~馬場の好敵手!名勝負の男たち~ vol.3
リングに叫び、拳を突き上げたあの日。今もこの胸に燃えさかる熱き炎のファイターたちをイラストとエッセイで綴るプロレス讃歌!
~馬場の好敵手!名勝負の男たち~ vol.3
全国のプロレスファンの皆様こんばんは。『週刊アイアンクロー』編集長のチャーシュー・タケです。今週は“美獣”ことハーリー・レイスです。
●魅せるプロレス、アメリカ・スタイルの王道! ~リングでもストリートでも最凶の男~
レイスファンの方には怒られそうですが、“美獣”というそのニックネームにはいささか首を傾げたくなるのは私だけでしょうか?(笑) まぁ、彼がハンサムかどうかは別にしても、そのレスリングスタイルと強烈なインパクトは、1970年代のマット界の象徴だったと言えるでしょう。“ミスター・プロレス”とも称された男は、確かな技と共に華やかさを兼ね備え、何よりも理屈抜きの“喧嘩の強さ”を感じさせる凄みがありましたね。日本のマットへの登場は意外に早く、日本プロレス時代の昭和43年(1968)でした。正直、その頃の印象は薄いものでしたが、のちにジャイアント馬場が興した全日本プロレスのマットに上がるようになってから一気に上昇気流に乗るのです。その年に、ドリー・ファンク・ジュニアを破ってNWA王座を奪うと、その後も長きに渡りトップレスラーとして不動の地位を確立します。
数々の名レスラーたちとしのぎを削りながら、実に8度に渡ってNWAタイトルを手にするという実力者でした。プロレスというものを“スポーツ”と呼ぶにはどこか違和感が付きまとい、さりとて“エンターテインメント”と断ずるには心が熱くなりすぎる。この名状し難い感情のせめぎ合いの中にこそ、プロレスの持つ複雑怪奇な魅力が溢れ、そして手招きをするのです。一度その“罠”にハマれば、回帰するのは容易ではありません(笑)。
そんな底なしの面白さを実感させてくれたひとりが、ハーリー・レイスでした。
レイスの思い出の映像と言えば、そうです、コーナーポストに登ったはいいが、ダウンしたはずの馬場さんが立ち上がり、レイスをデッドリー・ドライブで投げつけるという、馬場vsレイス戦ではお約束のシーン。でも、ホントに強かったね、この人は。また、どこをサーキットしても、誰とやっても客を満足させる試合が出来たから、あれだけ何度もNWAチャンピオンの座に就いたことも納得ですね。
◼️『プロレスダイアリー甦える鉄の爪』は毎週木曜日に更新します。