多様性から得られる刺激とは?〜成長につながる問いかけコーチング#72
「多様性の時代」と言われて久しいですが、なぜ多様性が大事なのか考えたことはありますか?多様性から得られるものとは何なのか、あなたの中に明確な答えはありますか?
多様性から何が得られるのか、しっかりと言語化している組織はあまり多くないのが現状です。また、実際に「これが多様性のメリットか!」と実感している人も少ないように感じます。
昨年、Teamboxのリーダーシッププログラムで他社合同トレーニングを行いました。軽井沢の自然の中で、ThinkではなくFeel、ありのままを感じ、言語化し、自分の哲学を磨き上げるというプログラムです。一泊二日の宿泊トレーニングを行った後、一ヶ月を経て、それぞれにどんな変化があったのか。この一ヶ月を振り返り、新たな自分のスタートを宣言するという場を設けました。
その中で多くの参加者が言っていたのは、「普段話さないような業種の人との交流が、自分にとって大きな刺激だった」ということです。まったくの初対面の人と1日をともに過ごす中で、色々な話を聞き、「そんな世界があるのか」「そういう情報があるのか」と目新しいことばかりだったそうです。本屋や図書館で、自分が普段読まないジャンルの棚に並ぶ本を読むのと似た感覚でしょうか。
確かに、なにか新しい知識を得るということは大いに刺激になります。さらに、自分が普段触れ合うことのない、自分とは違った感覚を持つ人たちと触れ合う中で受ける刺激とは、自分が当たり前だと思っている無意識的な常識を揺さぶられることにあります。
先程のトレーニングの参加者の中には、世界的にも有名なグローバル企業の幹部の方々もいました。彼らは、今後も世界でシェアを獲得し続けるにはどうするべきか、10年後はどんなステージでどんな仕事をしているのか、世界各国にいるメンバーとどのように仕事をしていくか、そんな話をしていました。一方、参加者の中には、一ヶ月後も存続しているかわからないというようなベンチャー経営者もいました。彼にとっては、そもそも明日会社があるかどうかもわからない。だからとにかく毎日が必死で、変化に対応するためにとにかく新しいチャレンジを仕掛けていくことが重要だと。他の参加者と話していても「その発想はいいですね、明日からちょっとやってみます」とすぐに動くことができます。しかし、大企業であれば企画書を作って、稟議書をあげて、役員会を通して・・・と実際に実行されるまでかなりの時間がかかる。どちらが良いとか悪いとかではありません。この全く違った前提で思考すること、自分が今まで無意識的に考え、行動していたことが誰しもにとっての常識ではないということを、ここで改めて認識できたわけです。
このように自分の根底にある前提を刺激されることが、多様性のメリットの一つです。こうした多様性のメリットは、会話してく中で生まれていくことが多く、その中でも雑談の中から見えてくることが多いです。ふと気付かされるお互いにとっての常識、これをお互いが刺激し合い、今まで自分にはなかった前提で物事を考えてみる。これが多様性のメリットなのだと思います。
私も仕事上、さまざまな業種の色々な人と話す機会が多いですが、いつもみなさんから多くの刺激をもらっています。あなたも是非、普段の自分とは違うコミュニティで、多様性を感じてみてください。そして、あなたの前提を覆すような出会いがあることを願っています。
※ 本記事は、中竹竜二Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集し、記事化したものです。