【連載小説⑤】1979年初夏、ドーの話。/ DOE DEER, WHAT’S THE MATTER??
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作:結友
イラスト:橙怠惰
7. ベールを剥がせ
その日は熱帯夜になった。
スターウッドに到着したコズモとAJは、活気ある空気に熱く皮膚を焼かれるのを感じていた。煙たさから息継ぎをしようと上を向くと、暗闇に1920年代風のネオンサインがギラギラと映えているのが見える。会場のドアが開き、人々と蒸気がさらに入り口へ流れ込んできた。前座がちょうど終わった後らしい。
二人は会場を見渡した。もしかしたらドーがいるかもしれないと思ったからだ。
すれ違う大勢の頭を見