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「余白」の時間を作れていますか?〜成長につながる問いかけコーチング#19〜

※ Voicyチャンネル『成長につながる問いかけコーチング』より、内容を再編集したものです。

無目的な時間が作るコミュニケーションや日常の充実感

今日は「余白」についてお話しします。
最近はニューノーマルな働き方が広がり、みなさんの職場やチームでもオンラインでのコミュニケーションが増えたのではないでしょうか。私が受ける講演やセミナーもオンラインに移行してきましたが、その中で「オンラインコミュニケーション」についての質問を受けることもよくあります。「オンラインで仕事をしていると、対面よりもスケジュールがタイトになり、雑談をする余裕や、そもそも雑談をできる雰囲気自体がなくなってしまい、関係がギクシャクしてしまう」というものや「きっちりと時間が決められているので仕事はスムーズになり効率が上がったけれども、人との距離感が掴みづらくなってしまった」というような相談を受けます。

確かに、人は目的化された時間の中だけでは信頼関係を深めていくことは難しいです。リモートワークによって「雑談」の大切さが見直されてきましたが、その雑談が組織にどのような効果を及ぼすのか。雑談ができる「余白」の時間、つまり目的化されていない時間が大事だと言われ始めています。

「余白」と同じく「余韻」も大事です。オンライン会議では、会議が終わると「お疲れ様でした」と言って、次々に参加者が退室して行くことが多いですが、少し寂しい気持ちにもなりますよね。リアルな会議の場では、会議が終わった後、なんとなく雑談が生まれ、その雑談の中から会議中には見られなかった本音が出てきたりもします。私はよく取材を受けることがありますが、例えば対談取材だと、正式な対談が終わった後の写真撮影の場で何気なく話す会話の方が意外と盛り上がったりします。対談の中では出てこなかったお互いの共通点がそこで発覚したり、その人のプライベートの顔やその人の本質的な部分が見えたりもします。そういった部分は、何か意味があることに集中している場合にはなかなか見られません。オンラインではこういった余白を生み出すことが難しいのですが、ぜひこの余白を大事にして欲しいです。

私がオンライン会議をファシリテーションするときに気をつけているのは、「チェックイン」をすることです。その会議に参加している全員に向けて何かしらの質問を投げかけます。例えば「朝ごはんは何でしたか?」「最近嬉しかったことはありますか?」「最近感動したことは何ですか?」など、ちょっとした日常を思い出すような質問です。会議に入り気持ちを切り替える前に、自分自身を少し振り返るような時間を入れてみるだけで、コミュニケーションにもメリハリがついていきます。

また、このチェックインも含めて会議のファシリテーション自体を他の人に任せてしまうこともあります。そうすると、私自身も新鮮な質問を受けることがありますし、何よりファシリテーターにとって、その会議に対する責任感がより強くなります。チェックインでどんなふうに会議の場を暖められるかということを考えることで、組織に対しての意識も変わり、さらに強い愛情や責任感が生まれてきます。

逆に、このチェックインの質問は考えすぎてはいけません。たまに真面目な人はチェックインの質問を深く考えすぎてしまうのですが、考えすぎてしまうと、そのチェックインの時間が目的化された時間に変わってしまうので、気楽に考え、あまり意味を持たせない時間にすることを意識してみると良いです。

その他にも、会議が終わった後にその会議のホストがミーティングツールをすぐに終了してしまうのではなく、数分の余白の時間を残してから終わらせるのも良いと思います。雑談の時間を会議の途中に組み込むのは難しいですよね。なので、オープニングやクロージングに余白の時間を入れておくことをオススメします。会議のファシリテーターはこの余白の時間のコントロールを意識してみてください。

もちろん自分自身のスケジュールに余白を持たせることも大事です。みなさんの今日一日のスケジュールに余白の時間はしっかりとありますか?この時間は長ければ長いほどいいというわけでもありません。自分が意識さえすれば、ほんの1,2分の間でも頭の切り替えができると思います。ぜひ意図的に余白の時間を作り、その時間の中で自分にちょっとした休息や心の栄養を与える仕組みを作ってみましょう。

さて、みなさんは余白の時間で何を吸収しますか?余白の時間でリラックスはできていますか?ぜひ今日はそんなことを考えながら一日を過ごしてみてください。それでは、今日も一日頑張りましょう!

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