DNAブログ:2024秋大会ACG環境考察(P.P)
みなさん、こんばんわ。DNA主宰のP.Pです。
いやー、東京での秋大会開催決定しましたね!台風で流れたのでどうなることかと思っていましたが規模も64人まで拡大されて結果的に良かったかもしれないですね。
今回はそんな秋大会のメタゲームを考察したいと思います。
大阪大会を振り返る
統計を見る
まずは前回大会のデッキ分布と上位の順位を見ていきましょう。
デッキ分布を見るとわかる通り、ゾウ系のデッキがかなり多いです。また、『四つ子』もサイドからゾウが扱うことも踏まえると相当数いることがわかります。(上位の2位と6位は実際サイドから『四つ子』になる。)
では、上位の方はどうでしょうか?1位の『レオスト』はDNAメンバーでプレイヤーの練度がとてつもなく外れ値なので正直何も言えませんが、腕があれば余裕で1位を取れると言うことがわかると思います。個人的に注目するべきデッキは赤系統(『赤単バーン』+『赤白狸ウィニー』)のデッキ。母数は4人とそこまで多くないですが、上位に3人もいます。75%も上位に食い込んできました。赤系統はこの初期環境では、プレイスキルが多少足りなくても扱いやすく安定して勝ちやすいゆえの入賞率でしょう。
統計で見えない情報
では、ここからは統計だけでは見えない環境を見ていきましょう。皆さん、この大阪環境で一番採用率が高いカードはなんだと思いますか?正解は《鉄檻》です。DNA調べですが、デッキへの採用率は優に50%を超えていると考えられています。
どうしてこのカードが脅威的な採用率を誇るようになったのでしょうか?出場者に聞いてみると『レオスト』のメタとして入れた人が多そうでした。『レオスト』を倒すためにサイドやメインに《鉄檻》を投入するプレイヤーが多数存在したんですね。確かに、《鉄檻》で『レオスト』の猛攻を止めることはできます。ですが優勝は『レオスト』です。
何故この《鉄檻》環境で『レオスト』がしっかり勝てたのか。その秘密はディスコード環境にあります。
ディスコードメタゲーム
存在しない環境
さて、私はACGコミュニティディスコードオーナーとACG調整チームDNAの主宰をしていますが、そのコミュニティ・チームが存在しているディスコードでは大阪大会よりも進んでいる環境が繰り広げられています。同じデッキでもプレイングや構築が大きく進歩しているんですね。そのため、『レオスト』側が《鉄檻》の突破手段をすでに習得しているのです。なので今大会では熟練者の『レオスト』が数ある《鉄檻》を突破して優勝することになりました。
さて、今回の大阪環境、実はディスコードでの3ヶ月ほど前 -デッキリスト公開時点- の環境と酷似しています。レオストやバーン、青緑ゾウが多くいました。
そこから、「冬の青緑・打ち消し全盛期」→
「レオスト覚醒」→「狸勃発。火炎地獄」→「《鉄檻》多投の監獄時代。Solution冬コン」と環境が移り変わっていきました。
移り変わりの末、現在のディスコード環境では「『レオスト』&『狸』をいかに《鉄檻》+αで止められるか」の戦いが繰り広げられています。
秋環境を考察するにはこの戦いを少し考察する必要がありそうです。
《鉄檻》について
さて、これだけ環境に影響を与えている《鉄檻》と言うカードは強いのでしょうか?結論から言うと、「メチャクチャ強いが、それ単体では止められないほど『レオスト』と『狸』がおかしい」が現状の正解となっています。《鉄檻》はメチャクチャ強い(個人的にはナーフすべきより)です。ロック系のカードが故にゲームの不快指数を上げやすいですし、殴るデッキがかなり機能不全になりますし、環境を歪めます。
しかし、なかったら『レオスト』&『狸』を止められるデッキが消えます。それはそれとして別に『レオスト』&『狸』は《鉄檻》を突破してくるので、これ単体では何とかならないんですけどね。
