6才のうた
子どもから親へ語りかける系のメッセージが込められた曲は、泣くなというほうが難しい。
先日、息子の幼稚園最後の参観日があった。いわゆる「お遊戯会」的なもので、歌や演奏、劇などで1年間での子どもたちの成長を披露してくれる、アレだ。
息子はもちろんだが、長い長い演目を、堂々と発表する子どもたちの姿に、本当に大きくなったなぁとしみじみとしていたところに、最後に投下されたのが「6才のうた」だった。
子どもからの目線で、1番では生まれたときのエピソードを交え、親への「ありがとう」を。2番は、保育園や幼稚園に初めて行った日からを振り返り、先生や友だちに「ありがとう」を伝える内容で、とても涙なしには聞いていられなかった。
「いやこれ、卒園式で歌うやつやーん」と思ったが、卒園式は卒園式でそれ用の曲が用意されているそうで、「先生、ここで1発泣かせにきましたね・・・」と思いながらも、まんまと策略にはまってしまった。
「6才のうた」は1番からもうヤバい(語彙力)のだが、さらにヤバいのがCメロ的なところの歌詞だ。
まだ6才のくせに!
心配しかされないくせに!
んもう!4月からランドセル背負ってほんとに小学生になっちゃうの!
などとツッコミながらも、堂々とした姿で「心配いらないよ、大丈夫」などと歌われると、それがたとえ子どもたちの本心でないとしても、「あ~大きくなったな」「たくましくなったな」と、涙がボロボロとこぼれた。
私は涙腺崩壊BBAなので、基本的にこういうシチュエーションでは100%泣くが、隣にいたママ友も泣いていたし、終わってから合流したママ友はまだ泣いていたし、歌い終わったときには会場内にすすり泣きが響き渡っていたので、恐らくまだ卒園しない年中の保護者も泣いていただろう。
こんな破壊力がある歌詞に出会ったのは、久しぶりな気がする。
ちなみに、長男が卒園式で歌ったのは、「さよならぼくたちのようちえん」だった。むか~しむかし、そんなドラマを見たのもあって知っている曲だったが、これもいい歌だ。
卒園式では息子がドン引きするぐらい、私が1番ぼろ泣きしていたのを思い出した。が、改めて歌詞を見てみると、幼稚園の思い出が詰まった名曲ではあるものの「6才のうた」が保護者に与える感動や成長をつきつけられる精神的ダメージには到底及ばない(どちらも褒めている)。
お別れ系子どもソングでいうと、「おかあさんといっしょ」内で流れていた「やくそくハーイ!」もなかなかだ。
「ずっと友だちでいようね」という内容なので、普段聴く分には問題ないが、3月くらいに聞くと、どうしても「別れ」を意識してしまい、涙が出る。
「ずっと」「ぜったい」の重みを感じさせない約束には、子どもの無邪気さや希望がいっぱい詰まっているなぁと、思う。
未就学児は「子ども感」が強いが、ランドセルを背負うと大きなステップアップを感じる。人生の節目は何度かあるが、未就学から就学というのは、節目のなかでも上位に入る重要なタイミングなのではないだろうか。
「ドキドキドン!1年生」を楽しそうに口ずさむ次男、「3年から理科社会始まる~」とダルそうにする長男を見ていると、「もうそれ以上大きくならんでくれや」と寂しさも感じる。それでも止められない息子たちの成長を、私は見守るしかないのだから、時の流れは残酷だ。
間もなく卒園式。参観日を経てまた一回り成長した6才たちは、今度はどんな歌で私の精神を○しにくるのだろうか。