U.S. and European Markets Topics
マーケット概況 7月14日
各市場動向
米国株式市場
まちまち、銀行決算やCPIを消化
ダウ:30630.17(前日比-142.62、-0.46%)
NASDAQ:11255.18(前日比+7.60、+0.07%)
S&P500:3792.85(前日比--8.93、-0.23%)
米国債券市場
逆イールド縮小、7月100bp利上げ観測が後退
米国10年債利回り2.9576%、米国2年債利回り3.1321%
NY原油先物
小幅続落
WTI終値は前営業日比0.52安の95.78ドル
NY金先物市場
大幅反落
8月限は前営業日比29.7ドル安の1トロイオンス=1705.8ドル
NY外国為替市場
ドル対円で24年ぶり高値、米積極利上げ観測後退で上げ幅縮小
ドル円138.89、ユーロドル1.0014
VIX
VIX指数低下、26.39と前営業日の清算値26.82から0.43ポイント低い水準
経済指標
※()内は前回発表値、改は改定値
独 6月卸売物価指数(WPI) 前月比 0.1%(1.0%)
米 6月生産者物価指数(PPI) 前月比 1.1%(0.9%改)
米 6月生産者物価指数(PPI) 前年比 11.3%(10.9%改)
米 6月生産者物価指数(コアPPI) 前月比 0.4%(0.6%改)
米 6月生産者物価指数(コアPPI) 前年比 8.2%(8.5%改)
米 前週分の米新規失業保険申請件数 24.4万件(23.5万件)
要人発言
メスター・クリーブランド連銀総裁
「インフレは高すぎる、昨日のCPIは一様に悪い内容だった」
「インフレがピークに達したという説得力のある兆候はない」
「CPIデータは6月会合よりも小さい利上げ幅にすることを示唆していない」
デイリー・サンフランシスコ連銀総裁
「今月会合での最も可能性のある利上げ幅は0.75%」
「今月会合での1.00%の利上げは可能性の範囲内」
松野官房長官
「急速な円安動向見られ憂慮している」
「為替、一層の緊張感を持って注視」
イエレン米財務長官
「米国のインフレは受け入れ難いほど高い状態が続いている」
「米国のインフレの約半分はエネルギー高が要因」
ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「自身の基本シナリオでは、7月75bp利上げを支持」
「データの裏付けあれば、より大幅な利上げ支持へ」
「市場は1.00%利上げに関してやや先走った可能性」
「1つの経済指標を基に判断はしたくない」
ニュースヘッドライン
ウォラー理75bp支持、積極行動も示唆-トレーダーに迷い-BBG
モルガンS、4-6月業績は市場予想下回る-投資銀行業務が不調-BBG
イタリアのマッタレッラ大統領、ドラギ首相の辞任の申し出を拒否-BBG
米生産者物価、予想上回る11.3%上昇-インフレ圧力緩和の兆しも-BBG
3カ月物ドルLIBORが急騰、08年以降で最大-米大型利上げ観測-BBG
円が対ドルで一時139円台、24年ぶり安値更新-対ユーロは1.1%安-BBG
豪失業率、48年ぶり低水準-8月の75bp利上げ確率44%市場織り込み-BBG
米新規失業保険申請、11月以来の多さに増加-独立記念日の祝日含む-BBG
米 FRBタカ派当局者2人、75bp利上げ支持 市場で100bp観測後退-Reuters
米セントルイス連銀総裁、7月75bp利上げ支持 100bp否定=日経-Reuters
概況
米国ではFRBの100bpsの利上げ観測が後退し、ドルが調整的に下落しましたが、NY市場前半は景気後退への懸念からドルは強気で推移しました。
ウォーラーFRB理事は、市場は7月の利上げを100bpと見なして先走りした可能性があると指摘し、75bpの利上げで中立になると付け加えました。
また、ブラード・セントルイス連銀総裁も、7月のFOMCで75bpの利上げを支持するとの見解を示し、現時点で利上げ幅を100bpに拡大する考えは否定しています。
FRBでタカ派として知られているウォラー理事、ブラード総裁が7月FOMCでの利上げ幅について、75bpを支持すると表明したことで100bpの利上げ観測が後退しています。
CMEフェドウォッチは現在、7月に75bpsの利上げを実施する確率を56%となっています。
昨日発表された、先週分の新規失業保険申請件数(季節調整済)は24.4万件に増加しており、ここに来て景気減速の兆しが見られ始めており、新規失業保険申請件数の増加は2週連続で、2021年11月中旬以来8カ月ぶりの高水準となっています。
米国債券市場では、FRB高官が今月会合で予想される利上げ幅について、75bpを支持すると相次いで表明したことを受け 、市場で台頭していた100bp利上げ観測が後退し、2年・10年債イールドカーブ の逆転幅は、序盤の27.6bpから15bpまで縮小しています。
米国株式市場はまちまちの結果となり、期待外れに終わった銀行大手2社の四半期決算や13日発表された米国CPIの内容が消化される中、S&P500は下げ幅を縮小して取引を終えています。
米国株式市場は大きく下落して始まりましたが、ウォーラー理事の発言により、主要株式指数は日中の下げ幅をほぼ縮小して終えています。
日銀がハト派的な姿勢を維持していることを背景に、USD/JPYは24年ぶり高値を更新しました。終盤の取引では、米国の利上げ観測が後退し上げ幅を縮小しています。
EUR/USDは0.9951まで急落しましたが、1.0014付近で終えており、欧州の混乱がユーロの弱さに拍車をかけています。
ロシアのエネルギー大手ガスプロムは、修理のために停止したパイプライン「ノルドストリーム1」の機能再開を保証しないと発表しました。ドイツのハーベック経済相は、ガス配送をめぐる不確実性が今年後半に向け、経済の見通しをかなり曇らせていると述べています。また、イタリアのドラギ首相は連立はもはや存在しないとして、マッタレッラ大統領に辞表を提出しました。大統領は辞表を受理しませんでしたが、ユーロの重しになっています。
GBP/USDは、2020年3月以来の安値となる1.1759まで下落し、1.1820付近で推移しています。
英国では、保守党がジョンソン首相の後任選挙手続きを開始したことで、政治的なノイズがポンドの重荷となりました。
AUD/USDは、雇用統計が良好であったにもかかわらず、豪ドルは世界的な経済成長への懸念から売られ、2020年5月以来の安値を付けた、その後、株価の回復に伴い下げ幅を縮小し、0.6750付近で取引されています。
NY金相場は大幅に反落し、一時1トロイオンス1697.56ドルと2022年の最安値を更新し、現在1710ドル前後で推移しています。
今日の予定 7月15日
FRBのタカ派メンバーである、ウォラー理事、ブラードSTルイス連銀総裁の両名が7月FOMCで75bpの利上げを支持したことにより、100bpの利上げ観測は後退しています。
メスター・クリープランド連銀総裁は、次回FOMC会合までに注視する指標として小売売上高や、ミシガン大学消費者マインド調査のインフレ期待などと言及しており、また、FRBの共通インフレ期待指数(CIE)も公表され、これらの動向から7月FOMCの動向を探ることになります。
米国6月小売売上高のプレビューはこちら
それでは今日もよろしくお願いします。
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