英国 7月PMI(速報値)
最新の英国PMIでは投入コスト圧力の低下と成長率の鈍化が見られるものの、イングランド銀行は8月の会合で50bpの利上げに踏み切る可能性が僅かに高いと想定されます。
S&P Global/CIPSが発表した最新の英国購PMIには、イングランド銀行(BOE)の誰もが納得する内容が含まれています。
リリースから読み取れるのは、投入コストインフレがかなり緩和され、10ヶ月ぶりの低水準になったということです。
軽油を含む商品価格(多くの商品/サービスのコストの一部として無視されがち)は、最近の高値から下がり始めています。ONSの最近の企業調査によると、サービス業でさえ、ここ数ヶ月の値上げの決定要因として、人件費よりもエネルギー価格や商品価格がよく挙げられていることが判明しています。
総合PMIのさらなる低下と同様に、BOE のハト派的慎重姿勢を支持する材料となると思われます。
52.8(53.7から低下)と、ユーロ圏ほど暗くはないように見えますが、実際のGDP値との相関は短期的にはそれほど強くないと思われます。
毎月のGDPの数字は、新型コロナ検査とワクチンプログラムの終了によって乱高下しており、6月のデータは臨時の銀行休暇によって打撃を受けることになります。
そのため、第2四半期のGDPは若干のマイナスか横ばいとなり、第3四半期は銀行の休日効果で0.5%の反発となることが想定されます。
それでも、来年の冬をカバーする天然ガスの卸売価格の最近の上昇は、景気後退のリスクが高まっていることを示唆しています。
第4四半期は、家庭用エネルギー料金の上限がさらに60%以上引き上げられるため、マイナス成長になる可能性が高くなり、重工業でも需要破壊がより広まる可能性はないとは言えません。
7月の消費者信頼感も過去最低に留まりましたが、雇用市場がこれほど逼迫している中でこれは極めて異例であることに留意が必要です。
最新のPMIは、他のいくつかの調査と同様に、人手不足が引き続き企業にとって深刻な問題であることを示唆しています。
このことは、利益率が圧迫されているにもかかわらず、今後数ヶ月の間にレイオフを回避しようとする企業の強い意志を示唆しています。
そうなれば、失業率の急上昇を避けることができ、景気後退の限界も見えてくると思われます。
雇用市場の厳しさ、そしてポンド安が一部の投入コストを引き上げていることをPMIが明示していることから、タカ派は8月の会合で50bpの利上げを引き続き主張することになり、そして、タカ派その議論に勝つと思われます。50bp の引き上げは織り込み済みで、今週のECBと来週のFRBの決定により、BOE が追随する圧力が強まると思われます。
それでも、BOEの追加引き締めの窓は徐々に狭まってきており、銀行金利のピークは2%かそれを若干上回る程度になると想定されます。
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