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U.S. and European Markets Topics  

マーケット概況 7月13日

各市場動向

米国株式市場
おおむね下落、米CPI受け100bp利上げ観測台頭
ダウ:30772.79(前日比-208.54、-0.67%)
NASDAQ:11269.98(前日比+5.26、+0.05%)
S&P500:3808.58(前日比-10.22、-0.27%)

米国債券市場
2・10年債利回り逆転幅、過去22年で最大、景気後退懸念で
米国10年債利回り2.9318%、米国2年債利回り3.1464%

NY原油先物
3日ぶり小反発
WTI終値は前営業日比0.46ドル高の96.30ドル

NY金先物市場
3日ぶり反発
8月限は前営業日比10.7ドル高の1トロイオンス=1735.5ドル

NY外国為替市場
ユーロはパリティ回復、ドル20年ぶり高値からやや戻す
ドル円137.30、ユーロドル1.0057

VIX 
VIX指数低下、26.49と前営業日の清算値27.29から0.80ポイント低い水準

経済指標

※()内は前回発表値、改は改定値
独 6月消費者物価指数(CPI)改定値 前月比 0.1%(0.1%)
独 6月消費者物価指数(CPI)改定値 前年比 7.6%(7.6%)
英 5月国内総生産(GDP) 前月比 0.5%(▲0.2%改)
英 5月商品貿易収支  ▲214.45億ポンド(▲215.22億ポンド改)
英 5月貿易収支    ▲97.47億ポンド(▲98.11億ポンド改)
EU   5月鉱工業生産 前月比 0.8%(0.5%改)
EU   5月鉱工業生産 前年比 1.6%(▲2.5%改)
米 6月消費者物価指数(CPI) 前月比 1.3%(1.0%)
米 6月消費者物価指数(CPI) 前年比 9.1%(8.6%)
米 6月消費者物価指数(コアCPI) 前月比 0.7%(0.6%)
米 6月消費者物価指数(コアCPI) 前年比 5.9%(6.0%)
カナダ カナダ中銀政策金利 2.50%(1.50%)
米 6月財政収支 ▲888億ドル(▲662億ドル)

要人発言

ニュージーランド準備銀行(RBNZ)声明
「引き続き金融引き締めを行うことが適切」
「5月会合で示された政策金利の予想経路に概ね満足」
「家計や企業が金融引き締めにどう反応するかについての不確実性を高めている」
「NZドルが輸入物価に影響を及ぼしていることに留意」
「家計消費は消費者信頼感の低下にもかかわらず、底堅く推移」
「GDPのデータは依然として不安定」
「インフレには短期的な上昇リスクがある一方で経済活動には中期的な下降リスクもある」

ビルロワドガロー仏中銀総裁
「仏でのスタグフレーションシナリオは排除できない」

国際エネルギー機関(IEA)
「エネルギー使用に関して強力な政策介入が必要、さもなければ世界経済の回復が危ぶまれる」
「世界の石油在庫は危機的に低いまま」
「ロシアの驚くほど好調な業績がIEAの石油供給見通しを押し上げた」
「燃料価格の高騰がOECDの石油消費を押し下げるが、途上国での需要は回復」

バイデン米大統領
「インフレは容認できないほど高い。データは遅れている」
「ガソリン価格を下げるために出来ることを全て実行する」

カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「量的金融引き締め(QT)を継続」
「インフレ率は4月予想よりも高く、持続的であり、今後数カ月間は8%近辺にとどまる可能性」
「ウクライナ戦争や継続的な供給混乱などの世界的な要因が最大の要因だが、過剰需要による国内価格圧力はより顕著になっている」
「インフレの上昇が定着するリスクが高まっている」
「多くの中銀はインフレと戦うために金融政策を引き締めており、その結果としての金融引き締めは経済成長を鈍化させている」
「世界の経済成長が今年は約3.5%、2023年には2%に減速し、その後2024年には3%に上昇すると予想」
「経済はさらなる過剰需要が高まっている」
「労働市場は、記録的な低い失業率、広範囲にわたる労働力不足、そして賃金圧力の高まりによりタイト」
「消費の伸びが鈍化し、パンデミック時の持続不可能な力に続いて住宅市場の活動が後退するため、第3四半期の成長は約2%に減速すると予想」
「カナダ経済は2022年に3.5%、2023年に1.75%、2024年に2.5%成長と予想」
「BOCは金利をさらに引き上げる必要があると引き続き判断」
「金利の引き上げのペースは経済とインフレの継続的な評価によって導かれる」
「量的金融引き締めは継続しており、政策金利の上昇を補完」
「BOCは物価安定へのコミットメントに断固として取り組んでおり、2%のインフレ目標を達成するために必要に応じて行動を継続する」

米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「米経済活動は緩慢なペースで拡大した」
「ただ、いくつかの地区では需要減速の兆候が高まっている」
「5地区は景気後退のリスク増大に対する懸念を指摘」
「ほとんどの地区は、食料とガス価格の上昇が家計の収入を減少させ、個人消費が弱まったと報告」
「製造業の活動はまちまちで、多くの地区はサプライチェーンの混乱と労働力不足が生産を妨げ続けていると報告」
「商業用不動産の状況は鈍化した」
「将来の経済成長の見通しはほとんどの地区で悲観的」
「すべての地区で大幅な価格上昇が報告されたが、4分の3は木材や鉄鋼などの建設投入物の価格が緩和されたことを示している」
「食料、商品、エネルギー(特に燃料)のコスト増加は依然として重要」 「これらのカテゴリーの価格インフレはここ数カ月に比べて鈍化したものの、歴史的に上昇したまま」
「ほとんどの地区は価格圧力が少なくとも年末まで続くと予想」

