引き継がれてきた挑戦 鈴木世奈(アイスホッケー)
noteコンテスト「#挑戦している君へ」に、ブリヂストン・アスリート・アンバサダーの鈴木世奈選手(アイスホッケー)にも作品を寄せてもらいました。
アイスホッケーを始めた頃、競技を通じてこんなにも沢山の経験をし、挑戦をし続けるとは到底、考えていなかった。
なぜならアイスホッケーが盛んな北海道、苫小牧市で育ったが、最初は競技に興味を持っていなかったし、競技を長く続けるようには思えなかった。
意識が変わったのは、中学生になってからだろう。
中学生になると男子と一緒にプレーしていた女子は、社会人も所属する女子チームに所属する。学業と両立する選手、社会人として仕事をしながらプレーする選手、みんな何かを犠牲にしながらも氷の上でベストを出すために高い意識で取り組んでいた。そのような環境で中途半端な気持ちでは氷の上に立つことができなかった。
「オリンピックに出たい」と口にするようになったのは、オリンピックが漠然とした夢から明確な目標に変わった時からである。海外の選手と戦う中で、私たちにとって一番大きな大会、オリンピックの舞台で戦いたいという思いが強くなった。
オリンピックへの挑戦を意識し始めてから少しずつ発言や毎日の行動が変わっていき、そしてそれがオリンピック出場、今の挑戦にも繋がっているのかもしれない。
2014年、日本は16年振りにオリンピック出場を果たした。
そして日本は、今もっと上を目指して挑戦が続いている。
私自身の挑戦でもある。
思い返すと、様々な環境に置かれながらもオリンピックを目指して挑戦してきた先輩の姿が浮かんでくる。
アイスホッケーの歴史を知るほど、現役選手だけの挑戦ではなく、今までアイスホッケー界に尽力してくれた人、何かを犠牲にしながらも挑戦してきた選手、その挑戦が引き継がれる形で今の私たちの挑戦、私自身の挑戦へと続いているのだと感じている。そして今、全力で挑戦することがこれからにも繋がると思っている。
私がアイスホッケーを始めるにあたって、父からの条件があった。
「どんな時も一生懸命プレーすること」
それができない時は、すぐに辞めるという条件付きで私はアイスホッケーを始めることができた。
「できることを当たり前のことと思わないで感謝を忘れず、一生懸命自分ができることを取り組みなさい。」というメッセージであろうと幼いながらに理解はしていたつもりである。当たり前のことだけどこの条件は、常に今も心の中にある。
挑戦ができることに感謝して。
今、自分にできることを全力で。
そして今できるその挑戦を楽しんで。
鈴木世奈選手(アイスホッケー)
1990年生まれ北海道出身。アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」のディフェンダー。小学校1年生の時、兄の影響でアイスホッケーを始め、高校在学中にU-18世界選手権と世界選手権に出場。大学在学時にはアジア冬季競技大会で銀メダルを獲得。冬季オリンピックではバンクーバー2010とソチ2014で出場権獲得に貢献し、平昌2018では6位入賞を果たす。カナダ、スウェーデンなどアイスホッケー強豪国のチームへたびたび遠征し、日本が出場権を獲得している北京2022冬季オリンピック出場を目指している。
みなさんも挑戦や誰かの挑戦に心動かされたエピソード、挑戦している人へ伝えたいことなどを教えてください。チームブリヂストンはみなさんの挑戦を応援しています!