生類憐みの令
こんにちは。中学受験の社会科のお話です。
今回は生類憐み(しょうるいあわれみ)の令について。
江戸時代、江戸幕府の5代将軍の徳川綱吉が出した、生命を大切にする法令ですね。
徳川綱吉は犬好きだったので、特に犬を大切にしたみたいですね。
で、大体このあと、この法令のひどいところを説明するパターンになりますよね。
ですが、今回話したいことはそれではありません。内容ではなく、影響の方です。
まず、現代の日本でこの法令を出したらどうでしょう。
「何を今更…」
「財源はどうするんだ!」
とりあえずこうゆう声はありそうですよね。
では、戦国時代にこの法令を出したら…。
「何言ってんのおまえ?」
「敵を牽制(けんせい)しているつもり?」
「お、こいつを滅ぼすチャンスじゃん♪」
こう思われるだけかもしれませんね。
その上で、17世紀(1600年代)末、江戸時代に出されたということを考えてみましょう。
「あぁ、もう戦乱の世ではないんだなぁ…」
「徳川様も、なんか丸くなったな…」
「将軍は犬が好きなんだ…私は猫が好きだけど」
戦国時代から江戸時代初期にかけて、戦乱が絶えない時期があったことを考えると、感慨深いものがあったかもしれません。一方で、「そこまで細かく支配するのかよ!」と支配体制への嘆きもあったかもしれません。皆様はどう思いますか?
法令(≒きまり)から、つくった人の様々な想い、その他大勢の様々な想い、そして、時代の変化やその兆しを感じること。これらを、内容の理解と同じくらい大切にしたいですね。