至る場所に至る死に。
混ざりモノであったとしても純粋な白に照らされているかのように。
スッと静かに風が動き出す朝。
ワタシは何度目かの朝に待ち望んでいた。
同じ場所へ至る誰かを。
そうして、七度目の流転の後、
ワタシたちは動き出したのだ。
ボロい毛布をかけられた人形から、
生まれてくる場所を渇望する人形の片割れのように。
始まりは些細な事だった。
互いの認識を合わせるには、共通していたから。
少年もワタシも、井戸の中で死に、
異土へ流れることもないまま。
深く深く、其処に沈殿してしまっている。
ただ、最初は死にたくないと。
次に、叶え切れなかった望みを思い出して。
さんざんと悩むことも出来ない刹那を経て、
紙の本流の如く、伝えたい言葉を、
想いを、感情を溢れさせた。
ワタシもまた、伝えきれてないアイシテ【タ】ルがあるのだと。
ワタシは彼に、生の熱望を感じて。
共に湧き上がった。
例えこれが単なる憂さ晴らしになろうとも、
肉体などキリが無いほどに詰み上がったこの時代で。
移動することもなく佇んでいるワタシに逢うこともないキミは、
いったいどうしているのだろうか。
頭の中に鳴り響く鐘に、
ワタシたちは愛情を乗せて歩く。
必ず、其処【来たるべき場所】で笑って逢おうと。