U.S. and European Markets Topics
マーケット概況 7月27日
各市場動向
米国株式市場
大幅上昇、FRB議長の発言受け安心感
ダウ:32196.00(前日比+434.46、+1.37%)
NASDAQ:12042.65(前日比+480.07、+4.15%)
S&P500:4027.44(前日比+106.39、+2.71%)
米国債券市場
10年債利回り低下、FRB利上げは予想通り、2年債は3%を割り込む
米国10年債利回り2.7448%、米国2年債利回り2.9817%
NY外国為替市場
ドル小幅安、FRB利上げも経済軟化の兆候指摘
DXY107.02、ドル円136.40、ユーロドル1.0199
NY原油先物
反発
WTI終値 前営業日比2.28ドル高の1バレル=97.26ドル
NY金先物市場
小反発
8月限の終値は前営業日比1.4ドル高の1トロイオンス=1719.1ドル
VIX
VIX指数上昇
23.13と前営業日の清算値24.69から1.56ポイント低い水準
経済指標
※()内は前回発表値、改は改定値
独 8月消費者信頼感指数(Gfk調査) ▲30.0(▲27.7改)
米 MBA住宅ローン申請指数(前週比) ▲1.8% ▲6.3%
米 6月卸売在庫(前月比) 1.9%(1.9%改)
米 6月耐久財受注額(前月比) 1.9%(0.8%改)
米 6月耐久財受注額・輸送用機器を除く(前月比) 0.3%(0.5%改)
米 6月米住宅販売保留指数(前月比) ▲8.6%(0.4%改)
米 6月米住宅販売保留指数(前年比) ▲19.8%(▲12.3%改)
要人発言
27日17:26 トルコ政府高官
「ウクライナからの最初の穀物輸出は今週中に行われる見込み」
27日19:52 リントナー独財務相
「原子力発電の利用に前向き、電力不足は避けなければならない」
「あらゆる電力生産手段を維持・構築する必要」
「内閣は、23年の気候基金に254億ユーロを計上」
パウエルFRB議長会見要旨
インフレ低下へ迅速に行動
断固としてインフレ低下させる
米経済は底堅く推移
インフレ抑制が不可欠
労働市場は著しく引き締まり、物価は高すぎる
バランスシートを大幅に縮小するプロセスを継続
消費者支出の伸びは著しく鈍化、金融状況の引き締まりを一部反映
企業の設備投資、第2・四半期に減少のもよう
賃金の伸びは高止まり
雇用の伸び鈍化も、なお堅調
労働力需要は非常に旺盛、供給は引き続き抑制されている
インフレ率は目標を大幅に上回る
労働市場の状況、底堅い総需要を示唆
広範な物価上昇圧力が存在
一部の商品価格は下落、物価上昇圧力はなお存在
インフレリスクを注視
バランスシートの縮小、重要な役割を果たす
今後数カ月、インフレ低下を示す説得力ある証拠探る
利上げペースはデータや経済見通し次第
次回会合で追加大幅利上げが適切の可能性、データ次第
FRBは可能な限り明確なコミュニケーションを取る
金利がより抑制的な水準となれば、利上げペースを減速させることが適切となる公算
経済はしばしば予想外の動きとなり、さらなるサプライズが待ち受けている可能性も
機敏に対応する必要
不確実性を高めぬよう尽力
物価安定達成に向けたプロセス、低成長や労働市場の軟化を伴う公算大きく、一定期間トレンド経済成長率を下回ると想定
データ踏まえ、75bp利上げは正しい決定と判断
必要であれば、追加的な大幅利上げをためらわず
今回の会合での決定、非常に幅広い支持得た
インフレ、引き続き失望誘う動向
迅速に中立金利に到達
需要と供給のより良い均衡に向け引き続き注力
FRBが必要と考える経済活動の減速が確認できるかを含め、入手される指標を注視、現時点で一定の証拠を確認
これまでに実施した利上げは大幅かつ速いペース、完全な効果はまだ感じられず
米連邦公開市場委員会(FOMC)は総じて金融政策を適度に抑制的な水準とする必要があると考えている
