褒めすぎていませんか?〜成長につながる問いかけコーチング#82
昨日に引き続き「褒める」について話していきたいと思います。
なんでもやり過ぎてしまうと効果を失うことがあります。
褒めることが苦手だった人が褒めることを覚え、それによって相手が喜ぶことを実感すると、どんどん「褒め」が加速していきます。何度も褒めることによって相手もマンネリ化してしまうし、逆に褒めてもらわないと頑張れないという現象も生まれてきます。
また、褒めすぎると関係性にも変化が現れます。褒めるという行為は上下関係を作りやすくします。褒めることは評価の一つなので、無意識的に「褒める側」と「褒められる側」の関係を作ってしまいます。「〜してえらいね」「よくできたね」と褒め続けることで、上下関係をキープし、強固にしていきます。
「褒める」行為が上手くなればなるほど、ついつい行きすぎてしまうので、これには気をつけるべきです。人のいいところを探して褒めるのはとてもいいことですし、褒めすぎるくらいいいところを探そうという心持ちも重要です。しかし、実際にそれを相手にギブするときには、相手が適切に受け取れるかということを常に頭に入れておきましょう。
私自身は「褒める」というより「承認」することを心がけています。例えば対話の中で「今言ったその言葉いいですね、私も共感します」とか、「その言葉は確かに大事だと思います」など、感じたことを共有する感覚です。これは別に褒めているわけではありません。しかし、褒めていなくても、この「承認」(相手のそのままを受け入れ、認めること)は相手にとっても嬉しい感情につながります。
「褒める」と「承認」、何が違うのかというと、私の感情を入れているんですね。相手の何がすごいとかではなく、相手が言ったことに対して私がどう感じたとか、どんな気づきがあったとか、自分のことを伝えています。相手のいいところを見つけて伝えたいと思ったときに、過剰に相手寄りの言葉にするのではなく、自分の感情や変化を伝えていくことで「褒めすぎ」を防ぐことができます。
昨日話した「ちゃんと褒めていますか?」という問いに加えて、「褒めすぎていませんか?」という問いも日々自分に問いかけてほしいなと思います。昨日も話しましたが、大事なのは自分自身もしっかりと褒めて自分を奮い立たせていくこと。自分を褒め、他者も褒める。このサイクルが出来上がると良いですね。
※ 本記事は、中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集し、記事化したものです。