無かったら何とかならないけど別にあっても何とかなってません。
まぁ単体で何とかできたらそれはそれでダメですけど。
『レオスト』&『狸』について
と言うわけでこの問題の2デッキ。一番刺さるはずの《鉄檻》1枚では止めることができません。この強力な2デッキには、デッキ構造レベルでの対策が必要になります。メタカード1枚,2枚でどうこうできる相手ではないんですね。
まずは『レオスト』。《鉄檻》や《ヘビ貴族》、《闇夜の工作》などの多数のメタカードが存在しますが全部1枚で環境王者たる『レオスト』を止めるには役不足です。あくまでメタカードは遅延にしかなりません。最速2キル、安定3キルの『レオスト』が1,2ターンキルターンが遅れようと4,5キルすればいいだけの話です。
メタカードに追加して『レオスト』を遅延して封殺出来るだけのポテンシャルか、『レオスト』に匹敵するキルターンをデッキとして持っていなければ環境王者には勝てません。
一方『狸』。こちらは《鉄檻》によって動物が完璧に機能不全となりますが、それはそれとして顔にバーンを投げつけてきます。《鉄檻》がないと死にますけど、あっても全然死ぬケースがあります。何ならサイド戦から動物が消えると《鉄檻》はゴミとかします。
このサイドの読み合いが出来るのも『狸』の凶悪なところです。また、《鉄檻》をおいて動物を機能不全にしたと言っても他の殴るデッキとは違い、《火付け狸》によって1ターンで爆発的な火力を出すことに長けているので《鉄檻》が溶けた瞬間即殺されます。妨害や除去、追加の《鉄檻》、《貯め瓶》を使わなければ戦わせてもらえません。やはりデッキ構造時点で戦う必要がありそうです。
秋大会環境ティア
ティアの定義
さてと、前置きが長くなりましたがここからが本題です。秋大会環境のティアを考えていきましょう。その前にティアの定義に少し触れておきます。
てなわけで、こんな感じのティア区分で行かせてもらいます!
ティアS:レオ・ストーム
現状、環境という嵐の目として活躍中!
原作でも最強の座として君臨していた『レオ・ストーム』はリアル環境でもその座を欲しいがままにしています。
『レオ・ストーム』は様々な手段で多数のライオン動物を墓地に送り、その枚数分強力な効果を得る《ライオンの嵐》から出る《瞬足》持ちのライオン動物トークンをフィニッシュとした、非常に安定感のある高速コンボデッキです。
メインデッキからサーチ手段が非常に豊富であり、先ほどの《ライオンの嵐》によるコンボプランに加え、スタッツが強力なライオン動物を主力にしたアグロプラン、《獅子王》を利用したコントロールプランなどのプランを切り替えられる上に、サイドから様々なメタカードやメタ“メタ”カードを取り入れられるため、対応力が高いのも魅力です。
現在は《脱獄》を多めに採用し、その分《永久に咲く獅子の時代》や《ライオンの嵐》を減らし、安定感と終盤戦を見ている型が主流です。
この《鉄檻》環境でも《夜の使者》に安定してアクセスし突破することもでき、生半可なデッキでは相手になりません。
最近は『冬』に対抗するために《黄昏の神隠し》を採用し、大量の墓地から何度も唱え、実質妨害されないライオンのCIPを利用して墓地に落とした《獅子王》から《冬》を破壊するという戦法も編み出されました。
プレイヤースキルが如実に出るデッキなこと、発売されてからも環境にいるのは間違いないことから今から早めに握っておくべきデッキですね。
ティアS:赤白狸ウィニー
環境王者『レオ・ストーム』への対抗馬。
現状ディスコードでナーフ筆頭候補の《火付け狸》入りのこちらが優勝候補へランクイン。
