【連載小説⑧】1979年初夏、ドーの話。/ DOE DEER, WHAT’S THE MATTER??
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作:結友
イラスト:橙怠惰
10. 玄関
AJのネタが切れてしまい、コズモが完全に壁を作ってしまってから、ディナーは耐えられないくらいの沈黙に突入していた。食器の音だけが聞こえる中、気まずい笑顔を全員で交換しあうだけだった。
沈黙に耐えられなくなったAJが、乾いた口を開く。
「それにしても、素敵な家ですね……」
母が気まずそうに頷き、微笑んだ。
「ありがとう。近所もいいお家ばかりでね」
ヴィヴが僅かに眉をつりあげたのにコズモが気づいた。
父は微笑みなが