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スノーピークが信じる「キャンプの力」とは?〜成長につながる問いかけコーチング#117

あなたはキャンプをしますか?
「キャンプの力」とは?と問われて、何だと考えますか?

日常的にキャンプをしている人でないと、この問いに答えるのはなかなか難しいかもしれません。もちろんそれでも構わないのですが、そもそもなぜ今日はこの問いを立てたのでしょうか。その背景を考えてみましょう。

先日、BizHintさんの連載で、スノーピークの山井会長と対談をしました。

スノーピークは年々成長を続け、日本のみならず海外にも拠点を展開し、今では連結で800人ほどの従業員がいるそうです。山井さん自身はポートランドに軸足を移したものの、コロナ禍で日本に戻り、今は新潟にあるヘッドクオーターと東京を行ったり来たりの生活をされているそうです。

私自身は山井さんとは親しくしていただき、私からしつこくお願いして、過去には何度か対談もさせていただいています。1,2年おきくらいで定期的に話を聞くと、その度に山井さん自身はもちろん、スノーピークの進化をひしひしと感じさせられます。

私自身はそれほどキャンプに詳しいというわけではなく、毎週キャンプに行くようなキャンパーでもありません。でも、生まれ育った地元が自然豊かな環境だったこともあり、今流行っているようなかっこいいキャンプではありませんが、野宿のようなサバイバル的な力は、普通より少しあるかもしれません。

今回の山井さんとの対談のなかで、スノーピークはなぜこんなにも右肩上がりの成長をし続けているのか、人数が増えてもなお強固な組織でいられるのか、さまざまな角度から問いを投げかけたんですね。

それに対する山井さんの答えはこうでした。800人全員がキャンパーであるということ。全員が自分たちのメイン事業であるキャンプを主体的に行い、自分たちの軸としている。つまり、キャンプを好きな人たちが集まって、キャンプの会社を経営しているということでした。とてもシンプルですよね。

自分たちの事業を心から愛する。これは多くのスタートアップにもよくあるケースです。でも、商品はもちろんですが、それだけではなくその事業のもっと奥にある抽象化されたもの(スノーピークの場合はキャンプ)、この力を心から信じているというのが、その組織がうまくいくかどうかに大きく影響するんだと思いました。

私自身も小さいながら会社を経営しています。チームボックスでは、「大人の学び」や「成長」、これを支援する会社ですが、この「学びの力」や「成長する力」を本当に信じているのか。これがすごく重要ですね。

スノーピークですごく良いと思ったのは、みんながキャンプの力を信じ、キャンプを実践するキャンパーであるものの、「キャンプの力とは何か」を具体的に掲げていないということです。おそらく分解していくと、みなさん答えは自分の中に持っているのでしょうが、そこをあえて抽象化していると。

それはなぜかというと、キャンプを日常的にやっている人には、その力が備わっているはずなんですね。自然の偉大さ、恐れ、自然の中で生きる人間のあり方、そこで発揮する主体性、仲間との共生や協力、社会とのつながり。そういったものが「キャンプの力」として言語化されるのでしょうが、ここではあえて抽象化して「キャンプの力を信じる」というところにスノーピークの強さがあるのだと思います。

スノーピークに興味を持った方は、ぜひウェブサイトも見てみてください。この会社がいかに自分たちの信じる道を貫いているかが伝わると思います。

※ 本記事は、中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集し、記事化したものです。


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