《火付け狸》+《猟犬》によって、盤面に並べた動物を利用して《火付け狸》が自身にバーン効果を付与。そしてバーン効果をつけた後、《火付け狸》が盤面に並べた動物を捧げながら相手をどつくことで攻撃するたびにバーンが飛んでいきます。その飛んでいったバーンの分だけ《猟犬》の攻撃力がおかしなことになって相手は死にます。
採用されている動物も強力なものが多く、《火付け狸》との噛み合いがいい《有翼》打点の《火の鳥》、同じく盤面戦最強の《隻眼の鷲》、長期戦を得意とするデッキを無理やりこっちの土俵である短期決戦に引き摺り込む《狐火》、墓地殺し《ヘビ貴族》が採用されています。
そしてこのデッキの最大の特徴はメイン唯一の白領土条件である《諜報するライオン》による安定性と対応力。このデッキのリーサルの主力である《火付け狸》+《猟犬》に簡単にアクセスできるおかげで安定して3キル、そして何故か5%くらいで2キルを引き起こします。
そして対応力。対面に応じて必要な動物を持ってくることで対応力も抜群です。特に《ヘビ貴族》はメタカードでありながらこのデッキでは強力なカードとして利用されています。『レオスト』、《化け鷲》、《ワニの沼》が相手と見るや《諜報するライオン》から飛んできます。その中でも対『レオスト』においてこのデッキは強力で、メタカード(《ヘビ貴族》)+3キルにより7:3〜8:2レベルのハードカウンターデッキとして機能しています。
弱点としては《鉄檻》や盤面に並んだ動物に対して《火付け狸》が止まってしまいますが、デッキの半分近くを占めるバーンカードによってある程度は戦えること、優勝候補筆頭の『レオスト』へのカウンターデッキとしての立ち位置からかなりやれるデッキであると考えます。
ティアA:赤単バーン
環境的には追い風の『バーンデッキ』です。
とにかく相手の顔に火力を投げつけるデッキです。《鉄檻》環境において《鉄檻》を無視できるのはかなり大きな利点となっています。また、《火球》などを筆頭に盤面を除去することもでき、ティアS相手にもサイドからの《鉄檻》を絡められると、勝つことができます。
純粋な出力では《火付け狸》入りの赤デッキには負けますが、それでも3キルはそこそこできる点と《鉄檻》に対しての耐性がある点が優秀です。
扱いやすく一定数の使用率が見込めるデッキです。
ティアA:冬
今大会は秋のはずでしたが、どうやらもう季節は変わったようです。
現在のカードプールにおいて、最強のロックカードである《冬》を用いたデッキです。妨害や《森の中へ》などの遅延カードを豊富なドローソースでかき集め、《冬》の季節まで遅延し相手をロックして勝つハードロックコントロールデッキです。
現在は《鉄檻》+《貯め瓶》+《設計図》の道具を多めに取った『冬』が主流です。ある種、『冬季監獄』と言ってもいいでしょう。
ティア1に対しては相手の上振れに対応できずに、微不利がついていますがその分有象無象に対しては「縄張り」であることから強力な耐性を誇るフィニッシャーである《冬》が強力でアンフェアデッキとして君臨しています。
腕があって時間切れをケアできるなら選択肢に入ってくるデッキだと思います。
ティアA:青緑イーグルコントロール
個人的に推しているデッキです。『隠密鷲』と勝手によんでいます。
《戦列の鷲》で盤面を制圧。その後、《孤独鍋》や《帰巣本能》でさらにアドバンテージを積み重ねていきます。盤面の鷲が十二分に溜まったら、フルアタック。相手の攻撃には《森の中へ》で対応し、一方的に攻撃することができます。
デッキを回して《戦列の鷲》を並べて有利を築いたら殴るというシンプルなデッキです。《義賊ガエル》によって有り余るリソースを目的のカードに変換でき、対応力を得つつ、終盤にもパワーダウンしない構築となっています。特に《差別的海流》を拾って《義賊ガエル》や《戦列の鷲》を戻しつつ相手の盤面を弾き飛ばす動きは強力です。
