見出し画像

序章

なぜ人は投資をするのか。

なぜ市場は動くのか。

なぜ理論は完成されていないのか。


この問いは、おそらく私が生涯追い続け問い続ける答えのない物語になるだろうと思っている。
金融市場に個人投資家として、また生徒を持つトレーダー私塾の教師として、人生をかけて取り組まねばならないことだと感じている。

その過程の中で、私がずっと感じていることは、この金融市場に立ち向かっていくために必要な考え方や知識について、もっと世の中の人は知っていくべきだということだ。

私はそのためにこの物語を書くことにした。AIという技術の力を借りながら、私の文章能力の低さを補ってもらいながら。


**不確実性**。

不確実性とは、未来が完全には予測できないことを意味する。しかし、それは単なる未知ではない。そこには**既に起こった未来**が潜んでいる。人間が歴史の中で繰り返してきた挑戦の痕跡、数学者や経済学者たちが真理に近づこうとした軌跡が、その中に見え隠れするのだ。

**ファイナンス理論**は、この不確実性を理解し、制御し、乗り越えようとする果てしない試みの結晶である。そこには偶然を数式に変えようとした数学者、資本主義の構造を理解しようとした経済学者、そしてその理論を武器に市場へと挑んだトレーダーたちの姿がある。

彼らの挑戦は常に歴史とともにあった。人間が生み出した市場という舞台は、巨大な実験場でもあり、真理を求める者たちの戦場でもある。その場で彼らが見つけ出したもの、そして見失ったもの――それは、私たちが生きるこの時代にも確実に繋がっている。

17世紀、フランス。
あるサロンの片隅で、ひとりの数学者が考えていた。ブレーズ・パスカル――賭博の世界で偶然と必然の境界を探求した男だ。彼の問いは単純だった。

「偶然は計算できるのか?」

この問いに対してパスカルとピエール・ド・フェルマーは、初めて確率論の概念を打ち立てた。偶然に見える現象の中にも法則があり、数学の力で未来を予測できるのではないか――そう信じた彼らの理論は、後のリスク管理の基礎となる。
しかし、それはあくまで始まりに過ぎなかった。

18世紀、アダム・スミスが「見えざる手」という言葉を使い、市場経済の動きに秩序が存在することを示した。個人の欲望や利益追求が、無意識のうちに社会全体の調和を生み出す――それは直感的でありながらも、未だ不確実性を含んでいた。

市場は、予測可能なものなのか。それとも人間の非合理性が支配するものなのか。

19世紀から20世紀にかけて、その問いに答えようとした者たちが現れる。ルイ・バシュリエは「株価の動きはランダムである」と提唱し、ランダムウォーク理論を生み出した。しかし彼の考えは当時、ほとんど理解されず、歴史の中で埋もれていく。

一方、ケインズは市場の不確実性を「人間の心理」に見出した。経済危機に直面する中で、彼は言った。

「市場は合理的ではない。人間は時に、予測不能な行動を取る。」

彼の視点は、現代の行動経済学に繋がるものであり、非合理な人間の心理こそが市場を動かす一因であると示唆した。

そして20世紀後半、数学と市場は再び交わり始める。

ブラック=ショールズ方程式が完成し、オプション価格の理論が確立されると、市場の動きは「予測可能」だと信じられた。しかし、その後の現実は異なった。LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)の崩壊、リーマンショック――市場は理論を超えた動きを見せ、人間の傲慢さが露呈した。

「理論は完璧でも、人間は不完全である。」

市場における不確実性は、人間の欲望、恐怖、そして集団心理の中に根付いている。数式はそれを完全には捉えきれない。

それでもなお、人は真理を追い求める。

市場がランダムであるならば、未来は予測できない。しかし歴史を振り返れば、不確実性の中にもパターンが見える。それは「既に起こった未来」だ。

バブルの生成と崩壊、恐慌と復興――これらは繰り返される歴史の中で、すでに私たちにヒントを与えている。そしてそのヒントを手にし、不確実性に立ち向かった者だけが、新たな時代を切り拓くことができるのだ。

ファイナンス理論は、真理を見つけるための道具に過ぎない。それは数学的な理論であり、哲学であり、時に人間の歴史そのものでもある。

不確実性は消えることはない。しかし、その不確実性に挑み続けることこそが、真理への探究の一歩となる。そして、その歩みの中で、私たちは自分たちの未来を見つけるのかもしれない。


この物語は、その挑戦の歴史を追うものだ。


数学者、経済学者、そして市場に挑んだトレーダーたち――彼らの足跡を辿ることで、不確実性の中に隠れた真理を探す旅が始まる。


さあ、物語を始めよう。既に起こった未来を見つけ、この愛すべき不確実で不安定であまりにも美しい世界で、未来の「可能性」をもたらしてくれる
「不確実性」と共に生きるために。


この物語はフィクションなので、架空の人物が登場したり物語を盛り上げたり理解してもらったりするのに必要かつ十分な創作を加える。
史実と違うとかいう点もあるかもしれないし、私も十分な資料がそろわずに書いたりAIが嘘を言ったりしてるところがあるかもしれない。
が、そこは読み物としてご理解頂きたい。
この物語で私が一番描きたいのは、不確実性に挑んだ者たちの挑戦の歴史であり、そして不確実性の中に存在する「真理」を読者諸氏と共に垣間見る、という時間を共に過ごすことが出来る時間を得たいがためだ。
ともあれ、理論に関する部分については明確かつ誤解なく、正確に記述して、教育読み物としても十分な品質たるものには仕上げたいと思う。

尚次回からは有料記事となる。
ここまで来て落胆された諸氏もいるかもしれないが、身銭を切って学ぶ者にとって、良い買い物であった、と言ってもらえるようなものには仕上げていきたいと思う。ご理解を賜りたい。


いいなと思ったら応援しよう!

Office TEAM101 Makoto Sunada
よろしければ応援お願いします! いただいたチップは事業活動費に使わせていただきます!