教える力と学ぶ力とは?〜成長につながる問いかけコーチング#30〜
※ 中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集しています。
無知の知を認め、自分自身の成長へ
今日は「教える力」と「学ぶ力」、この二つの力についてお話しします。まず「教える力」とは教え方や教える内容、アプローチ方法など指導に関する総合的な力のことをいいます。コーチング力とも言えますね。次に「学ぶ力」とは、ものごとをいかにして学んでいくか、学ぶ姿勢も含めた力のことと定義づけます。指導者の視点に立ったとき、この二つの力がどのように影響し合うのか。また、どちらに注力すべきなのかを考えていきましょう。
指導者やリーダー、コーチなど教える立場にある者は、ついつい「教える力」だけに注力してしまいます。もちろんそれが彼らの役割なので、専門領域を高めていくという点では重要です。しかし、ここばかりに注力するのではなく、自分自身がいかに学ぶか、これが人に教える際に影響力を持つことがあります。
これはどういうことかというと、「教える」というのは自分が主体の行為です。主体である自分が、客体に対してどうアプローチするか。つまり、教える力というのは外に向けた力です。これに対し、学ぶ力というのは内側に向いた力であり、ものごとを自分の中に取り入れ、自分ごと化していくプロセスです。以前、グレイトコーチは正直であるという話をしました。なぜ正直であることがグレイトコーチに必要なのかというと、「自分には無いものがある」という無知の知を認めることによって、そこに新たな知見や経験、スキルを入れる余地を作り出すことになるからです。
知らないから学びたい。できないから学びたい。こうした学ぶ意欲、学ぼうとする力は自分の成長をさらに高めます。もちろん指導者は教えることが一番の役割なので、教えるためのメソッドをしっかり蓄えることは必要ですが、教えるだけでなく学ぶ姿勢を見せることも重要です。
昔、コソ勉ってありましたよね。勉強してないフリをして、こっそり勉強している。みんなの見えていないところで頑張るのは個人的には嫌いじゃないのですが、これ、見せた方がいいんじゃないかなって思います。学ぶ姿勢を見せると周囲にもいい影響が出てきます。学ぶというのは、単に知識を得ることだけではなく、得た知識を自分で噛み砕いて内省する。これも学びの一つであります。そして、内省から新しいことを生み出そうとするクリエイティビティも学びの一つです。学びを自分の中で再構築していくプロセスは非常に大きな学びです。
これを聞いている方の中には、役職の高い人、リーダーや指導者、教える立場の人もいるでしょう。是非一度立ち止まって、自分に今何が足りないのか?と考えてみてください。教える力だけを伸ばそうとするのではなく、学ぶ力、学ぶ姿勢にも注力してみると良いのではないでしょうか。
私もこうしてみなさんに対して発信していますが、自分の内側にあるものを言語化し、その場で練習なしに話すというプロセスで新たな学びを得ています。教えると同時に学ぶ道具としても使っているわけです。みなさんもどうやって学びを得るのか、自分の学ぶ姿勢も大事にしてみてください。それでは、今日も1日がんばりましょう!
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