教員はアリかナシか?
コロナ禍で公務員人気が高まってるらしい。反面,教員の人気は昔ほど高くないようだ。確かにコロナで公務員もボーナスが0.5%だけ減ったらしいが,そんな「形ばかり」だけ減らせるのは公務員の強みらしい。
ちょっと現実的に教員がアリかどうか考えてみる。
教師というのは,割と広義らしく,普通は(会議資料などでは)教員と呼ばれる。また,教員でないスタッフも一部いるため,まとめて「教職員」と呼ぶことも多い。ここでは「教師」ではなく「教員」として考えてみたい。
まず,教員は当然ながら,市役所職員よりも給与は高い。崇高な使命を持ってるから,給与は高くなるそうだ。ただし残業代は出ない。市役所の人が早朝や土日,夜に働いてる話はあまり聞かないので,時給で割るとどうかなって話にはなる。これは法律で決まってる(同様に危険な仕事である警察官や消防士も給与が高い)。
私自身は,あまり残業してるとは考えていない(やりがい搾取されてるとも言えるが)。好きだからやってると思ってる。理系の院生や建築の専攻学生は当たり前に夏休みも研究をすると聞くし,新人美容師も仕事終わりに練習をすると聞く。もしこれらの仕事の人が「1日8時間労働,それ以上は1分も働きたくない」タイプの人なら,完璧に向いてないと言えるだろう。教員も同様である。最近はワークライフバランスで労働時間は減りつつあると思うが。
ただ一定量の仕事があるのは事実だ。私にとっては教師は今でも尊敬できる,素晴らしい仕事だ。そしてそれは「教師という職業」ではなく,「その人の生き方」に対しての尊敬だと思う。そして,私には,なかなか1日8時間労働の人が尊敬されるイメージはない。もちろん残業するかどうかなど考え方は自由だと思うけど,8時間労働で「頑張ってます」と言われてもなかなか信用できないし,テレビと違ってそういう人で優秀な人を見たことがない。
だから,毎日,定時に帰るのは気が引ける仕事だと思う。ボランティア的に土日に来ることもある。しかし,私にとっては,それはそんな嫌な仕事でもないし,当たり前だと思ってやってる。残業代が出ないのも問題だけど,基本給が高いから込み込みだと思ってる。だから,残業を1分もしたくない人やサ残に敏感すぎる人はやめた方がいいと思う。
次いで教育「公務員」として考えてみる。例えば私が手当て等込みで35万円貰ってるとする。これは日本ではそこそこの額だろう。加えて,今後,40万円,50万円貰えるのはほぼ確実である。これは素晴らしい仕事ではないか?
確かに民間なら50万円100万円もらう人もいるだろう。しかし,大概は超優秀な人で公務員のように「全員」貰えるわけではない。仕事はきついし,加えて今は簡単にリストラされる危険もある。そしてそのような仕事には遠隔地への転勤が伴う。子供がいる場合は大変だろう。そう考えると教員はいい仕事だと思う。
また,教育大で教員を目指さなくなった人は,大体が地元自治体の一般公務員や地方銀行を目指す。これも合格できれば地方ではそこそこの仕事と言える。私が感じるに,リスクを取る人が少ないのでこのような選択肢になる(間違っても東京のベンチャー企業行きますとか,バリバリの営業会社に行きますみたいなタイプはいない)。そして地銀や役所ならクビになる確率も低いだろう。ただ「つまらなくない?」と思う。
子供というのはとんでもない想像を常に超えてくる生き物だ。民間企業や役所がどうなのかは詳しく知らないけど,「トラブルの多さ」で言えば学校という組織は相当なものだろう。私はすごく楽しいと思う。それが嫌だと思うのなら,向いてないと思うけど,子供達は生きてるからそうなるのだし,親も子供のことに真剣だからクレームも言いたくなるのだと思う。
私は,教員は医師みたいなものだと思う。ある程度社会的地位と専門性がたかいし,同時に責任がある。
最後に。教員になることや教育大に入ることは,大手企業に入ることや,医師になることと比べれば難易度は低いと思う。教師への尊敬度が減ってることを嘆く教育者の方は多いけど,私の考えは違う。そのような組織なら,「それなりに頑張っていれば」抜きん出ることができるだろう。
例えば,せっかく東大早慶を出てコンサル会社とかに入っても同期が優秀すぎるし,求められるスキルが高すぎて,短期間で潰されてしまう人も多いと聞く。そのような「素晴らしい組織」も良いと思うけれど,人生は長い。
教員は(最近の若手は必ずしも優秀な人ばかりではないので)そこそこ頑張れば生き残れる可能性が高い。また社会的意義も高い。
だから私は,なんでやらないんだろう?と不思議である。嫌嫌,得意でもない勉強をして,何浪もして医学部を目指すなんかよりずっと幸せだし,社会にも有用ではないだろうか。
そんなわけで私的には教員は大アリだと思う。
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