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幽霊人命救助隊

『幽霊人命救助隊』
著:高野和明
【あらすじ】浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。そこへ神が現れ、天国行きの条件に、自殺志願者100人の命を救えと命令する。裕一たちは自殺した幽霊だったのだ。地上に戻った彼らが繰り広げる怒涛の救助作戦。

①読み終わりました。(長い前置き)

買ったのは昨年の11月23日なので、およそ9ヶ月も放置していたんですね〜!びっくり。

展開や話自体はとてもおもしろく、キリの良い半分くらいのとこで読むのをやめていたんです。僕の悪い癖です。

理由は、物語を終わらせたくなくて。
先は気になるけど、読み終えたくない。終わっちゃうから。
わかりますか?笑笑

映画やアニメ、ドラマなどの映像作品は勢いで見終えちゃうんですけどね〜(ハマればの話)

映像作品は置いてけぼりくらうことが多々あります。映像スピードと自分の脳処理が追いつかないのさ 笑

小説はというと、自分のペースでゆっくり読めるのが利点で、前述の置いてけぼり感がない。あと、スマホいじりながら見るなど「ながら見」ができない。絶対活字に注目し、集中するじゃないですか。だから、小説ってその世界観に引き込まれると思うんです。
(ながら見せずに見入っちゃう映画はだいたいおもしろい)

ちなみに小説はこの著書が好きだから買う!ってのはもちろんありますが、ほとんどはふら〜と本屋に立ち寄って、パッケージや帯、あらすじを見て買います。パッケージ買いです。

②配役

僕は小説を読む時に、登場人物を知ってる俳優さんや漫画のキャラを勝手に脳内でキャスティングするんです。笑
この人、阿部寛っぽいな。よし、阿部寛だ!と脳内でキャスティングされて、僕の脳内では阿部寛が活躍するんです。
これは読んでる最中に脳内キャスティングされる時もあれば、読み終わってからこのキャラはこの人にぴったりだよね!と思うこともあります。
主人公はだいたい感情移入しちゃう自分に置き換えられます。笑

挿絵がない小説だと自由に空想できますからね。ライトノベルなんかは元々各キャラクターに絵がある。それはそれで読みやすい。
ま、活字のみの小説の1つの楽しみ方ですね。妄想炸裂。妄想万歳。

それでは僕の妄想配役をどうぞ!!

【キャスト】
裕一くん→自分(完全に感情移入している)
それか中村優一くん。ゼロノス大好きですよ〜

美晴さん→好きな女の子(完全に感情移入している!笑)
それか、松本若菜さんで。中村優一くん繋がり笑
野上愛理さんではなく、松本若菜さんの方。性格的に。

市川さん→しっくりきたのはこの俳優さんです。野間口徹さん

八木さん→銀魂の源外さん。めちゃしっくり。

神様→イメージは亀仙人のじっちゃん。それを阿部寛、松本人志あたりが演じている。

あとの登場人物は割愛。

③読んだ感想

やっと本題。前置きが長くなりました💦ネタバレ全開、嫌いな人は回れ右!です。

自殺した4人が幽霊になって現世に戻り、自殺しようとしている人(主にうつ病)を、あの手この手を使って助ける話。100人助ければ、めでたく天国行き!ただし、時間制限あり。

救助する方法がおもしろい!

幽霊なので、生きてる人達からは見えないし、聞こえない、触れないわけです。無理ゲーじゃん。どう助けるのかが、ストーリーを面白くしている。
それは…メガホンを使って相手の心に呼びかける!体を重ねることで相手の気持ちや、過去が読み取れる!(幽霊だからね、通り抜けるよ)などなど。他にも色々あるけど割愛。
これらの霊能力を駆使して、救助の攻略となる鍵を探していくわけですね!!
(実際には精神科を勧める、周りの人に助けを求める、同じ症状の人と対話させて悩みを分かち合う、など)
悩む人たちも様々ということは、助け方にもバリエーションがある。最後の救助者は…それは読んでみてほしい。泣いたぜ。

自殺という社会問題に注目

自殺した幽霊が、現世に生きる自殺を考えている人間(うつ病)を救っていく、この構図がおもしろい。
自殺して幽霊になった4人がさ、自殺しようとする人間を救うんだぜ?
苦しみが、悔しい気持ちが痛いほど分かるんじゃないかな。
それと、私たちみたいになるなよ、ってことなんでしょうか。

この本を読み終えて

悩み事や辛い事って生きていると必ずあるもの。その都度、自問自答を繰り返したり、自分を奮い立たせたりして生きている。それが僕ら人間だ。みんなそうなんじゃないか。
そんな時に、自分の内なる声って"彼ら"なんじゃないかって思った。"彼ら"が側にいてくれたのでは?"幽霊人命救助隊"の彼ら達が。

そんな事を思いました。

本書では、うつ病の人を救うのに身近にいる人の協力が必要とあり、それは気にかけるだけでもいいし、話をする、話を聞くだけでもいいのだ。1人目の救助者がたしかそうだった。

僕の話になるのだが、大学生の時に顔面神経麻痺で入院をした。俺は一生顔の半分が動かないままなのか、笑う時に皮肉ったような笑い方になって笑顔ができないのか、ぐちゅぐちゅぺのうがいができないのか、目が乾燥したままなのか、etc
そんなことを思った。が、点滴で治った。
今僕は障害者福祉施設で働いているが、これがきっかけだったと思う。たしかちょうど、障害児施設の実習を終えた直後の入院だったと思う。
障害を持った人は一生障害を持ったまま生きていく。自分は治ったが、障害者の方は…。

僕が入院中に、友達や家族が見舞いに来てくれた。ホントに嬉しかった。
(その時付き合っていた彼女は何かの喧嘩中で来てくれなかった笑)

僕は本当に周りの人たちに支えられているなと思った。このまま顔の半分が動かなくても、友達や家族は、自分を認めてくれるだろう。受け入れてくれるだろう。なんて心強いんだ、自分も今度は支える側になりたい、とも思った。

その思いが今の職につながっているのだ。

話を戻そう。

身近に自殺を考えている人がいるか分からないけど、自分でも何かできることがあるんじゃないか。救えるかもしれない。
そう思わせてくれるものが、この本にはありました。

早くドラマ化してくれ。配役は考えてある笑



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