良いアドバイスとは?〜成長につながる問いかけコーチング#84
今日の問いは「良いアドバイスとは?」です。
あなたは最近良いアドバイスを受けましたか?逆に誰かに良いアドバイスをしましたか?
そもそも「アドバイス」とは何か。今回も語源をたどって考えてみました。英語の advice はラテン語の videre が語源で、videreは「見る」という意味だそうです。つまり、アドバイスというのは「見る」行為から転じて有益な情報を授けるという現在の意味に変わってきたようです。
そう考えると、アドバイスするときには相手の様子を頻繁にしっかりと見て、結果的に有益な情報を与えるということです。この前提で言うと、初対面の人に「アドバイスをしてください」と言われても、本来ならば「あなたのことを見ていないのでできません」となってしまう。
私も仕事からよく相談をされたり、アドバイスを求められることがあります。特に講演などをする際には、最後の質疑応答の場面でアドバイスを求められることはよくあります。そのとき私はどうしているかというと、その人の話をよく聞き、「もしかすると間違えているかもしれませんが、今はこういった状況ではないですか?」とその人が今置かれている背景や状況を思い浮かべます。そして、もらった情報からその人を多面的に想像し、「あなたの見えていない部分におそらくこう言うことがあるので、ここをやってみたらどうですか」「私ならこうするかもしれません」というようにアドバイスをしています。やはり、その人の置かれている状況をさまざまな角度から見て(想像して)、その人の視点からは欠けていたり気づいていないと思うところに光を当てるようにしています。
これは元々のアドバイスの語源「見る」に近い行為なので、やはりアドバイスとは見ることが大事というのには納得感がありました。
さて、あなたは実際にアドバイスをするとき、どんな視点からしているでしょうか。良いアドバイスができたときには、どんな視点で相手を見ることができたのか、逆に良いアドバイスを受けたときには、なぜそれが良いと思ったのかを考えてみると、自分にとっての「良いアドバイス」の答えが導き出せそうです。
心理学者のユングは「アドバイスには意味がない、大した効果がない」という名言を残しています。一方で、私はこれからもアドバイスをもらいたいし、他者とアドバイスを交換したいなと思っています。他者の視点によるアドバイスから見えてくる新しい気づきもあるでしょう。一方的にアドバイスするのではなく、アドバイスが対話のきっかけになると良いですね。
※ 本記事は、中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集し、記事化したものです。