ティアSにも十分勝ちうるポテンシャルはありますし、シンプルなコンセプトながら腕前が出やすく現状ナーフもされなさそうなので一押しです。
ティアB:青緑ゾウパーミッション
一番母数が多そうな人気デッキです。
1ターン目に《見習い子象》や《象貴族》で《象教皇》を墓地に落としコストを軽減しながら《歴戦の勇者》を出し、それを妨害で守りながら相手を殴るパーミッションデッキです。
純粋にゾウの基盤が強く殴り合いに強いほか、コンボデッキに対しても青の妨害で立ち回ります、サイドからは《四つ子の魂の呪い》の軸に変えることもでき、相手を撹乱できます。
ACGのコンボ、妨害、戦闘、パイル、サイドなどを学べる教科書デッキです。正直環境の立ち位置がいいとはあまり言えませんが、そもそものデッキ基盤が強いので、どれにでも勝てそうだし、どれにでも負けそうなデッキになっています。握るデッキが思いつかないしとりあえず大会に出てみたいって人はとりあえずこれ握っときゃ間違いはないです。
ティアB:禁術ロックバーン
カウンターの極意とも言えるデッキです。
《妖狐の巻物》と《妖狐の禁術》の「ターボフォックスギミック」を《鉄檻》と《貯め瓶》でカウンターを加速して、《妖狐の禁術》による特大バーンで相手を倒すデッキです。
「カウンターを稼ぐ動き」+「相手を遅延する動き」ができる《鉄檻》と《貯め瓶》は強力です。また、《妖狐の禁術》に加えて相手の顔をバーンで削れるため《妖狐の禁術》だけにかまけている相手をバーンでライフをゴリゴリ削っていけます。
環境の立ち位置的にはやはりデッキ的に青が入っているデッキはしんどいですがティアSにはやりようはあります。
ロマンも兼ね備えたロックバーン、是非ご賞味あれ。
ティアB:四つ子(ゾウ軸)
みんな大好きロマン砲の『四つ子』です。
《見習い小象》や《貴族象》で《象教皇》をデッキから探し、手札から墓地に直接送って《四つ子の魂の呪い》で相手をワンショットするデッキです。
ゾウ軸で『四つ子』を組む大きな利点として、ゾウの基盤が強いのに加え、手札から落とすのもあり《ヘビ貴族》が効かないというのが長所になります。また、28点のダメージが出せるため、《貯め瓶》2枚までなら貫通できます。代償に《歴戦の勇者》の早出しなどが構造的にできないのでワニ軸などと違って盤面を作って攻撃することが難しくなっています。
《鉄檻》さえ置ければティアSにも勝ちうる可能性があるデッキです。てかこの環境そんなんばっか。 ロマン砲が好きな方は是非。
まとめ
統括です。現在のACG環境は
ティアSのやべー2代巨頭『レオスト』&『狸』
VS最強のロック置物《鉄檻》
の構図になっています。
大会に勝つためにメタデッキを作るならこの構図のどちらかに有利を取れるデッキを作る日がいいかなと考えています。個人的には研究が遅れているワシ関連から何かこの構図を打ち壊すようなデッキが出てきてもおかしくないかな?と考えています。
私は大会出ないので知らないですし、正直これ出す時期がちょっと早いのもあって今回の予想した環境と大会の環境とで大きな乖離があるかもしれませんが、とりあえず大会結果が楽しみです。
それではみなさん、大会頑張ってください!
毎週投稿してます。面白かったらフォローといいねと拡散お願いします。m(__)m
チームの入会方法
① このディスコに入る。(ACGコミュニティも兼ねている場所なので、ACG好きならチームに興味ない人もここには入ってください!)
②サーバ内のロール付与チャンネルでチームロールをつける。(わからなかったらディスコで気軽に聞いてください。)
③入会できる。自己紹介などを忘れずに。
ライター紹介
2024夏大会上位入賞。ACG調整チームDNA主宰P.P。銀弾やGSを好む。