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エネルギー投資

【エネルギー関連: エネルギーはどこから来るのか】
投資という「大人の探究」をする上では財務状況のような定量指標に加えて、
・地政学的な状況
・気候・経済の大きなトレンド
に目を向けて考えるようにしています。

その結果、個々の企業への解像度を上げるというよりは世界全体の潮流の中で、日本企業の動向を注視するという感じです。本来であれば、時価総額が50億程度の小型株を具にみて、解像度を高め、多くの資金を一極集中投資した方が利益は上がるのだと思いますが、前の記事で記載したように、自分のスタンスは日本企業を応援すること。

自分が損をすることなしに、資産を伸ばし、その中で、いわゆるJTCに投資しつつ、noteのような日本の成長企業に再投資していきたいと思っています。

さて、今回は昨年投資した、石油資源開発とINPEXへの投資(どちらも年初に売却しました)の背景について語りたいと思います。なお、購入したのは、トランプ氏がDrill, baby, drillと言って、原油価格が下がった10月、11月あたり。INPEXは12月が決算なので、権利付が近かった割に割安だったので、1930円台で1000株、購入。年明けに1965円くらいで売却できました。

もちろん、素人考えが偶然、異なる要因と合致して、思惑通りいった可能性もありますが、参考までに記述します。火力発電のエネルギー源は原油。日本においては石炭は効率的に燃焼できるシステムが確立されているにもかかわらず、欧米の「環境プロパガンダ」により転換を余儀なくされた。

日本の原子力は3.11以来骨抜きになってしまい、その代替として何をしていくのか、再生エネルギーの拡張が期待されているが、その見通しは遠く、かつ原子力関連の技術の一層の衰退が懸念される。

こういった内容を総合して、2024年後半は原油に投資をしました。

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【人口とエネルギー】
国連の予測によれば世界人口は今から60 年後の2080年代半ばに103億人、つまり、今の約1.5倍のところでピークに達すると予測している。人口増に対して、一人当たりの電力使用量はどうなるだろうか?

日本は重厚長大産業が縮小してサービス業にシフトしたり、そもそも人口減ということもあり、電力需要は以前と比べると縮小している。

他方、世界的な電力需要について言えば、GDPと電力消費にはかなり相関が認められる(R値0.9982)とのことで、経済成長とエネルギー需要には密接な正の関係があると言って良さそうだ。(出典:地球環境産業技術研究機構(RITE), 2024,8.9)

これは世界全体での需要増を示唆する。さらに、日本を含む先進国においても昨今のAI等の進展に伴い、具体的にはChatGPTなどの計算資源などに関連する電力需要が高まることが想定されている。このように、今後の電力需要は増大する見込みが非常に高いと考えられる。

では、世界的に増大することが見込まれるエネルギー需要をどのように満たしていくのだろうか?

勤務校の生物の授業をきっかけに、地球におけるエネルギーのほとんどが太陽から来たものであることがわかった。気の遠くなるような長い年月をかけ地中に固定された炭素や窒素である化石燃料を掘り起こして、エネルギー需要を満たしている。しかし、これは埋蔵量に限度があるので、枯渇する可能性がある。再生エネルギーとされる風力や水力、波力などに頼る手もあるが、安定的な供給が難しい。特に、太陽光発電について言えば、各家庭に備え付けることにより、災害時などにも効果的であるため、補助金を出して進めており、また、郊外の日当たりの良い空き地などでも法人が太陽光パネルを設置しているのを見かける。ただ、これらの機材が耐用年数を終えた時にどう処分するのかは、現在問題になっているリチウム電池処理問題同様懸念が残る。

そこで、安定的にほぼ無尽蔵に電力を供給できるのが原子力発電になるわけだが、震災以来もはやこの話題はタブーとなっている。日経新聞によると原子力に関わる人材が先細っており、研究炉も廃炉され、どんどん少なくなっているとのこと。日本が先端を走っていた原子力産業が明らかに衰退の一途を辿っている。他方で、今後の電力需要を見込んでか、米国のGoogleなどテック企業がこぞって莫大な投資をしているのが核融合である。放射性廃棄物を出さないという触れ込みで、安全で半永久的なエネルギー源となることを期待されている。

震災以来、日本のエネルギー自給率は半分近くとなり、20%であったものが、現在10%台前半である。某首相たちは危ないからやめろやめろと言って、一方的にやめさせた。その結果、化石燃料をバンバン燃やして二酸化炭素を排出することになっている。

確かに、原子力叩きは表向き、感情的に安易な解決策ではあったが、経済的に、また、流行りのSDG的に見たら逆行する動きである。節約や効率化が得意な日本は涙ぐましい努力で、効率化を図っているが何をエネルギー源にするかというそもそもの議論と比べるとインパクトの桁が違う。

今後、世界的な人口増加と生活水準の発展に伴い、エネルギー需要はさらに増加する。トランプ大統領の掘れ掘れ政策によるシェールガス・オイル掘削による価格下落の可能性もあるが、一時的なもので、埋蔵されている化石燃料を使っていることに違いはない。埋蔵量を減らし、CO2を出しまくっている。言い換えれば、負担を次の世代に先送りしているだけである。

震災による未曾有の大惨事を経験し、もう経験したくないと思うことや、リスクを取りたくないということもよくわかる。被災された方のことを考えろと言われると口をつぐんでしまうしかない。しかしながら、近視眼的になり、今、リスクを取らないことは、リスクを単に先送りしているだけなのかもしれないとも思う。事実に目を向けて、合理的な判断を下すための知識を蓄えることも重要かと思う。

奇しくもベトナムは2024年11月25日、2016年以来凍結されていた原子力プロジェクトの再会を決めたようだ。日本の優れた技術を廃れさせないためにも、日本企業には頑張ってほしい。また、国内でのエネルギーに関する冷静な議論をそろそろ開始すべきだと思う。

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