ボスティック米アトランタ連銀総裁
「6月CPI(消費者物価指数)は懸念を呼ぶ」
「(7月の1%利上げについての質問で)あらゆる要素を考慮へ」

バーキン米リッチモンド連銀総裁
「ヘッドラインとコアインフレが高すぎる」
「6月CPIはインフレが広範囲に基づいていることを示した」 「FRBは成長ではなくインフレ抑制に焦点を当てるべき」
「短期的な景気後退(リセッション)のリスクがある」

ニュースヘッドライン

米CPI、前年同月比9.1%上昇に加速-FRBへの圧力強まる-BBG
歴史的な100bp米利上げも、6月CPI受け市場の織り込み進む-BBG
ユーロが1ドル下回る、欧州景気後退懸念で約20年ぶり等価割れ-BBG
カナダ中銀、予想上回る1ポイントの利上げ-インフレ根絶に先手打つ-BBG
アトランタ連銀総裁、7月100bp利上げ検討に含み CPI受け-Reuters
米景気後退リスク巡る懸念高まる、需要減速の兆候も=連銀報告-Reuters
中小企業経営者の93%、半年以内に米景気後退と懸念=GS調査-Reuters
米6月CPI、「受け入れ難いほど高水準」だが過去の数値=大統領-Reuters

概況

6月の米消費者物価指数は前年同月比9.1%上昇し、予想の8.8%を大幅に上回りました。コア指数は5.9%で、前回の6%から減速しましたが、予想の5.8%を上回り、物価上昇圧力はまだ終わっていないことを示唆する結果となっています。

米国債券市場では、2・10年債利回り差の逆転が続き、逆転幅は2000 年11月以来最大となりました。6月の米CPIが40年超ぶりの大幅な伸びとなったことを受け、FRBが月内に100bpの利上げを 実施するという観測が高まり、米経済が景気後退に陥るおそれがあるとの懸念が強まっています。

米国株式市場は、S&P500などが下落して終了し、FRBが今月の会合で100bpの利上げに踏み切るとの観測が台頭し、こうした観測が消化される中、株価は揺れ動いて終えています。

EUR/USDは米CPIの発表後、一時0.9998ドルと、パリティを割り込み、2002年12月以来の安値を付け、その後1.0060ドルまで回復し終えています。
中央銀行の金融政策の不均衡が痛手となっており、FRBは複数回の利上げを実施し、今月はさらに75bpの追加利上げを行う可能性が高く、100bpの利上げも期待されつつある一方、ECBは7月に25bpの利上げを行い、緩やかな引き締めを開始する予定です。
また、対ロシア制裁に端を発したエネルギー危機により、ユーロは打撃を受けています。

ECBはユーロがパリティを下回ったことを受け、「ECBは特定の為替相場を目標にすることはない」とし、「物価安定を巡る責務に関連し、為替相場がインフレに及ぼす影響に常に注意を払っている」と声明を出しています。

英国の5月国内総生産は0.5%と、前回の-0.3%を大きく上回り、欧州の取引時間中、英国の強い指標データがポンドを支えました。
さらに、5月鉱工業生産は前年同月比1.4%増、製造業生産は同2.3%増と、予想を上回る結果となっています。
しかし、GBP/USDは時間が経過するにつれ失速し、1.1890付近で取引を終えています。

カナダ銀行は7月、政策金利を市場予想の75bpを上回る100bp引き上げ、2.5%としました。
カナダ銀行は政策声明の中で、主に世界的な要因から昨年春以降のインフレを過小評価していたことを認めています。USD/CADは、米国株が弱い基調で推移する中、1.2933まで一時下落し、現在は1.2980前後で推移しています。

AUD/USDは、豪州雇用統計の発表を前に、0.6760付近で小幅な上昇を維持しています。
豪では、今日6月の雇用統計が発表され、前月に6.6万人増加した後、小幅ながら2.5万人の新規雇用が増加すると予想されており、失業率は5月の3.9%から3.8%に低下すると予測されています。
この数字に先立ち、豪では7月の消費者インフレ予想も発表され、アナリストは前回の6.7%から5.9%に下がると予想しています。

ボスティック・アトランタ連銀総裁は、7月FOM100bpの利上げを検討する可能性に含みを残しています。
CME Fed Watchツールでは7月FOMCでの75bpの利上げ確率は22.6%、100bpの利上げ確率は77.4%とCPI発表後に100bp利上げ観測が強まっています。

原油価格はほとんど動きがなく、WTIは現在1バレル95.80ドルで取引されています。

今日の予定 7月14日

今日は、アジア時間では豪雇用統計が発表され、新規雇用者増は前月から減少し、失業率はやや悪化する予想となっています。
市場がリスクオフモードであることから、AUD/USDは2年ぶりの安値である0.6710付近で取引されています。
予想を下回る数値は、弱気のブレイクアウトにつながる可能性が高く、予想以上に良いレポートがあれば、豪ドルが上昇する可能性がありますが、ベア派に戻り売りのチャンスを与える結果になる可能性が高いかもしれません。

米国では6月のPPIが発表されます。予想以上の結果となれば、さらにリスクオフムードが強まるかもしれません。

それでは今日もよろしくお願いします。

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