲げられた「神様部」の看板。
てっきり神社巡りをするサークルかと思って入ってはみたもののボランティア活動の毎日。
公園の道向かいに住んでいるおばさんがこちらに近寄ってくる。どうやら水曜日はパートの勤務時間が短いのか他の曜日は我々が作業を撤収した頃にちょうど帰宅するが、水曜日の午後は自宅の庭の手入れなどをしながら時々私たちに話しかけてくる。
「毎日暑い中、ご苦労様だね。こんなに人のために頑張っていればきっと良いことあるよ。」
顎の下に滴る汗を拭いながら「そんなことあるものか…」と苦笑いしながら「きっと良いことある…か。神社をお参りするのと効能は一緒だな。」
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