“マーケティングオートメーション(MA)”にメールじゃなく、チャット?
・ありそうでなかったMAによる「チャット」の実装
ネット通販の場面においてはかなりチャットが浸透してきました。ただ、それも、チャット単体で考えられてきましたが、なるほどと思ったのがシナブルの動きです。
つまり、MAにチャットを実装させるというもので、とは言え、別にそれでチャットに本格参入するということではない事を知るべきです。
ここに昨今のネット通販の潮流があるように思えたので、シェアします。
元々シナブルは「 EC Intelligence」というMAツールを展開しています。彼らは複雑になりがちなMAを、ECに特化させることでその担当者には相応しいUI、UXを構築しています。お客様の行動履歴の何をデータとして抽出して、どうシナリオを作れればいいのかがわかりやすいから、その後のメールのアプローチがうまくいく、そんなサービスです。
彼らはその延長線上で、チャットに関心を持ったというわけです。
・チャットがお客様を知る手がかりになる
だから依然としてメインステージは基本「メール」ということになります。でもチャットを実装させることで、そのチャットの内容を、そのシナリオ設計の入れ込むことができます。
例えば、その問い合わせのチャットで寄せられる言葉のうち、管理画面上、共通のキーワードを抽出することもできます。だから、それもまた閲覧履歴と同様にお客様のデータとして、共通にしかも深くアプローチできる要素となります。例えば「キャンセル」という言葉を使ったお客様、という具合にセグメントできるわけです。
・チャット側からもMA機能を活かせる
加えて、チャット上でのやり取りも、その行動履歴からの分析が活かされます。
担当者側が管理画面上、本来、MAで使う予定だったレコメンド機能を見ながら、お客様に提案だってできます。勿論、わざわざ対応しなくとも効率化を図るために、チャットボット形式にもできるといいます。更に、ファイルの添付もできるようにして、そのやり取りに柔軟性を持ってできるように工夫されています。
・One to Oneになるほど、きめ細やかな対応を
思いがけず、以前、シナブルの代表取締役小林裕紀さんが「我々のシステムは足し算ではなく、掛け算だ」と話していたのを思い出しました。
機能追加が単純にプラスされるだけの要因ではなく、複合的に絡み合って、倍化して行くというわけです。
要は、チャットの中身はMAデータに生かされ、MAデータはチャットに活かされる。
最初に、「何もチャットに関する企業に自分達も参入していこうというわけではない」と書かせてもらったように、自分達の持つリソースがチャットを通じて、さらに活かせると考えたわけです。そう考えると、見ているベクトルそのものが違うわけです。
そうなってくると、必要なのは店側の意識が変わる事にあります。ツールにとらわれず、何を重んじるかという話なんです。次回、チャットに関しては、チャットを事業にする会社に話を聞いて、そこと比較して、本質を見てみたいと思っていますので、それは次号以降、お楽しみに。
お客様を知り、きめ細やかな配慮とアプローチが肝となりそうなこれからの時代です。