9月の会合、データに基づき決定下す
以前のように明確なガイダンスを示すのでなく、会合ごとに判断する時期となった
6─12カ月後の経済情勢について断言することは非常に困難で、来年の利上げ幅について予測することはできない
経済は通常よりも著しく不確実
金利を年末までに適度に抑制的水準にしたい考えで、3─3.5%の水準を意味する
直近のインフレ統計は予想より悪い内容だった
ターミナルレートに関する私の見解は、他のFOMC参加者と同様、変化した
ニュースヘッドライン
FOMCが0.75ポイント利上げ決定、2会合連続-インフレ抑制で-BBG
米耐久財受注、6月は予想外の増加-防衛航空機が80%超の急増-BBG
ボーイング、4-6月は現金創出に転換-事業立て直しの前進示唆-BBG
トルコ、ウクライナ産穀物の輸出再開は1週間以内に可能-BBG
ECB追加利上げは年内0.5ポイント、JPモルガンが見通し引き下げ-BBG
習国家主席、中国はかつてない複雑な課題に直面と演説-新華社-BBG
米中古住宅販売成約指数、2020年4月以来の大幅低下-金利上昇で-BBG
豪州の4-6月インフレ率、予想下回る-大幅利上げ観測が後退-BBG
スペイン、欧州の天然ガス「ハブ」に LNG再輸出=首相-Reuters
概況
FRBの金融政策決定を受けて、ドルは水曜日に急落しました。FRBは予想通り、FF金利を75bp引き上げました。
パウエル議長の発言に金融市場は反応し、今後の金融政策にかなりの光明を見出しました。
パウエル議長は、金利は中立に達したので、これ以上のフォワードガイダンスはないだろうと述べ、今後は金利は会合ごとに判断し決定されることになります。
記者会見の大半で、パウエル議長は景気後退への懸念を静めようとした発言を行い、この試みは明らかに成功しました。
物価の安定なくして何も始まらない」と指摘し、「インフレを抑えることは、潜在的な景気の波よりも重要なことだ」と述べています。
米国株式は急騰し、ダウは1.43%上昇し、S&P500は2.91%上昇しました。NASDAQは4.12%上昇し、最も高いパフォーマンスを示しています。
米国債のイールドカーブはやや縮小し、10年債利回りは2.80%、2年債利回りは3%を割り込みました。
EUR/USDは、一時1.0200を上回る水準で急上昇しました。
市場は一時的にEUの混乱を脇に置きましたが、この反応は短命かもしれません。 GBP/USD は1.2160で取引され、商品関連通貨が最も良いパフォーマンスとなり、AUD/USDは0.7000の付近で取引されています。
安全資産もドルを叩き、USD/CHFは0.9590まで下がり、USD/JPYは136.50まで下落しました。
原油価格は、序盤はFOMCを控えて、方向感のない神経質な動きでしたが、EIAが発表した週間石油在庫で、原油の取り崩し幅が大幅に拡大したことが判明すると、原油先物価格はじり高となり、FOMC後はドルが全面安になったことで、ドルで取引される原油先物は割安感からさらに買われ、一時98ドルまで上昇する場面もありました。
今日は、米国の第2四半期国内総生産の速報値が発表されますが、これも金融市場にアクションを起こすような不安定なイベントとなりそうです。
今日の予定
今日は、米国の第2四半期GDP・速報値が発表され、「テクニカル・リセッション」を回避できるか注目が集まります。
第2四半期の経済成長率は年率0.5%と、第1四半期の1.6%減から改善すると予想されています。
マクロ経済データでは、特に消費が急減した四半期後半に関連する数値が、景気の下振れリスクを高めていることが指摘されています。この数値がマイナスとなった場合、米国はテクニカル・リセッションに陥ることになります。
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